シネマヴィレッジ8・イオン柏に新上映で観たいのが複数開始。ってんで朝柏に向かう。曇り空なれど国道7号の桜並木は満開で気分が良い。藤崎を過ぎる頃からポツポツ雨が降って来た。五所川原経過中は結構降っている。9時半前に着いたのでしばらく車で待機。そろそろかと向かうと入り口のロックを丁度外している時だった。一番で入場。開始は9:55。映画のスケジュールを確認したら見たいもう一本の映画に5分余裕で繋がるのを確認。でなければ観る順番代えて終了が大分遅くなりそうだと思ったのでこれ幸いとチケットを纏めて購入。ホールは6番。

 既に入場可で、フライドポテトとミルクティーを買って入場。誰もおらん。結局貸し切りだったぁ~。

 監督はビクトル・エリセ。評判の「ミツバチのささやき」等も未見だ(´・ω・`)。以下ネタバレしてます

 予告編観て観たいと思ったのに劇場のポスターでもオープニングでも、どんな映画か皆目思い至らなかった(´・ω・`)。

 嘆きの王と云う館に王様然とした男が居る。執事の中国人が客が来たと伝える。「時間通りだな」と王様然とした男。やって来た男に人探しの依頼をする上海に居る自分の娘だと言って母親の写真と娘の写真を見せる。どちらも扇を持っている。踊り子だった母親は娘を連れて上海に行ってしまったらしい。既に身寄りは娘だけで、死ぬ前にもう一度会いたい様な依頼で、男は娘の写真をコートに仕舞い依頼を引き受ける・・・。会話から世界大戦以後らしいが、ナレーションと共に場面は現代のマドリッドに変わる。(ここで予告編を思い出した。)ちょっと風采の上がらない格好の男が現代的なビルに入って行く。受付で「未解決事件」の場所を聴く。現代の洒落たオフィスの中で名を名乗り面会相手を名乗ると通された。男は元映画監督のミゲル・ガライ:マノロ・ソロで、TV番組「未解決事件」の女性プロデューサーの依頼で番組に出る事になったらしい。彼の未完の監督作「別れのまなざし」の撮影中に忽然と失踪した主演俳優フリオ・アレナス:ホセ・コロナドの特番らしい。ミゲルは主演男優で友人のフリオ失踪で映画が中断、今は海の傍で釣りや家庭菜園に少し文筆活動で生活してるらしい。久々にマドリッドに来たミゲルは貸倉庫で昔の撮影衣装を着て映写師?編集者?の友人を訪ね残った未完のフィルムの確認をしながら昔談義を交わす。その後、TVのインタヴュー撮影を受けながら、フリオの娘アナと再会したり、町をぶらり。古書店で偶然フリオとも仲良かった女友達?恋人へ送った自分の書籍を発見。女友達とも再会し、撮影途中で失踪したフリオは既に死亡してる様で、事故か自殺かと未だに謎なのだ様だ。最後の消息は放置されたコートと車と近くの崖上の靴だけ?三文ライターは女遊びが過ぎたフリオがやばい男の女に手を出して消された説を提唱して居たが・・・。自宅:海辺の掘立小屋然な場所に愛犬と住んでる。庭にトマト農園?近所の若夫婦が留守を観てた様だ。魚釣り仲間とゆったりした生活な様だ。今までに長編小説を2冊。後は短編や翻訳で食ってるらしい。そこに女プロデューサーから電話が!放送後、海辺の高齢者施設にフリオらしき人が居るとの情報があったという。で、確認に出向くミゲルだった。

フリオらしき男は記憶喪失だった。手先が器用で施設の雑役を粉してシスターらに気に入られて長く生活してるらしい。情報を寄こした介護士?の助けを借りてフリオらしき人の所持品の写真を見たらそれは撮影中に使ってた扇を持つアジア人女子の写真だった!シスターの好意で暫く施設に泊まれる事になったミゲルはフリオに接触し確信を強めるがフリオは全然思い出せない様だ。フリオの娘アナを呼び付けたが・・・ミゲルは映写師とエンディングを撮ったフィルムを持って来させ、町の閉館した映画館での上映会を計画する。嘆きの王と云う館に上海から娘を連れて来て王然とした男に合わせるラストシーンが流される。フリオは・・・。

 劇中劇をオープニングとエンディングで持ってガワを真ん中にサンドした構成だ。なかなかユニークだがミステリーと云うより完全にヒューマンドラマだ。馴染み無い俳優陣だが皆渋い。スペインの役者さんなんだと思う。そのままフィリップ・マーロウワールドを展開できそうな雰囲気だ。170分弱と長めだったがギリ眠気を催さない展開だった。

 しかし、これを貸し切りだなんて何て贅沢なんだ!