『女神の継承』
2021年 タイ・韓国
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 バンジョン・ピサンタナクーン
撮影 ナルフォル・チョカナピタク
音楽 チャッチャン・ポンプラパーン
出演 ナリルヤ・グルモンコルペチ/サワニー・ウトーンマ/シラニ・ヤンキッティカン/ヤサカ・チャイソーン/ブーンソン・ナクプー
《解説》
祈りの先に救いはあるのか
世界から絶賛された衝撃のデビュー作「チェイサー」、そして「哀しき獣」「哭声/コクソン」でその名を轟かせた韓国映画界が誇る気鋭ナ・ホンジン、世界中の映画ファンが新作を待ちわびる中、初めて海外の監督とタッグを組み、原案・プロデュースを手がけた待望の新作が上陸
ハリウッドリメイクされた「心霊写真」や「愛しのゴースト」を手がけたタイのバンジョン・ピサンタナクーン監督がメガホンをとった、タイ・韓国合作ホラー
《物語》
2018年、ドキュメンタリーの撮影班がタイ東北部の霊媒について取材を行った、大勢の霊媒と会った後、撮影班はニムの生活を追う事にした
ニムは女神バヤンの巫女だ、バヤンは祖先の霊で良い精霊、昔から村々を守ってくれる詳しい由来はわからないが先祖代々崇めてきた
ニムは霊媒である祖母の姿を見て育った、バヤンは必ず女性を霊媒に選ぶ、祖母が他界した後に巫女の能力は叔母に継承された、叔母の後は姉のノイが霊媒になるはずだったがノイは拒み、代わりにニムが選ばれた
ニムは見えない力が原因の病を治せる、黒魔術とか精霊が原因の場合だ、ニムは三人兄妹で一番上はスニ、ノイが真ん中でニムが末っ子
ノイの夫ウィローが亡くなった、だけどその前にノイは息子のマックを事故で亡くしていた、ノイに残されたのは娘のミンだけ、ヤサンティア家の男は不幸な死に方が多い
葬式の後でミンは親戚の男に悪態を付き、様子がおかしい事に気付く、ニムがミンの部屋を探るとウコンが出てきた、ウコンは悪霊から守る力があると信じられている
女神バヤンがミンを巫女に選んだのかも、もしそうなら世代交代の一部始終を撮影出来るかもしれないと考え、そこでミンも撮影する事にした、しかしミンは霊媒の事を一切信じていない
ノイが20代だった頃、体調が悪くなり地元では巫女熱と呼ばれ、代替わりの儀式をするよう勧められたが巫女にはなりたくなく、だからキリスト教徒になった、その後に妹のニムに変化が起こりバヤンはニムに憑依した
やがてミンは豹変し、ノイは成すすべなくニムに助けを求める、ミンを救う為に祈祷を始めるニムだったが憑依しているバヤンではなく何か強大な物で恐ろしい現象が次々と起こる
《感想》
怖いと聞いて予備知識なしで観たんです、韓国映画だと思っていたらタイだったし、それにまさかのフェイクドキュメンタリーでPOV撮影、こんな作品だったのって感じでした
撮影班は霊媒師のニムの取材をするんです、ニムはごく普通の中年女性で先祖代々バヤンという精霊を憑依させているのです、村の人々が食べ物とかを持ってきて相談に乗ってもらって祈祷してもらうんです
ニムの姉のノイの夫が亡くなったんです、その前には息子のマックも事故で亡くしていてヤサンティア家の男は代々不幸な死に方ばかりしているんです
そこでノイの娘のミンだけが血縁関係でニムの中にいるバヤンがミンを巫女と選んでその巫女の能力を継承するのではと考えるのです、残された女性はミンだけですから
そこでミンは少しずつおかしくなっていくんです、最初はウィローの葬式で親戚の男が侮辱したと怒りだして悪態を付くんです、そこではノイやニムに止められるのです
そこで撮影班は女神の継承を撮れると考えてニムだけでなくミンも撮影対象とするんです、ミンは人材派遣のような仕事をしているんです、それに霊媒も精霊も全く信じていないのです
家族や友人の話しではミンは人格が変わったようになると証言、子供のようになったり、老人のようになったり、酔っぱらいのようになったり、それは自分では記憶にないようです
酒を飲んでそのまま職場に行って朝まで寝ているんです、起こされるとそこには大勢の人がいて、それにミンの股間から血が流れ出すんです、ノイも継承の時には生理が5か月続いたと
その後に上司に呼ばれてクビを言い渡されます、社内の備品がなくなるので防犯カメラを見ると、真夜中に男を引っ張り込んで職場でセックスをしているんです、それも1人や2人ではないんです
酔っぱらったように支離滅裂になるミンは服を脱いで叔父のスニに股間を触って手で顔を撫でて、アソコの匂いを嗅ぎたいんだろっと大暴れ
これが女神の継承だと考えてニムは儀式の準備をするんですが、実はそうでもないと分かり、もうニムだけの手には負えなくて祈祷師のサンティに協力を求めます
サンティは精霊だけでなく様々な動物や植物の霊が憑りつき、それにヤサンティア家は死刑執行人の家系で大勢の人間の首を斬首してきたんです、なのでどれだけの人間に恨まれているか、それにノイは女神の継承を蹴った女、その血筋が絶たれるのです
日本では考えられないようなところもありますが、想像した以上に面白くて怖かったですね、思ったより意外性もありました、それにラストで放ったニムの言葉もね
比類なき怒涛の恐怖エンターテインメント、狂乱の儀式がはじまる それが『女神の継承』です。
ただ撮影班はどういう人物たちなのか?撮影されている人たち以外は何も分からないのも怖くする要素なのかな?。
更に過激な続・裏237号室の『女神の継承』のレビューはこちらです。