『ランボー 最後の戦場』
2008年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 シルベスター・スタローン
脚本 アート・モンテラステリ
撮影 グレン・マクファーソン
音楽 ブライアン・タイラー
出演 シルベスター・スタローン/ジュリー・ベンツ/マシュー・マースデン/グレアム・マクタヴィッシュ/レイ・ガイエゴス/ジェイク・ラ・ポッツ/ティム・カン/マウン・マウン・キン/ポール・シュルツ/スパコン・ギッスワーン/ケン・ハワード/リチャード・クレンナ
《解説》
ベトナム帰還兵ランボーはミャンマーで新たな戦いへ
「ロッキー・ザ・ファイナル」で16年ぶりにロッキーを演じたスタローンが、本作ではランボーを20年ぶりに演じ、60歳を過ぎたと思わせぬ肉体派アクション男優ぶりを示した話題作
世界最強の一人軍隊ランボーの暴れっぷりは凄絶で終盤、機関銃を撃って撃って撃ちまくるランボーの雄姿は圧倒的な迫力で、ファンから大喝采を浴びた
《物語》
タイ北部の密林に囲まれた村で毒蛇のコブラを捕まえて売り、ボートで人や荷物の運搬で生計を立てて静かに約20年暮らしているジョン・ランボー
ある日、アメリカ・コロラド州の汎アジア牧師会のNGOメンバーから川を遡ってミャンマーへのガイドを頼まれる、医師のマイケル・バーネットはカレン族の支援を行っている
タイとの国境付近ではミャンマー軍事政権が少数民族のカレン族を弾圧し、土地や天然資源を略奪、内戦や紛争と呼ばれているが実際は虐殺行為
一旦は断ったランボーだったがメンバーでマイケルの恋人であるサラ・ミラーが努力をすれば世界は変えられる、命を救うことは無駄ではないと熱意に折れて目的地付近までボートで案内する
夜には海賊に見付かり敬意を払えと銃を構えて、金と物資を要求されるが女がいると分かった途端に、女を寄こせと興奮気味に声を荒げる連中にランボーは銃で全員を射殺し、なんとか目的地の村まで送り届けた
その数日後にアーサー・マッシュがランボーを訪ねてきた、マイケルやサラらNGOメンバーが10日前に戻る予定が行方知れず、彼は傭兵を雇ったので彼らを降ろした村まで送ってほしいと頼み、ランボーは5人の傭兵を送るために武装して出発する
ミャンマーに傭兵たちを送り届け、ランボーも同行しようとするがボートの見張りを命じられる、村に着いた傭兵たちはカレン族の死体の山に撤退も考えるがそこにミャンマー軍のトラックが現れた
連れてきた村人を虐殺するつもりで傭兵たちは隠れて事態を見守るだけ、その時にランボーが弓矢を手に一瞬にしてミャンマー軍を全滅させ、トラックを奪ってキャンプ地へと向かう
ランボーは傭兵たちを奮い立たせ、夜の闇に紛れてNGOメンバーを救出を開始、ランボーは別の場所に捕らわれていたサラを救出するのだが、ミャンマー陸軍のティント大佐率いる部隊が追う
《感想》
「ランボー3 怒りのアフガン」から20年ぶりの続編です、ランボーシリーズで最高に残酷な描写の多い作品です、日本ではR15でR18の国もあります
スタローンが当時に世界で一番残酷なことが行われている国がミャンマーだと言い、この現状を世界に知らせるために作ったと言ってましたね
オープニングから実際の紛争の映像が流れていつものランボーシリーズとは少し違う感じがします、本当に世の中にはこんな残酷なことが起こっているのですね
ミャンマー軍はカレン族を虐殺しているんです、それも田んぼに地雷を仕掛けてそこを走らせるんです、もちろん踏んだら粉々に飛び散ります、それを楽しそうに見ているミャンマー軍
「ロッキー・ザ・ファイナル」でロッキーシリーズを締めくくったシルベスター・スタローンはこのランボーシリーズも締めくくろうと思ったのでしょうね
ジョン・ランボーはベトナム帰還兵なのですが、ベトナムやアフガニスタンの戦場で戦ってきましたが、アメリカには戻らず今回はタイ北部で静かに暮らしていたんです
そこに人を救おうとすることは決して無駄にはならないと信念を持った汎アジア牧師会のNGO(非政府組織)の支援団体が虐殺されているカレン族を支援するために現れるのです
リーダーで医師のマイケル・バーネットを演じるのはポール・シュルツで、武器は争いしか生まないと人の命を奪うことは絶対に許されないと語る人物です
マイケルの恋人でNGOのメンバーのサラ・ミラーを演じるのはジュリー・ベンツで、高い志があるのですが現実は女というだけで捕まると死ぬまで犯されるとランボーは言います
仕方なくカレン族の村までボートで送るのですが途中で海賊に襲われるもランボーは切り抜けられないと考えるや全員を一瞬で射殺、これを見たマイケルはランボーを非難するのです、サラは助けられたことで複雑な心境です
NGOメンバーが行方不明となってランボーは救出に向かう傭兵たちをボートで送り届けるのですが、傭兵たちはランボーを邪魔者扱いなのです、特にリーダー格のルイスはね、演じるのはグレアム・マクタヴィッシュ
ランボーに危機を救う傭兵の狙撃手のスクールボーイを演じるのは「バイオハザードⅢ」のマシュー・マースデンで、その腕は百発百中でした
元コロンビア陸軍のディアスを演じるのはレイ・ガイエゴス、元・韓国陸軍のエン・ジョーを演じるのはティム・カン、数多くの戦場を体験しているリースを演じるのはジェイク・ラ・ポッツ、こんな傭兵たちもランボーには呆気にとられます
とにかく人体破壊がすごくて人間が粉々です、手足が切り落とされ、子供も殺され、少女は犯され、弱い者は死ぬしかないと思わせるくらい酷い惨状です、実際の戦場はもっと残酷なのでしょうね
ラストにはサラが故郷の話しをしたせいかランボーは父親の住む故郷へと帰るのです、こんなところも完結にふさわしいラストだったのかも
ロッキーと並ぶシルベスター・スタローンの当たり役、孤高の戦士ランボーの活躍を描く それが『ランボー 最後の戦場』です。
これで終わりかと思ったら11年後にシリーズ第5作「ラスト・ブラッド」が作られました。





















