ラストナイト・イン・ソーホー | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『ラストナイト・イン・ソーホー』

 

 

 

 

 

2021年 イギリス

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 エドガー・ライト

 

脚本 クリスティ・ウィルソン・ケアンズ

 

撮影 チョン・ジョンフン

 

音楽 スティーブン・プライス

 

 

 

出演 トーマシン・マッケンジー/アニャ・テイラー・ジョイ/マット・スミス/ダイアナ・リグ/シノーブ・カールセン/マイケル・アジャオ/テレンス・スタンプ/リタ・トゥシンハム/ジェシー・メイ・リー/カシウス・メルソン/マーガレット・ノーラン

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

魅惑的で恐ろしい、60年代ロンドンへようこそ

 

「ベイビー・ドライバー」のエドガー・ライト監督待望の新作に出演するのは、「ジョジョ・ラビット」「オールド」などに出演し、活躍目覚ましいトーマシン・マッケンジーと「クイーンズ・ギャンビット」で脚光を浴びたアニャ・テイラー・ジョイ

 

ロンドンで別々の時代に生きる2人の女性の人生がシンクロするサイコスリラー、現代と60年代のロンドンで暮らす女性たちが、夢を通して互いに共鳴し合う

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

イギリス・コーンウォールの町レットルースに住むエロイーズ・ターナーは1960年代のファッションや映画や音楽をこよなく愛する女の子

 

自らデザインしたレトロなドレスを新聞紙で手作りして音楽に合わせて踊っていると鏡の中に亡き母の姿を見た、彼女にはそんな不思議な能力があり、良い知らせを感じる

 

 

祖母ペギーがエロイーズを呼んで手紙を渡した、それはロンドンのデザイン専門学校ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションの合格通知

 

憧れだったデザイナーへの道へと進む第一歩で喜ぶエロイーズはカバンに60年代のレコードを詰込み、ペギーにはロンドンは人を呑み込む街、ママはあの街に負けた、エロイーズには特殊な能力があるがそれが裏目に出る事も、と心配される

 

それでもエロイーズはロンドンで夢を叶えたいとロンドンへと旅立った

 

 

エロイーズは寮でジョカスタとルームメイトになったが自己主張の強いジョカスタは田舎出身のエロイーズを下に見る、その夜にエロイーズはジョカスタとその友人らに誘われてパブに出掛けた

 

 

しかしジョカスタらはエロイーズの事を散々陰口を叩き、ひとりでパブを後にした、その夜中にジョカスタは寮の部屋に男を連れ込んでパーティを開き眠れない

 

部屋で眠れないエロイーズは下宿を借りる事にし、大家の老婦人ミス・コリンズが所有するソーホーの古い家の屋根裏部屋を借りる事にした

 

 

色々と条件はあったがエロイーズは全てクリアし、60年代のロンドンに憧れるエロイーズにはうってつけの物件で早々に引っ越して来た

 

やっと自分の居場所を見付けた感じがしてレコードをかけて眠りについたエロイーズは、その姿のまま路地を歩き大通りに出ると、そこは60年代のロンドン

 

 

ナイトクラブのカフェ・ド・オアリスに入ったエロイーズは店内の大きな姿見に映るのは自分ではなく金髪の美女サンディ、いつの間にかエロイーズとサンディの立ち位置が変わっている

 

 

夢から覚めたエロイーズはサンディの夢がリアルだったと感じ、しかも夢の中での出来事が体に残っていた

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

正直な感想は怖くなかったです、でも違う意味で面白かったですね、デザイナーを夢見るエロイーズがロンドンへと旅立って行く、大人へと成長する物語なのです

 

エロイーズを演じるのはトーマシン・マッケンジーで、めちゃくちゃカワイイんです、自分でデザインして新聞紙で作った服を着て60年代の音楽を聴いて踊っているんです

 

 

自分で作った服を着てロンドンのデザイン専門学校へと行くのですが、そこのルームメイトのジョカスタは嫌な女の子でブランドで固めていて自作の服を着るエロイーズをバカにしているんです

 

ジョカスタを演じるのはシノーブ・カールセンで、田舎娘のエロイーズをバカにして男を寮の部屋に連れ込む破天荒な女の子、でもデザインの実習ではエロイーズに先を進まれてイライラしてるんです

 

 

ジョカスタと同じ部屋では眠れないエロイーズはソーホー地区の古い家の屋根裏部屋で一人暮らしを始めます、古いのですが60年代に憧れるエロイーズにはベストなのです

 

大家のミス・コリンズを演じるのがダイアナ・リグで2020年9月に死去し、本作が遺作となります、でもこのミス・コリンズが鍵を握ってます、エロイーズのバイト先のパブのオーナーを演じるのがマーガレット・ノーランも2020年10月に死去し、本作が遺作となります

 

 

この部屋で眠ったエロイーズは夢の中で路地から大通りに出るとそこは60年代のロンドンなのです、しかしその姿はエロイーズではなくサンディなのです、サンディの体でタイムスリップしてしまったのです

 

 

サンディを演じるのがアニャ・テイラー・ジョイで、金髪の美女で歌手志望でナイトクラブのカフェ・ド・オアリスに現れて歌手の仕事を求めるも、最初はエロい衣装での男を喜ばせるようなダンサー

 

 

その夢の中のサンディに憧れるエロイーズは体も感覚もシンクロして、夢の中の出来事なのに現実にも影響を与えてエロイーズは充実した毎日を送るようになるのです

 

 

歌手にはなかなかなれず、サンディは少しずつエスカレートして売春婦のような扱いを受けるのです、そして夢の中でサンディは殺されてしまうところを目撃してしまいます

 

 

その頃から現実に亡霊のような者が現れるのです、エロイーズは亡くなった母が鏡の中に見る事が出来る能力を持っているのです、なので亡霊が寄ってくるようなのですが、エロイーズは不安定になり、サンディ殺害の事件の真相を追うのです

 

 

なぜ亡霊が現れるのか?エロイーズの前に現れるテレンス・スタンプ演じる老人の正体は?そして60年代の殺人鬼が現代にも?監督はエドガー・ライトで60年代のロンドンのファッションや音楽を効果的に魅せてくれます

 

 

 

 

 

 

現代と過去、異なる時代の2人の女性、夢と恐怖がシンクロするタイムリープ・サイコ・ホラー! それが『ラストナイト・イン・ソーホー』です。

 

 

 

 

 

ホラーなのですが何か不思議な感覚でちょっと切なかったりしましたね。