RAW 少女のめざめ | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『RAW 少女のめざめ』

 

 

 

 

 

2016年 フランス・ベルギー

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 ジュリア・デュクルノー

 

撮影 ルーベン・インペンス

 

音楽 ジム・ウィリアムズ

 

 

 

出演 ガランス・マリリエール/エラ・ルンプフ/ラバ・ナイト・ウフェラ/ローラン・リュカ

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

知ってしまった味(タブー)

 

2016年・第69回カンヌ国際映画祭で批評家連盟賞を受賞した、フランス人女性監督ジュリア・デュクルノーの長編デビュー作品、主人公ジュスティーヌ役をデュクルノー監督の短編「Junior」でデビューしたガランス・マリリエールが演じる

 

獣医学校に入学した少女を主人公にした衝撃のホラー、ベジタリアンの少女が動物を口にしたことをきっかけに変貌していく様子と、彼女の秘密を映し出す

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

16歳のジュスティーヌは姉のアレックスが入学した獣医学校に入学、最初の夜に寮で眠っていると突然男が入ってきた、彼はルームメイトでゲイのアドリアン

 

部屋の外で大騒ぎが始まり、廊下に新入生が並ばされた、それは新入生を歓迎するパーティが開かれ、半裸の男女が入り乱れている、ジュスティーヌはそこで姉のアレックスを見付けてやっと安心できた

 

 

次の日には通過儀礼として新入生は動物の血をかけられ、ウサギの腎臓を食べるように言われるがジュスティーヌはベジタリアンであることで断る

 

 

証明するためにアレックスを呼んだがアレックスはジュスティーヌに食べるように促し、口の中に腎臓を詰め込んだ、嘔吐しそうになったがアドリアンの手を借りて歩いた

 

 

その日の夜、ジュスティーヌは全身の痒みで目を覚ました、全身に発疹が出ているのを発見し、その夜は痒くて眠らない、次の日に病院で薬を処方してもらう

 

 

学校の食堂でジュスティーヌは肉を食べたい衝動にかられてハンバーグをポケットに入れてしまう、すぐに捨ててしまうがそのことに落ち込んでしまうジュスティーヌ

 

その夜にアドリアンと深夜のコンビニで食事、たらふく食べたが朝早くに冷蔵庫にある生のチキンを食べた、授業中も知らず知らずに自分の髪の毛を食べてトイレで嘔吐

 

 

その夜にアレックスを訪ねたジュスティーヌ、アレックスはジュスティーヌのムダ毛をブラジリアンワックスで処理し、ビキニラインで手間取りハサミで切ろうとするが怖くなったジュスティーヌはアレックスを足で突き飛ばした

 

 

するとアレックスは誤って中指を切断してしまい失神、ジュスティーヌはすぐに救急車を呼ぶのだが切り落とされた指を見て、肉食への欲求が抑えられなくなる

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

ハリウッドの派手なホラー映画や日本のジメっとしたホラー映画とはまた違うヨーロッパのホラー映画、心なしかに寒々しく感じますね、それがまた雰囲気があるんですけどね

 

 

それに視点が違うのか目の付けどころが違うのかヨーロッパでもその国によって独特ではありますね、特に北欧はそれなりの色があってそれはそれで興味は付きません

 

ベジタリアンの少女が初めて肉を口にしたことから変わってしまいます、当初は肉を食べた罪悪感から嘔吐したり、アレルギーのように全身に発疹が出て最悪なんです

 

 

でもね、すぐに肉を食べたい衝動にかられるんです、それがもう尋常じゃないくらい体が欲するんでしょうね、ハンバーグを万引きするくらいだったり、冷蔵庫の生鶏肉を食べたりとね

 

でも一番の衝撃は指を切り落としてしまったアレックスが失神してしまって、救急車が来るまで指示を受けるんですけど切り落とされた指を見たらもう欲求が止まりません

 

 

なのでその指を見たら目がギラギラしてウインナーやフライドポテトを食べるように切り口からムシャムシャと貪るように食べるんです、このシーンがビックリでゾクッとするような感じでしたよ

 

 

アレックスもジュスティーヌが自分の指を食べてるのを見てもさほど驚かないんです、それはアレックスも同じで彼女も人肉を食べるんです、実は父親が姉妹は絶対に覚醒させないようにベジタリアンにして育てていたのですがほんの些細なことで人肉喰いに発展してしまうんです

 

 

ジュスティーヌを演じるのがガランス・マリリエールで大人しそうな顔をしているのですが血に飢えてからはその表情は狂気に満ちているように見えましたね

 

 

姉のアレックスを演じるのがエラ・ルンプフでなかなか強そうな顔立ちで一瞬男前だなと思ってしまいます、弱々しいジュスティーヌとは対照的な顔立ちでカッコイイです

 

 

この姉妹は仲が良いのか悪いのか取っ組み合いと噛み合いのケンカをしたかと思ったら、次のシーンでは慰め合っていたりとよくヨーロッパ作品では日本人には理解し難い瞬間があります

 

 

それに理解を示してくれたゲイのアドリアンとベッドを共にするのですが、朝起きるとジュスティーヌが知らない間に彼を食べてしまってるんです、これには衝撃的でしたね

 

 

この人肉喰いというテーマは映画でも永遠のテーマだと思います、ゾンビのようなものから食人族のようなものから快楽殺人者からその本作のような特別な嗜好まで様々ですね、難しい~

 

 

 

 

 

世界が震撼した、究極の愛の物語 それが『RAW 少女のめざめ』です。

 

 

 

 

 

ふと思うことがあります、どんな味なんだろうとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に過激な続・裏237号室の『RAW 少女のめざめ』のレビューはこちらです。