『ウルフマン』
2010年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ジョー・ジョンストン
脚本 アンドリュー・ケビン・ウォーカー/デビッド・セルフ
撮影 ショーン・ダニエル
音楽 ダニー・エルフマン
出演 ベニチオ・デル・トロ/アンソニー・ホプキンス/エミリー・ブラント/ヒューゴ・ウィービング/ジェラルディン・チャップリン/アート・マリック/マックス・フォン・シドー
《解説》
今宵は満月、月が欠けるまで、悲鳴が止まらない
1941年製作の古典ホラーをベニチオ・デル・トロ&アンソニー・ホプキンス主演でリメイク、監督は「ジュラシック・パークⅢ」のジョー・ジョンストン
6度目のオスカーに輝く特殊メイクのリック・ベイカーなど超一流スタッフが集結し、古来より語り継がれてきた伝説のモンスターをスクリーンに蘇らせた
《物語》
1891年・イギリス、ロンドン公演中の舞台俳優のローレンス・タルボット、そこに突然やって来た弟ベンの婚約者グエン・コンリフ
グエンはベンが行方不明になりその相談に来たのだ、ローレンスは気持ちが変わったのかと思ったがベンは村から姿を消したのだ、ロンドンで講演中のローレンスに連絡がないものかと
彼が姿を消した夜、村人が2人殺されていた、グエンはローレンスにどうか力を貸して欲しいと、しかしまだ公演は30もあり父親との確執もあった
一度は断ったローレンスだったが列車と馬車を乗り継いでブラックムーアの生家に戻った、25年前の母親の死以来、タルボット家の当主である父親ジョンとは疎遠
久しぶりに会った父親に昨日の朝、修道院近くの溝でベンの遺体が発見されたと聞かされる、しかもその遺体は無惨にも引き裂かれていた
酒場で村の人々は口々に噂をし、熊に襲われたとか流浪民の仕業だとか言い、終いには流浪民だったローレンスの母親まで侮辱をし、ローレンスは酒をぶっかけて店を出た
しかしあれほど残忍な殺し方は人間の悪意の仕業としか思えない、ローレンスはベンの形見をグエンに渡し、独自で犯人捜査に乗り出す
満月の夜に捜査に出たローレンスは流浪民のキャンプに行くが、そこで猛獣が現れて人々を襲い、次々と血祭りにし、獣を倒すべくローレンスは森に追い掛けるが逆に襲われてしまう
重傷を負い、悪夢にうなされるローレンスだったが一命は取り留めた、驚異的な回復を見せるローレンスに村人らは不審な目を向ける
不自然な傷の治り方をした事で村人が傷口を見せろと詰め寄るが父親ジョンが銃を向けて村人を追い払った、ローレンスが傷を見ると傷は綺麗になくなっていた
ローレンスは自らの体の異変を感じ、グエンを村から出るよう言いロンドンへ、そして満月の夜にローレンスは獣へと変身する
《感想》
B級作品ではなく有名俳優をキャスティングして大手スタジオで撮ったA級作品となります、その迫力はさすがです、オープニングからインパクトありましたね
ベンが森の中で追われて腹を裂かれて顔も裂かれます、それでも逃げるベンにゆっくりと近付く獣、足しか映りませんがまさに狼男のものでしたね
主人公のローレンスは舞台俳優で演じるのはベニチオ・デル・トロで、その風貌は狼男っぽくて似合います、弟が行方不明になった事で25年ぶりに故郷に戻ってきます
その知らせを届けたのがグエンで演じるのはエミリー・ブラントで、婚約者のベンが行方不明となってタルボット家に世話になっています
ローレンスの父親でタルボット家の主であるジョンを演じるのはアンソニー・ホプキンスで25年ぶりに会ったローレンスと仲違いしていてもやはり親子なんです
ローレンスが獣に襲われて村人に呪われていると城にやって来た時もジョンは猟銃を撃って追い返してしまいます、それにジョンは妻が死んでからは自分も死んだとね
満月の夜にジョンはローレンスを妻の眠る地下に閉じ込めるのですが、狼男と化したローレンスはそこから脱出、獣狩りをしていた村人を襲い殺しまくります
翌朝にジョンに起こされ全身が返り血だらけのローレンスは村人に捕まります、精神病院に入れられて医師には妄想性障害だと診断されます
この治療はえげつなくて、拘束されて氷水の中に沈められたり、電気を体に流されたりでまさに拷問です、それをニヤニヤしながらする医師たち、ボロボロになるローレンス
実はジョンも昔に狼男の少年に咬まれていたんです、この25年間ジョンは忠実な使用人のシンによって満月の夜は地下室に閉じ込められていたんです、しかしグエンがやって来て状況が変わったんです
おいらは医師が狼男の妄想に憑りつかれていると病院の中でローレンスを拘束したまま満月の夜を迎えて妄想である事を大勢の前で証明しようとするのです、結果は
特殊メイクを担当したリック・ベイカーは7度目のアカデミーメイクアップ賞を受賞、初めて受賞したのは「狼男アメリカン」で狼男の特殊メイクでした
モンスター映画の個展が最新VFX&特殊メイクで甦る! それが『ウルフマン』です。
CGとの組み合わせの変身シーンは迫力満点です、リック・ベイカーの手腕が光ります。