クリムゾン・リバー | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『クリムゾン・リバー』

 

 

 

 

 

2000年 フランス

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 マチュー・カソヴィッツ

 

原作・脚本 ジャン・クリストフ・グランジェ

 

撮影 ティエリー・アルボガスト

 

音楽 ブリュノ・クーレ

 

 

 

出演 ジャン・レノ/ヴァンサン・カッセル/ナディア・ファレス/ドミニク・サンダ/カリム・ベルカドラ/ジャン・ピエール・カッセル/ディディエ・フラマン

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

全世界注目のスーパーアクション!スーパースリル!

 

猟奇的な殺人事件を追う2人の刑事の姿を、「アサシンズ」のマチュー・カソヴィッツ監督がスリリングに描写、ジャン・レノとヴァンサン・カッセルが共演した秀作サスペンスアクション

 

フランス・アルプスの雪深い高山で繰り広げられる、スケールの大きなアクションも大迫力、ハリウッド映画のような雰囲気が支持され、興行的にも大ヒットを記録した

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

ゲルノン大学の大学図書館司書のレミー・ケロワがアルプス山中の断崖絶壁の50メートルの高さにぶら下げられた死体で発見された

 

地元警察はこの異常殺人事件には不慣れでパリから殺人課の特殊班のピエール・ニーマンスが呼ばれた、ニーマンスは死体発見現場を見ると検死が行われているゲルノン大学へと向かう

 

 

ゲルノン大学はヨーロッパでも最古の大学の1つで自家発電や水道設備や附属病院も備える、学長は市長のような存在で村を仕切っている

 

ケロワの死体は胎児のポーズを取らされ、体中に無数の裂傷と骨折、両手首は切断されて傷口は焼かれ、大量出血で死なせないように出来るだけ長く苦しめようとしている

 

 

目玉は抉り出され、酷い拷問を受けた痕が残されていた、目に溜まった雨水は分析に回し、何か手掛かりがあるかと地元の眼科医シェルヌゼに会いに行く

 

彼は死体の写真を見て動揺、この村では何代も近親結婚が続き血が衰弱し、目の病気が増えている、エリート主義の代償だ、しかし2世代前から現象が逆転し、近隣の村人に目の病気が多くなった

 

 

ザルザックでは小学校の不法侵入と墓荒らしが発生して刑事マックスが墓荒らしの現場に向かうと、10歳で亡くなった少女ジュディットの墓に鍵十字の落書きがされていた

 

次に小学校に向かうと盗まれたものは何もない、マックスはジュディットの事を聞くと校長は事故で亡くなった少女で、彼女の記録がなくなっていた

 

 

マックスは不法侵入者はそれが狙いだったと感じ、死因を調べるとジュディットはハイウェイでトラックに轢かれて死亡、身元が判らない程の損傷で一緒にいた母親が指を握っていた事で身元判明となったが、母親はそれ以来気が触れてしまった

 

無関係だと思われた2つの事件を結び付ける驚愕の真実が明らかになり、2人は雪深いアルプス山脈へと向かう

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

最初の殺人事件のケロワの死体が発見されるのですが、その死体がとにかく凄惨なんです、死なない程度に全身を切り裂かれ、手首は切断されて傷口は焼かれ、目玉をくり抜かれる酷い拷問を受けています

 

 

近くのゲルノン大学の図書館司書が殺され、この大学はヨーロッパ最古の大学でエリートを大勢卒業させているのです、エリートを作り出す事がこの大学の使命なのです

 

なので古くからエリートを作り出す為に近親結婚を繰り返しているのです、頭脳明晰の人物とスポーツ万能の人物で結婚させてエリートな人物を作り出す

 

作品の中では第二次世界大戦中にナチスドイツが行っていた実験だったとか、しかしそれによってこの地域では目の病気の人が多いのですが、2世代前くらいから近隣の村にも増えているのです

 

この異常な事件は地元の警察では不慣れな為にパリからピエール・ニーマンス警視が呼ばれて来るのです、演じるのは「ミッション:インポッシブル」のジャン・レノ

 

 

ほぼほぼ1人で行動するニーマンスなのですが殺害された産婦人科医のセルティスの家を調べようとすると家のドアを開けようとしているマックスを取り押さえます

 

 

マックスは少女ジュディットの墓荒らしから逃げる白い車を探して辿り着いたのがセルティスだったのです、拷問の痕はなかったのですが、目を義眼にすり替えられているのです

 

 

マックスを演じるのは「アパートメント」のヴァンサン・カッセルで、若手の警部補で墓荒らしと小学校不法侵入の捜査からセルティスの車に辿り着いたのです

 

 

こうして関係ないと思われた事件が結びついてニーマンスとマックスは行動を共にする事になります、セルティスは犬を使ってなにやら実験をしていたようなのです、恐らく交配なのだと思います

 

 

この地域と言うか大学のエリート主義が招いた事件なのです、エリート同士での近親結婚が決まっていて、親の仕事をその子供が継ぐのもこの大学での当たり前の事

 

 

ケロワの遺体を最初に発見したのがファニーで演じるのはナディア・ファレス、ゲルノン大学生で雪崩の研究をしていて雪山はお手の物なんです、彼女も最初から結婚相手が決まっているんです

 

 

この大学にある悪しき伝統が受け継がれた事でこの凄惨な事件を生み出してしまったんです、エリートを作り出す事に犠牲になった者たちがいるという事です、それに近隣の村にも目の病気の患者が増えた事もね

 

しかしこの一連の事件は悪しき伝統への恨みで復讐を計画していたんです、その人物に会ったマックスはその目が光を失っている事に気付きます

 

監督はマチュー・カソヴィッツでフランスでベストセラーとなったジャン・クリストフ・グランジェの小説を映画化しました、さすがに展開が速かったですね

 

 

 

 

 

 

凍りついた死体、少女の謎の死、2つの事件、2人の刑事 それが『クリムゾン・リバー』です。

 

 

 

 

 

ちなみに原作小説は続編はないのですが、映画はヒットを受けてオリジナルで続編「クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち」が作られてます。