箪笥 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『箪笥』

 

 

 

 

 

2003年 韓国

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 キム・ジウン

 

撮影 イ・モゲ

 

音楽 イ・ビョンウ

 

 

 

出演 イム・スジョン/ムン・グニョン/ヨム・ジョンア/キム・ガプス/パク・ミヒョン/ウ・ギボン/イ・スンビ/イ・デヨン

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

薔薇と蓮の花の名を持つ美しい姉妹、彼女たちが語る、語りつくせぬ物語

 

「リング」「呪怨」の大ヒットから端を発し、ホラー映画の世界ではメイン・ストリームとなったアジアン・ホラー、韓国では誰もが知っている古典怪談「薔花紅蓮伝」をベースに、怨霊に憑りつかれた家に住む美しい姉妹を襲う世にも奇怪な出来事をスタイリッシュなタッチで描く、世にも切ない物語

 

「クワイエット・ファミリー」のキム・ジウン監督が、原作のモチーフのみを踏襲し、結末の予測できないホラー映画として現代的に再構築した

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

ソウル郊外にある古風な一軒家に到着した1台の車から父親のムヒョンとスミとスヨンの美しい姉妹が降り立った、そこは自然にあふれてとても美しい場所

 

長期入院を終えて帰って来た2人を継母のウンジュが笑顔で出迎えるが、どこか冷ややかな表情をしていた、2人は幼い頃に母を亡くし父ムヒョンがウンジュと再婚

 

 

笑顔で迎えてくれたものの姉のスミは明らかに毛嫌いし、妹のスヨンは少し怯えていた、その日の夕食の時もウンジュと姉妹はピリピリとした雰囲気、しかしムヒョンは何も言わずに書斎へ

 

 

その夜、スヨンは部屋で何者かの気配を感じ取った、怖ろしくなりスミの部屋に行きベッドにもぐり込んだ、怖がるスヨンを優しく抱きしめるスミ

 

 

スミはウンジュもこの家も変だと感じていた、しかし今度はそのスミが悪夢にうなされるようになる、それは亡くなった実母が血を流して部屋を浮遊してスミに迫って来る悪夢

 

 

汗をかいて目を覚ましたスミだったが手に血が付いている、スヨンが生理になったのだ、それにウンジュは笑い私と日にちが同じだと、そしてスミも生理になった

 

ある日スミがスヨンの腕にアザを見付ける、ウンジュがやったとスミはウンジュへの敵対心と憎悪を募らせる、ウンジュも私も我慢してお前たちと暮らしていると罵る

 

 

家の中で激しい口論となってもムヒョンは傍観している、ウンジュはスミにまだ病気が治ってないと嘲笑い、そんな父にスミは不満を爆発させる

 

そんなウンジュも姉妹が来てからおかしな物を見るようになった、神経質なウンジュは情緒不安定になる、この家には何かあると言うようになる

 

 

ある日ウンジュの可愛がっていた鳥が殺される、均衡関係になった決定的な亀裂が生じ、ウンジュがスヨンを箪笥に閉じ込めて折檻、それを知ったスミが父に訴えると意外にもスミに対して、いい加減にしろと諌めるのだった

 

そこには予想もしなかった悲しくも残酷な現実が待ち受けていた、一家の間でタブーとされていた過去の封印が綻び始める

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

オープニングは医師が少女に質問をしているシーンから始まります、何が起こったのかを聞き、少女こそがその全てを知っていると、そして少女は回想をします

 

 

本作は韓国の古典怪談の「薔花紅蓮伝」の6度目の映画化で、本作はそれをモチーフにしています、「薔花紅蓮伝」は容姿端麗、頭脳明晰な姉妹が、継母からの虐待の末に死亡し、亡霊となって復讐する内容です

 

長期入院を終えて戻って来たスミとスヨンの姉妹を父親の再婚相手が出迎えて新しい生活がスタートするところから物語は始まります

 

 

長女のスミを演じるのはイム・スジョンで妹のスヨンを守ろうと必死なんです、スヨンを演じるのは「永遠の片想い」のムン・グニョンでか弱いスヨンを演じています

 

 

とにかく全編でイム・スジョンの鬼気迫る演技に圧倒されます、スヨンを守らなければ、父親を奪ったウンジュとの対立、そして得体の知れない物

 

 

これだけの事が起こると神経もおかしくなりますよ、それに味方であるはずの父親は見て見ぬふり、我関せずを貫いて、ラストには真実を打ち明けます

 

そしてウンジュを演じるのは「カル」のヨム・ジョンアで、とにかく彼女が最初からテンションが高くてそれはもう恐ろしいくらいです

 

 

ムヒョンの義弟夫婦が来た時も1人でテンション高く話して大笑いして、他の3人は静かに食事をしているんです、観ていて滑稽に見えるし怖くも見えます

 

彼女の凛とした美しさの裏側に見える恐ろしさが素晴らしくて女の嫉妬の怖さなんかが垣間見えた気がしました、母親となったウンジュとスミの気の強い女同士の対立もね

 

 

我関せずの態度を取る父親のムヒョンを演じるのはキム・ガプスで、決して我関せずなのではなかったんです、それはある理由があっての事なんです

 

 

これがかなりの悲劇であの瞬間にウンジュが訴えていれば、あの瞬間にスミがウンジュに対してあんな態度を取らなければこんな悲劇は起こらなかったかもしれません

 

 

本作が公開後にハリウッドでスティーヴン・スピルバーグが当時の史上最高額でリメイク権を獲得した事が話題となりました

 

 

 

 

 

 

その扉にかくされた哀しい秘密 それが『箪笥』です。

 

 

 

 

 

当時は耽美なホラーって感じでこれまでの韓国映画とはちょっと違う印象を受けました。