予告編でミステリーぽかったので鑑賞。「デデデデ」に続けて12:40の回。ホールは4番。客は5人程。

 原作は吉田修一。原作は一冊も読んで無いが映画化作は結構見てる。「7月24日通りのクリスマス」「パレード」「悪人」「横道世之介」「さよなら渓谷」「怒り」「太陽は動かない」など、私(わ)的に可なのと不可なのが極端に分かれてる。監督は大森立嗣。「まほろ駅前多田便利軒」「さよなら渓谷」から「星の子」等そこそこ観てる。主演は福士蒼汰。湖畔の介護施設で医療器具が停止され100歳の老人が死亡。機械の不具合は無く、誰かが停止させた殺人として捜査が始まる。捜査側の刑事でベテランの伊佐美佑:浅野忠信と若手の濱中圭介:福士蒼汰のコンビで伊佐美は昔ながらのパワハラ刑事。容疑者側に介護施設の松本郁子:財前直見が疑われ、恫喝的取り調べで精神的に追いやられて行く。伊佐美の悪刑事ぷりが全開だが、以前薬害事件で多数の死人が出てるのに捜査に圧力が加わった苦い過去があった刑事だ。何時もどつかれてる濱中は意外に根暗風なドSで施設職員の豊田佳代:松本まりかのドM風気質に付け込んでアブノーマルな関係に陥って行く。これに薬害事件等を追う探偵役的ジャーナリストの池田由季:福地桃子が絡んで来て、薬害事件の背後にいる市島松江:三田佳子の証言などで旧日本軍の731部隊絡みが出て来るが・・・。

 舞台は滋賀ナンバーの車が出たので琵琶湖らしい。動機と犯人はほぼ匂わせで終わってるが、ま、間違いないだろう。後で調べて、死んだ老人の妻が市島松江だと知った。ひたすら雰囲気な映画でミステリーとは言えないなぁ~。予告編でも水の中の直立した松本まりかのシーンは印象的だが、濱中&豊田の昔のロマンポルノ程ゾクゾクする怪しさは無い。「さよなら渓谷」ほどドロドロ感が無いなぁ~結果煮え切らない映画だなぁ~な感想。原作はもっと明確なのだろうか?