ディオスのブログ -2ページ目

ディオスのブログ

ブログの説明を入力します。

不思議な男だった。

甲冑もつけず、武器といっても

調理に使うナイフ一本

それに途中で獲ってきたという

兎を一羽に酒を持ってきた。



伝令や使者に手をかけないという

暗黙の規則はこの時代の戦争にもある。

しかし、来たのは敵の大将なのだ。



カスファーもあまりのことに

対応に困っている、

それならば少しばかり年長の

ドイルが同席すると言うので

話をすることにした。



聞けば、興味を持ち自ら話にきたのだという。


この男の真意はなんなのか・・




「貴殿は私と話がしたかったのではないか


そのためにおもむいたのだ。


あの矢は見事だった、私が興味をもつには


充分な言葉だったのだ。」と、敵の大将が言う。




自分がなんとなく伝えたかった意図を


この男は自分以上に理解してくれたのだ。




「仮にここで首を取るような輩であったらどうしたのだ。」


ドイルが割って入ってきた。


「あなたにはその確信が最初からあったというのか」




「難しいことではない、本来戦に身を置くものは


口よりも自分の獲物で語るものだ。


遠く離れた敵ならなおさらのこと、


だから貴殿の友は私に射掛けてきたと思う。


理由はこれで十分だと。」


ディオスと名乗った男の口からでた言葉は単純で明解だった




「この戦の行く末がどうなるかわかっているつもりだ


そこまで俺も愚かではない、


しかし合点がいかないというのもある。」


ドイルはこの大将がしようとしていることを


理解している、それでついでた言葉である。



カスファーはじっと二人の会話に耳を傾けていた。


言いたい、


傭兵としてこの部隊に配属されたはいいものの


部隊の損害状態から、


捕虜になることや寝返ることは簡単


しかし、この男に着いていくためにどう信頼を得るのか


気持ちはここまできていた。



周りの兵たちを説得することはできるのか、


ならば、自分だけ投降することを条件に


兵を見逃してくれないか、など


様々な思考が駆け巡る。



「私の友が考えていることはわかっている、


おそらくは敵将である


あなたに好意を抱いてしまったのだ。」



その思いに気づいたからこそ


ディオスも単身でここまできたのだ。



「合点がいかないのはこのまま自分が


血を流さず負けを認めることだ。


私はあなたの部隊の白銀の男と立ち合いを望む」


ドイルはなんとしてもカスファーを生かしたかったのだ。


自分が出ることでカスファーを手負わせることなく


この戦を終わらしたかった。



「この状態の私が出たところで


貴殿も納得がいかないだろう


わかった戻って話をしてみる。


明朝まで待ってくれ。」



暗闇に消えていくその背中は


戦場で猛威を振るった姿とは相反して


カスファーはあたたかいものを感じていた。






---- see you next time.........................