『ブラウン・バニー』
2003年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本・撮影 ヴィンセント・ギャロ
音楽 ゴードン・ライトフット
出演 ヴィンセント・ギャロ/クロエ・セヴィニー/シェリル・ティーグ
《解説》
孤独な旅路の果てに待つ愛と喪失の記憶
ヴィンセント・ギャロ扮するバイクレーサーの主人公が東海岸からカリフォルニアへ旅する道程を淡々と進行、一面に広がる砂漠からラスベガスの雑然とした裏側までアメリカを象徴するような光景を様々な美しい風景の中に描出、切り取った映像にはギャロのセンスが感じられる
クライマックスではカンヌ映画祭でセンセーションを巻き起こしたクロエ・セヴィニーとの過激なラブ・シーンで観る者を驚かせる、物議をかもしたカンヌでの上映を経て、編集作業を完遂し、満を地しての完全版での公開
《物語》
バイクレーサーとして各地を巡業するバド・クレイは東海岸でのレースを終えてバイクを車に積み、次のレース地カリフォルニアに向かう

最初に立ち寄ったガソリンスタンドで知り合ったレジのヴァイオレットに一緒に来ないかと誘う、出会ったばかりで戸惑うヴァイオレットだがバドの車に乗る

ヴァイオレットの家に向かい荷物を取って来るように言うバドだったが、ヴァイオレットが家に入るとバドはそっと走り去ってしまう
車は延々と走り住宅街へ、そこは最愛の恋人デイジーの実家、その昔にバドは隣に住んでいた、デイジーの母と話して雨のルート80を走る

気晴らしにペットショップを訪れたバドはその後、食事をして走りだす、公園で見掛けた1人でベンチに座り悲しい表情のリリーと出会う、お互いを慰め合うようにキスをする

ルート36を走り、安いホテルに泊まりまた走る、アメリカ大陸を横断する孤独な旅、塩の砂漠ボネヴィルをバイクで滑走、束の間のストレス解消

ネバダ州に入ると車を停車するたびに娼婦が声を掛けてくる、そのうちの1人ローズは1度は断りながらも車に乗せる、しかし、しばらく走った後、お金を払い車から降りてもらう、嫌悪感がバドを襲う
カリフォルニアに到着しバイクのエンジンチェック、そしてホテルへチェックインをした後に1軒の家を訪ねる、ノックをしてデイジーと呼ぶが反応はない、近所の人は空き家だと言う
バドはきっとデイジーは近くにいるはずだと思っていた、メモを残してホテルへ戻る、するとメモを見たデイジーが部屋にやってきた、久しぶりの再会に落ち着かない2人
デイジーはバドを抱きしめてキス、バドも応えて激しいキス、服を脱ぐデイジーはバドの股間を握る、バドはデイジーに愛撫させながらデイジーを罵る

謝るデイジー、パーティーでマリファナを吸ってハイになっていた、しかもバドの子を妊娠していた、マリファナで意識を失いパーティーの連中に犯され、バドは混乱して逃げだしていた

その後、デイジーは嘔吐し、吐瀉物で窒息死、1人バドは旅に出る…

《感想》
「ガーゴイル」のヴィンセント・ギャロのアメリカ大陸横断ロード・ムービーは限りなく切ないです、旅の途中で出会う、花の名前を持つ女性たちとのエピソードも次の愛に踏み出せないバドの心象ですね
女性たちとのふれあいも、やるせない心を慰めることは出来ないのです、だから誘うが突き放すの繰り返し、なんで女性に素直になれないのか?

固定カメラでの撮影が多いのでテンポがあまり良くないです、まるでドキュメンタリーを見てるような印象を受けてしまって、描きたいものがピンとこなかった
ひたすらもどかしいバドの行為、退屈と感じる観客もいるでしょう、しかしそのもどかしさはこのラスト・シーンのためにあります
カンヌも騒然とさせた生々しい映像と、その後の展開は好き嫌いはありますが、誰もが衝撃を受けます、「アメリカン・サイコ」のクロエ・セヴィーニにあそこまでさせるなんてある意味ヴィンセント・ギャロは凄いね
海外のサイトで問題のシーンを見ましたがクロエは本当にしてるんです、凄い女優根性ですよね、がっつりと口に含んで出し入れしています
それに集団での行為もね、マリファナでラリッていて群がる男に脚を開いて受け入れてもはや凌辱とは言えないかも、その後に吐瀉物で窒息死
もしも恋人のこんなシーンを目撃してしまったらどうなるのでしょう?バドのように逃げてしまうのか?それとも助けるのか?でもマリファナをしていて男を受け入れていたならどう見てしまうか
「バッファロー‘66」を観てファンになった人は、打って変わってこの作品に驚いた人は多かったでしょうね
カンヌ映画祭史上に残る大論争を巻き起こした前代未聞の超問題作! それが『ブラウン・バニー』です。
映画であんなお口のシーンを見たのは初めてです(爆)、ヴィンセント・ギャロはコキ降ろされて自信を無くしたらしいです。
更に過激な続・裏237号室の『ブラウン・バニー』のレビューはこちらです。











