『ミュート・ウィットネス』
1994年 イギリス・ロシア・ドイツ
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 アンソニー・ウォラー
撮影 エゴン・ベルディン
音楽 ウィルバート・ヒルシュ
出演 マリナ・スディナ/フェイ・リプリー/エバン・リチャーズ/オレーグ・ヤンコフスキー/アレック・ギネス
わたしは、沈黙しない
声を出すことができない女性が、偶然スナッフフィルムの撮影現場を目撃してしまったことから始まる、恐怖の一夜を描いたサスペンス・スリラー
監督は「ファングルフ 月と心臓」などで知られるアンソニー・ウォラー、主演はロシア出身の俳優マリナ・スディナ、共演に「ノスタルジア」のオレーグ・ヤンコフスキー、「スター・ウォーズ」のアレック・ギネスが特別出演
《物語》
映画の特殊効果担当兼メイクアップアーティストの女性ビリーはB級ホラー映画の撮影でモスクワに来ていた、彼女は耳は聞こえるが言葉を発せられない
監督はスタッフの1人の姉カレンの恋人のアンディ、通訳を交えての会話は難航して撮影は進まない、撮影は中断となってその日は終了
カレンとアンディと一緒にスタジオを出たビリーだったが忘れ物をしたためにスタジオの中へと戻った、探していると窓の外に警備員が門を閉めているのを見て音を立てるが気付かれずに門は閉められた
あわててスタジオ内を走ってドアを開けようとするが鍵を掛けられていた、夜になって人の気配がしてそこに向かうと撮影が行われていた
それはポルノ、思わず苦笑いをしてしまったビリーだったが、セックスの途中で男が女を殴り始め、手を縛ってナイフでメッタ刺しにして殺害、それを冷淡に撮影するハウスマン
本物の殺人を撮影するスナッフフィルムの現場を目撃してしまったのだ、逃げるビリーだったが捕まりそうになり非常階段から転落、そこにカレンとアンディが駆け付けて救われた
警察が来てビリーは手当てをされ、ハウスマンらはただの撮影をしていたと主張、証拠も死体もなく、すべてはビリーの勘違いだとされてしまった
撮影をしていたハウスマンのもとにあまりにも残酷で冷酷なことから死神と呼ばれているこのスナッフフィルムのフィクサーでマフィアのボスが現れ、通報されたことを知っていて目撃者がいるようでは金は払えない、目撃者を消せと命令
そのころモスクワ警察のラルセン刑事はモスクワにあるポルノと売春国際組織、そしてスナッフフィルムを追っている、もし本物なら通報したビリーは命を狙われると、危険な影はビリーの背後に迫る
《感想》
当時はレンタルビデオで観た記憶があります、それがデジタルリマスターで30年ぶりに復活、久しぶりに観ることが出来て堪能しました
オープニングから殺人のシーンなんですけどこれは映画の撮影なんです、しかも殺される女優が大根でスタッフはクスクス笑うほど、なかなか死ななくてセットを壊してしまいます
監督はアメリカ人なのですが役者はロシア人で通訳を介しての演出なのですが、それが上手く伝わらない、女優がセットを壊してしまったので作り直しで撮影は次の日となります
主人公のビリーを演じるのはマリナ・スディナで、彼女は耳は聞こえるのですが喋ることは出来ません、スタッフのひとりの姉のカレンには手話で意思疎通します
そんなビリーですがスタジオに閉じ込められてしまいます、途方に暮れて暗くなって夜になると物音が、誰かいると思ってそこに向かうとポルノ映画の撮影中
カメラマンの後ろから思わずニヤけて見てしまうビリー、裸の女優とセックスをしている男がビリーが作った仮面を被っていて、角度を変えて見るんです
女優と目があってしまい気まずかったのですが男優がナイフで女優を滅多刺し、その女優の表情は演技ではなく本当の恐怖を訴えているようでこれが芝居ではなく本当の殺人だと気付いたビリー
ゆっくりと後退りするビリーなんですが音を立ててしまいます、カメラマンが確認に来るのですが見つかりそうで見つからない演出が秀逸です、ギリギリセーフみたいなのが続きます
逃げようとしたところに男優もやってきて隠れるビリー、これもギリギリで見つからないのです、このかくれんぼみたいなのがハラハラで面白い、しかし見付かってしまいます
非常階段から落ちてカメラマンに捕まるのですがカレンと彼氏で監督とアンディがビリーを捜しにやって来たんです、カメラマンは事故で落ちたようで救急車を要請するもビリーの態度で不審に思い警察も呼んだカレン
カメラマンと男優は映画の撮影だったと、それに女優は帰ったと、苦しい言い訳なのですが女優の死体も隠して証拠はなし、殺人はトリックだったとビリーの勘違いとなってしまいます
部屋に帰ったビリーは窓の外に向かいのマンションからこの部屋を双眼鏡で覗いてる男を見付けてカーテンを閉めてお風呂に入ります、カレンと電話で話しているとチャイムが鳴ってバスローブを着てドアを開けるんです
そこには男優の男がいてビリーを殺そうとするんです、ビリーは足を鳴らして下の階の住人に知らせようとするのですが、煩いと怒ってるだけ
部屋を逃げ回ってカーテンを開けて覗きをしていた男にバスローブの前を全開にして裸を見せて気付いてもらおうとするのですが、覗き男は酒を飲んで気付きません、このシーンが一番面白かった
男優をバスタブに落ちたところでドライヤーを入れて感電させます、部屋から逃げようとするのですがカメラマンのハウスマンが現れて危機一髪のところをモスクワ警察のラルセン刑事が現れて助けられて一緒に逃げることになります
スナッフフィルムを撮らせている死神と呼ばれているマフィアのボスを演じるのは「スター・ウォーズ」シリーズのアレック・ギネスで、特別出演でほんの少しの出演でした
スナッフフィルムで女優が殺されるときに見せた恐怖の目はラストシーンにもつながるシーンです、演技では出来ない恐怖にビリーは見せ付けられたようです
世界の映画作家たちが偏愛するカルト的傑作サスペンス・スリラー それが『ミュート・ウィットネス』です。
撮影開始から公開まで10年掛かったそうです、アレック・ギネスのシーンは最初の方なので若いはずです。
更に過激な:続・裏237号室の『ミュート・ウィットネス』のレビューはこちらです。
























