「有栖川有栖の密室大図鑑」に入ってた密室推理?それによると、  江戸川乱歩が絶賛し、この作品を翻案して『三角館の恐怖』を書いたそうだ。曰く、本作が絶版しても「三角館の恐怖」は版を重ねているだろうと言ってたが、どちらも絶版なんじゃないだろうか?少なくとも書店で見当たらない。ので、Amazonで検索して本作を古本で購入。程度は「良」だったがさほど傷んではいなかった。嫌いでは無いが古本臭は強かったが(*^▽^*)。

 作者は馴染みの無いロジャー・スカーレット。長らく正体不明だったらしいが後にドロシー・ブレアとイヴリン・ペイジの二人による合作と判ったらしいが今でも詳細は余り記録が無いらしい。謎の作家だ(´・ω・`)。

 さて、昔「三角館の恐怖」は読んで居た。所持してるかと書庫を探したが見つからず、(私(わ)は表紙のおどろおどろしくエロティックな当時の角川文庫版で江戸川乱歩を買ってた10冊ほどあったが全部は揃って無い。)誰かに借りて読んだようだ。多分中学時代だ。さて、誰だったろう?完全に内容は忘れているが、犯人もトリックも早く看破して悦に入ってた記憶だけはある。

 ので、まるまる新鮮に読んだ。

 エンジェル家という資産家の一族。当主が死亡し、その遺言が長く生きた方が全財産を得る様な内容で、実施の双子ダライアス・エンジェルとキャロラス・エンジェルの家族が館を二分して暮らして居る。そこに最近病気で老い先が短くなったと思われたダライアスが、弟のキャロラスと遺産を均等に家族に分与しようと弁護士アンダーウッド(本作のワトスン役)を招いたとこから始まる。その夜、キャロラスが食堂で謎の男が来訪する中射殺されてしまう。警察のノートン・ケイン(本作の探偵役の刑事。アンダーウッドと知り合い)が捜査に乗り出すが、謎の男の逃走の雪の足跡を偽装と看破し、犯人はエンジェル家内部と判断する。次に兄のダライアスが生前申し出た内容に従った遺産分与の書類にサインするが、アンダーウッドが居眠りしてる間に盗まれてしまう。再サインしようというダライアスをケインが宥めてサインを思いとどまらせて館を出たが、一族の抗議に憤ったダライアスはサインすると言って、アンダーウッドに書類を持って来させる。三階建ての館は中央に両家から使えるエレベーターが在り、今から行くとダライアスが車椅子でエレベータに乗って3階から1階に降りて来たが、到着するとナイフが首後ろから刺されて死亡していたという密室トリックなのだ。多分乱歩の「三角館の恐怖」も同じなのだろう、角川版の表紙はそのシーンが描かれていた。ケインは早々にトリックを看破し犯人を罠に掛けるが・・・。

 最後まで「三角館の恐怖」を思い出せなかった。そんなトリック何だっけーな感じで犯人の絞り込みの妙の方が面白かった。ある意味忘れてて幸せな読書だったが・・・。推理小説好きにはたまらない館の見取り図が随所に出て来てワクワクしたし(´・ω・`)。絶版なのが惜しまれる、電子書籍化もしてないのかな?もっかい三角館も読みたいのだが・・・。