矢傷を受けた
そのような攻撃力を持っている部隊からの攻撃ではないはず
しかし油断であった
驚きで痛みなどなかった
自分の肩にこれを突き立てた敵に興味を持った
「この距離を射程にしている奴があちらの部隊にいるとは
少し戦術に変更が必要なようだ」
この騎士団で今回の戦場を指揮している大将が言った。
「ディオス殿!」
本陣に射掛けられた一本の矢をみて戻ってきた将校である
その出で立ちは、
大柄だか器用で白銀の髪をなびかせ馬を走らせる
その姿は「白狼」よ呼ばれていた。
「なに少々俺が敵をなめて噛み付かれただけのこと
おまえの目は矢が肩を捉えたのを確認できたはずだ
それよりブラーフ、お前は単騎で戻ってきたが、部隊はどうした?」
「最前線のアランと合流しています。
もう東側の敵部隊は壊滅状態、中央に一点集中させるため
軽騎馬隊を彼の鉄騎隊に預けてまいりました、
大将が心配で・・。」
「ここで、死ねばそれまでの男。
代わりはいくらでもいるぞ ハハハハッハ!
それより西に展開していた敵部隊、もう散々蹴散らしたが
元気なのがいるようだ、ちょっとひねりにいってやろうではないか」
「しかし、その傷で打って出るわけには。」
「なにを言う、あの『鬼教官』からそんなやわな鍛え方はされておらん!
むしろ、油断して矢傷を受けたことを笑われるだけだ ハッハッハ!」
ディオスがここまで興味を示したのは自分に手負わせたことを
屈辱に思ったからでは無かった。
あの射手は”自分を討ち取ろうと思えば打ち取れた”のだ。
わざと肩を狙った、
そして自分が身の丈ある大剣を両手で使うことを知っての射撃である。
おかげで肩の腱が切れ、あの大剣を使うことはできない。
脇に差してある護身用の剣、
とは言っても通常の歩兵が使うには大きすぎる剣を片手に馬に飛び乗った。
ブラーフと共に150騎で先ほどの部隊の前に急行した。
距離にして矢を射かけてきた兵士の射程の中にいることは当然
しかし、ディオスには矢が飛んでこないことはわかっていた。
「あいつはどうやら直接俺に話があるらしい」
そう呟いて、剣を振り下ろした・・・。
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