好きな作家のカー。最近書店で昔ほど見かけなくなったが、創元推理文庫で再版や新訳版としてコンスタントに発行してくれてるので新刊をチェックしてた。5月頃に6/28発売で「悪魔のひじの家」と今まで聞いた事無いタイトルが近刊で出たのでカレンダーにマークしてた。地方だと予定日より数日遅れて入荷なので6/30頃に書店に向かった。最初の駅前のTSUTAYAでは新刊コーナーにも創元文庫の棚にも無かったので、気落ちしながら郊外の未来屋書店に出向くが、ここは予想通り入荷無し、で、郊外のTSUTAYAに向かう。最近の弘前じゃまだ在庫が多い書店になってる。新刊コーナーには無かったが、創元の棚に発見。丁度読み終わってたピップシリーズの「受験生は謎解きに向かない」も在庫があったので一緒に購入し、先に「受験生は謎解きに向かない」を読んだ。何とかそっちも読了したのでカーの作に取り組んだ。巻末に1998年の新樹社の改稿版とあった。創元でも早川でも無かったので知らなかった。

 一応ギディオン・フェル博士シリーズらしいのと1965年と晩年の作らしい。最初に「帽子から飛び出した死」のクレイトン・ロースンへの献辞があった。「有栖川有栖の密室大図鑑」にはカーと親交があったとあったので、なるほどと思った。「帽子から飛び出した死」も読んでみたいのだが入手出来ていない(´・ω・`)。さて、舞台はイギリスのレープ・ビーチにある“悪魔のひじ”と呼ばれる岬?にある緑樹館という悪逆非道で名を馳せた判事の邸宅だったのをバークリーと言う富豪が所有してるとこで現当主が死亡の後、ペニントン・バークリー夫妻が引き継いでたが新たな遺言が見つかって弟の方に全財産を送るという事で、その息子ニコラス・バークリーに遺産が転がり込む事になった。既にニコラスはアメリカで独り立ちしており遺産なんかいらん!としたもののペニントンの妹エステルの誕生日祝いと相続手続きにイギリスに帰って来て、昔からの友人歴史学者のガレット・アンダースンに同行を依頼する。丁度ガレットはフランス旅行中に知り合ったフェイ・ウォーダー嬢と意気投合したが、イギリスで再会を約束したのにスッポかされ失意に落ち込んでいた。が、レープ・ビーチ行の列車でフェイと再会してしまう。フェイは何とペニントンの秘書をしていると告白するが自分との仲は素知らぬ様にと釘を刺され、一駅前で姿を消す。ガレットとニコラスに迎えに来たペニントンの新妻デイドラと弁護士のアンドリュー・ドーリッシュの4人はデイドラの運転で緑樹館へ向かいその車内で、バークリー家の緑樹館で不穏な気配を聞かされる。まず新しい遺言状の後ペニントン家はニコラスが遺産を要らないと云うのを信じず、猜疑的になってる事と緑樹館で悪逆非道の判事の幽霊が出没してるとの事。最近ペニントンが銃を購入し幽霊に扮した奴に一発見舞ってやろうと言ってるが、実は自殺を図ろうとしてるのではないかと新妻と弁護士は危ぶんでいるとの事・・・。そんな中緑樹館に到着するなり銃声が鳴り響く。ニコラスが駆け込むとペニントンが呆けていて、幽霊に空砲を撃たれたと云うのだ・・・。顛末を聞いて、幽霊(幽霊に扮した者?)が空いた窓から入って来たと主張するペニントンだったが、ニコラスが確認すると窓は閉まっており内側から鍵がかかって居たのだった。その内に家人が集まって来て、館にはペニントンと妹と常勤医の3人に召使しかいなかった。その後ひと騒動二騒動の後、ペニントンが部屋に着替えの為に引き籠るとフェル博士とエリオット副警視長がペニントンに呼ばれたとやって来たのだったが、その後引き籠ったペニントンが鍵掛けて出て来ないので外の窓から見ると銃弾に倒れて居るのを発見する。部屋は密室だった!

 舞台はお約束な館ものだが、自動車は走る電気は通てるレコードは掛かるなど大分近代だ・・・。読み易いが登場人物たちの自己主張が強く話の腰を折りまくるのでカー流スラップスティックなコメディにガレット&フェイの恋愛が絡む密室トリックは使い古しだが、伏線の怪しい奴を推測すると予想外な犯人に、やられた~となってしまった。私(わ)もまだまだだなぁ~(*^▽^*)

 死体がゴロゴロじゃ無いし読み易いし数日かけて半分まで来ると昨夜一気に最後まで!流石カーだ(*^▽^*)。今日は一日眠くてボ~っとしてる(*^▽^*)。取り敢えず新刊の積読本は亡くなったので次は何読むかなぁ~そう云えば漫画の新刊の積読が増えてしまったなぁ~。

 後は創元でのカーの再刊を待ってます!