エルヴィス | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『エルヴィス』

 

 

 

 

 

2022年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 バズ・ラーマン

 

脚本 サム・ブロメル/クレイグ・ピアース

 

撮影 マンディ・ウォーカー

 

音楽 エリオット・ウィーラー

 

 

 

出演 オースティン・バトラー/トム・ハンクス/ヘレン・トムソン/ルチャード・ロクスバーグ/オリビア・デヨング/ヨラ/ションカ・リチャード/ケルビン・ハリソン・Jr/ゲイリー・クラーク・Jr/デビッド・ブレイシー/デイカー・モンゴメリー/ナターシャ・バセット/ゼイビア・サミュエル

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

音楽で世界を変えたスーパースターの伝説の裏側、実話

 

「キング・オブ・ロックンロール」と称されるエルビス・プレスリーの人生を「ムーラン・ルージュ」「華麗なるギャツビー」のバズ・ラーマン監督のメガホンで映画化

 

スーパースターとして人気絶頂の中若くして謎の死を遂げたプレスリーの物語を、「監獄ロック」など誰もが一度は耳にしたことのある名曲の数々にのせて描いていく

 

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」などに出演したオースティン・バトラーがエルビス・プレスリー役に抜擢され、マネージャーのトム・パーカーを名優トム・ハンクスが演じる

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

1997年、エルビス・プレスリーのマネージャーのトム・パーカー大佐は病院へ緊急搬送、彼こそがエルビス・プレスリーを世に出した男、彼がいなければエルビスは存在しなかった

 

 

しかしパーカーは噓つきで詐欺師でペテン師、詐欺と不正管理で告発され、エルビスの収入の50%も取得、搾取した金でギャンブル漬け、裁判でパーカーの報酬は過大と認定、多くの人はエルビスはパーカーに殺されたと信じている

 

1955年、パーカーは大スターのハンク・スノウと組んだ、ハンクの息子のジミーが持ってきたレコードから流れる黒人音楽の声に衝撃を受けた、しかもその青年は白人で名はエルビス・プレスリー、パーカーは早速ルイジアナ州ヘイライドへと向かった

 

 

1947年・ミシシッピ州シェイクラグ、エルビスは誕生の時に双子の兄ジェシーを亡くし、母親からは2人分の愛情を受けて育った、だが父親が不渡り小切手で服役し、母親とエルビスは黒人地区の白人用住宅に移った

 

そして幼少期のエルビスは黒人の少年たちと遊び、ゴスペルやブルースなどの黒人音楽に触れて音楽の感性を磨いていた

 

 

1954年、エルビスはサン・レコードからデビュー、パーカーの目には脂ぎった髪に女のような化粧で何とも不思議な姿に見えた

 

 

ハンク・スノウの前座をする事になり、大きなステージに緊張から声が出せずに客からの野次が飛ぶ、その瞬間に稲妻が光りピンクのスーツの瘦せた青年は変身した

 

 

圧倒的な歌唱力とセクシーに腰を振るダンスに女性客は叫び声を上げて虜となった、エルビスは禁断の果実の味だ、この反応を見たパーカーはハンク・スノウを差し置いてエルビスに大手レコード会社と独占契約

 

 

彼のパフォーマンスは若者に熱狂的な支持を受ける一方で批判や中傷に晒され、警察の監視下に置かれた会場でライブを行う事になる

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

おいら的にはエルビス・プレスリーは世代ではないのですがやはり名曲は知っています、その腰を振ってのパフォーマンスや渋い声、そしてドーナツを食べ過ぎての死去とかです

 

でも本作を観るとエルビスはマネージャーのパーカーによってがんじがらめにされてその収入を搾取されていたと思わせます、体調が思わしくないと薬によってコントロールされて、その結果によって死亡したようです

 

主人公のエルビスを演じるのは「デッド・ドント・ダイ」のオースティン・バトラーで圧倒的なパフォーマンスでおいらが知るエルビスを超えるほどで、監督にはエルビスそのものだと言わしめました

 

 

それにエルビスがあんな貧しい幼少期だとは思わなかったです、それによって黒人地区に移り住んでそこで黒人音楽に触れたようです、11歳の誕生日に母親にライフルを欲しがったが母親はギターを与えたそうです

 

サン・レコードからデビューして若者の間でジワジワと流行っていたエルビスのレコードを聴いたトム・パーカーは衝撃を受け、しかも黒人音楽を歌う白人青年と知って更に驚きでした

 

 

このエルビスのマネージャーのパーカーを演じるのはトム・ハンクスで、とにかく強欲でエルビスの収入の50%を搾取していたそうです、トム・ハンクスは嫌な役が上手いね

 

 

ハンク・スノウのマネージャーをしていたパーカーはハンク・スノウの前座に起用、そこで吹っ切れたような美声で脚を振るわせて腰を動かすパフォーマンス

 

 

このパフォーマンスで若い女性客だけでなく年配の女性も絶叫してエルビスに酔いしれます、この腰を見て女性がキャーキャーは凄いです、履いてたパンティを投げるんです、当時は本当にこんなだったのかと驚きです

 

 

舞台から観客までが近いので観客はエルビスの脚を掴んだり、エルビスも女性の顎を手に取ったりとかなり近い関係ですね、客席に降りてキスまで

 

世界で最も売れたソロアーティストとしてギネス認定され、ビートルズやクイーンにも影響を与えたスーパースターです、ロカビリースタイルは黒人音楽のブルースやゴスペルやR&Bと白人音楽のカントリーやウェスタンを融合したと言われてます

 

 

当時のアメリカは深刻な人種問題を抱えていたので画期的だったようです、ミシシッピ州上院議員のジェームズ・イーストランドが白人至上主義でエルビスの黒人音楽は白人社会を脅かすと弾圧

 

B・B・キングには「お前は白人だから俺たちと違って逮捕されないから、やりたいことをやれ」と言われて、燕尾服で棒立ちのパフォーマンスを元に戻してスタジアムでパフォーマンス、それによってエルビスは2年間の徴兵となります

 

そこでエルビスは西ドイツで知り合った軍隊長の娘プリシラと恋に落ちて結婚となります、プリシラを演じるのはオリビア・デヨングで献身的にエルビスに尽くしているのですが…

 

 

パーカーはギャンブルにのめり込んで借金まみれで、エルビスはパーカーに唆されてラスベガスでの公演を5年間する事になったのです、パーカーに詐取されてエルビスも散財してその後も奴隷契約なのです、そしてエルビスは42歳で亡くなるのです

 

 

 

 

 

究極のミュージック・エンターテイメント! それが『エルヴィス』です。

 

 

 

 

 

名前は知っていても知らない事ばかりで、ある意味悲劇的なスーパースターでしたね。