ロッキー・ザ・ファイナル | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『ロッキー・ザ・ファイナル』
 
 
 
 
 
2006年 アメリカ
 
 
 
 
 
《スタッフ&キャスト》
 
 
監督・脚本 シルベスター・スタローン
 
撮影 クラーク・マシス
 
音楽 ビル・コンティ
 
 
 
出演 シルベスター・スタローン/バート・ヤング/ジェラルディン・ヒューズ/アントニオ・ターバー/マイロ・ビンティミリア/トニー・バートン/ペドロ・ラヴェル
 
 
 
 
 
《解説》
 
 
NEVER GIVE UP 自分をあきらめない
 
シルベスター・スタローンの出世作でもある「ロッキー」のシリーズ完結編となる第6作、アカデミー作品賞に輝いた第1作から30年を経て製作された本作では、スタローン自ら監督・脚本・主演の3役を務めた
 
シリーズ第1作に登場した不良少女マリーとの交流、息子との対立と和解、名物トレーニングなどシリーズのエッセンスを凝縮、人生を戦い続けるロッキーの名言の数々も熱い
 
 
 
 
 
《物語》
 
 
現世界ヘビー級チャンピオンのメイソン・ディクソンは無敗で圧倒的な強さでボクシング界に君臨している、どの試合も対戦相手を簡単に秒殺してしまい、ファンからは飽きられて人気は低迷、メイソン自身も苦悩していた
 
 
伝説的なボクサーのロッキー・バルボアは妻のエイドリアンに先立たれ、彼女の墓参りをしてエイドリアンとの思い出に耽っていた
 
息子のロバートは有名人の父親とはあまり関わりたくないのかロッキーが夕食に誘っても仕事が忙しいと返事をして顔を出さないでいる
 
ロッキーは小さなレストランを経営し、名前はエイドリアンで来る客に自分の過去の試合を語る、以前に住んでいた町を歩いていると懐かしいバーがありふらりと中に入った
 
 
そこではかつて不良少女だったマリーがバーテンダーとして働いており、昔話に花を咲かせた、そして彼女と息子を自分のレストランで働いてもらえないかと誘う
 
 
ある日テレビ番組の企画で現ヘビー級チャンピオンのメイソンと現役時代のロッキーとのバーチャル試合が組まれ、コンピューターが弾き出した結果はロッキーのKO勝利
 
 
同僚とバーでその番組を見ていたロバートは偉大過ぎる父親に仲間たちからはベビーロッキーだとからかわれ、父の存在に耐えられないほど苦しんでいる
 
 
テレビでの企画を見てロッキーは、過大評価されていると聞いて彼の心に再びボクシングをやりたいとの思いが沸々と出てきたのだ
 
ロッキーはボクシング協会に行き、テストはパスするが協会の連中は老いたロッキーを危険だと認定しないが、ロッキーは彼らをなんとか説得して認定された
 
 
ボクサーとして復帰したロッキーはローカルな小試合で復帰を目指していたが、メイソンとのエキシビションマッチが申し込まれた
 
 
 
 
 
 
《感想》
 
 
「ロッキー5 最後のドラマ」で完結と言われていたので、おいらとしてはなんかしっくりこなかったんです、でも本作が公開されてやっぱ最後はリングに上がって欲しかったのでしっくりきました
 
 
1作目から30年、そして前作から16年とは時間が掛かりましたね、こんな年になってどうやってロッキーを終わらせるのかと考えてしまいました
 
 
「スペシャリスト」のスタローンの脚本ってなんかクサいセリフがあって、それがシリーズを熱くしたのかもしれません、今回も息子に熱いセリフを投げかけます、人生についてとかね
 
 
前作でバート・ヤング演じるポーリーがロッキーの全財産を騙されて取られてしまい、一文無しになったロッキーは小さいながらもレストランを開業しています
 
 
マイロ・ビンティミリア演じる息子のロバートとは彼が社会人となって疎遠となっているんです、あまりに偉大な父親のせいで生きることがプレッシャーとなって苦悩するんです
 
 
苦悩するのは世界ヘビー級チャンピオンのメイソン・ディクソンも同じです、強すぎるがゆえに相手を簡単に倒してしまいます、試合が面白くないので人気がないのです
 
メイソンを演じるのはアントニオ・ターバーで、元WBA・WBC世界ライトヘビー級スーパーチャンピオン、元IBF世界ライトヘビー級チャンピオンのボクサーなんです
 
そして第1作に登場した不良少女のマリーがそれなりの中年女性で再登場、ロッキーがかつて通っていたバーでバーテンダーとして働いているんです、演じるのはジェラルディン・ヒューズ
 
 
酔った若い客がロッキーにケンカを売り、その上にマリーに悪態をついたことでロッキーはその男に掴みかかるのですがビビッて謝って逃げてしまうのはスカッとする瞬間です
 
 
テレビ番組の企画で現チャンピオンとかつてのチャンピオンのどちらが強いかなんてのをバーチャルでコンピューターが弾き出したのはロッキーの勝利
 
それを見たロッキーはやっぱりボクシングがしたいと復帰、ボクシング協会の人たちを熱いセリフで説き伏せて申請を許可させてしまいます、それを知ったメイソン陣営は人気取りのためにロッキーとのエキシビションマッチを企画
 
 
もちろん現役チャンピオンと50歳を過ぎたかつてのチャンピオンの試合なんて無謀なんですけど、ロッキーもボクシングには全てを賭けて全力で挑むんです
 
 
もちろんダウンを2度取られて絶体絶命となるのですが、メイソンはロッキーの肘を殴ってしまい拳を骨折、それによってロッキーの反撃が開始、ダウンしたことのないメイソンからダウンを奪います、最終ラウンドは足を止めてのパンチの応酬です
 
 
リングから降りるロッキーに対して大声援が送られて、意気揚々と花道を戻っていくロッキー陣営、ここにはグッとくるものがありました、そしてラストにはエイドリアンの墓参りをするロッキーの姿
 
 
 
 
 
 
ロッキーシリーズ、遂に完結! それが『ロッキー・ザ・ファイナル』です。
 
 
 
 
 
やっぱリングで燃え尽きて終わる方が完結って感じがしました、でも現実的には無謀なのですけど、中年男性にパワーをくれる作品ですね。