『キングコング』
1976年 アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督 ジョン・ギラーミン
脚本 ロレンツォ・センプル・Jr
撮影 リチャード・H・クライン
音楽 ジョン・バリー
出演 ジェシカ・ラング/ジェフ・ブリッジス/チャールズ・グローディン/ジョン・ランドルフ/ルネ・オーベルジョノワ/ジュリアス・W・ハリス/ジャック・オハローハン/デニス・フィンプル/エド・ローター
《解説》
神と拝められる伝説の巨猿キングコング降臨!
1933年に製作された「キングコング」の再映画化、南太平洋の孤島に棲息していたキングコングをめぐるスペクタクル映画、製作は「リップスティック」のディノ・デ・ラウレンティス
ディノ・デ・ラウレンティスがパニック映画「タワーリング・インフェルノ」を大ヒットさせたばかりのジョン・ギラーミン監督を起用、映画史に残る傑作を現代に蘇らせた、ジェシカ・ラングがキングコングの囚われた美女役でデビュー
《物語》
インドネシア・スラバヤ、石油会社ペトロックスの重役のウィルソンは南太平洋に未曾有の海底油田があると聞いて、悪天候の中、謎の海域に大型船で向かう
地図では深海となっているがその場所には霧が立ち込めている、NASAのスパイ衛星が調べたものによると、表面温度があるので島が存在する、まだ足を踏み入れた事のない島が
しかしこの船に密航した動物学者のプレスコットはこの島には1600年代から伝説とされる巨大生物の話しをする、プレスコットはウィルソンに産業スパイ扱いされる
その時、大海原に救命ボートに女性が気を失って浮いているのを見付けた、意識を取り戻した彼女はドワンと名乗り、香港で撮影中の映画に出演する為に船に乗ったがその船が沈没し、ドワンだけが助かったのだ
プレスコットの疑いも晴れ、調査団のカメラマンとしてウィルソンらと島へと上陸する、島には巨大な壁があり原住民たちがいた、原住民たちは花嫁を壁の向こうに運ぼうとしていた
それを見ていた調査団に原住民たちが気付き、そこに一緒にいたドワンを寄こせとやって来たが銃を空に撃って原住民たちを脅かして船に戻った
その夜、船にイカダでやって来た原住民たちがドワンを拉致、意識朦朧とする中でドワンは壁の向こう側に立たされ、それを待った、大木をなぎ倒して現れたのは原住民たちがコングと呼ぶ巨大なゴリラ
ドワンはコングに森の奥深くへと連れ去られてしまう、ドワンを追ってプレスコットたちが島に上陸し、原住民たちを追い払い壁の向こうへとドワンを追う
調査団はコングの返り討ちに遭い、プレスコットを残して谷底へと落とされて全滅、コングが大蛇と格闘している間にプレスコットはドワンを助け出して戻り、ドワンを追って来たコングにウィルソンはクロロホルムを使って捕獲に成功
ウィルソンは石油の代わりにニューヨークでコングを見世物にして一儲けしようと企むが、プレスコットは彼のやり方に反発、ドワンも後ろめたさを感じるも女優デビューを果たす為にウィルソンに従う
マスコミに囲まれるドワンを見てコングは鎖を引き千切り暴れ出し、ニューヨークはパニックとなる、ドワンを乗せて世界貿易センタービルに登るコングに軍隊が出動、コングはドワンを守る為に彼女を足元に降ろして軍隊に立ち向かうのだが
《感想》
子供の頃に観に行きましたよ、お金を懸けた怪獣映画に当時は大興奮でした、特にコングのスーツが素晴らしくて、これはノークレジットですが演じたのはリック・ベイカーで彼の力は大きかったですね
しかしアカデミー特別業績賞を受賞したのは特殊効果のカルロ・ランバルディ、彼は実物大のロボットのコングを製作するもあまり動いてくれず数秒の登場でした、大金懸けたのですけどね
ジャック・プレスコットを演じるのはジェフ・ブリッジスで、密航してまで伝説の島に巨大生物を探しにいくのです、産業スパイ扱いされるもウィルソンにカメラマンとして雇われる事になるんです
フレッド・ウィルソンを演じるのはチャールズ・グローディンで、新たな油田開拓の為に南太平洋の未開の地にある島に探索に向かうのです、しかしそこで見た物は巨大なゴリラだったのです
1933年の「キングコング」を現代に蘇らせてリメイク、イタリアの大物プロデューサーのディノ・デ・ラウレンティスの娘がキングコングを観たいと言った事から企画が動いたとの説があります
ドワン役には当時ニューヨークで活動するモデルのジェシカ・ラングで彼女のデビュー作です、いきなり救命ボートで流されてくる女優の役なのです、オリジナル版と設定が違いますね
原住民の首長もドワンみたいな金髪で白い肌の女性は見た事がなかったようで、原住民の女性を数人と交換しようと言い出すんです、もちろんそんな事は断られるのですけどね
原住民たちは夜の船にイカダで行ってドワンを誘拐するんです、ドワンは薬を飲まされて意識朦朧とした中で地響きがするんです、ドワンの前に巨大なゴリラが現れるんです
コングは初めて見るタイプの女性に興味津々で、森の中へと連れて行ってしまうんです、ドワンも殺されると思って怯えているのですが、コングはドワンをお姫様のように扱うのです
滝つぼで泳がせて体を綺麗にしたり、風を送って髪の毛を乾かしたりしてね、でも指でドワンの体を触って服が破れてポロリしてしまうんです、子供ながらに興奮したシーンでした(笑)
そこでコングは大蛇と格闘となってその隙にドワンはプレスコットに助けられて逃げるのです、大蛇を殺したコングは2人を追い掛けて壁を壊すもクロロホルムで眠らされてタンカーに入れられてニューヨークに運ばれるのです
ドワンはコングを気遣いタンカーでも声を掛けるんです、落ちてしまったドワンをそっと受け止めて元に戻してあげるんです、凶暴なコングの優しさとドワンに対する想いが伝わるシーンでした
ニューヨークではコングがドワンを捜して暴れ出し、ドワンもコングを助ける為に一緒にいるのですがコングは世界貿易センタービルに登ります、オリジナル版ではエンパイアステートビルでしたけどね
コングとドワンには人知を超えた愛のような物が生まれたようです、これはオリジナル版にはないラブストーリーです、クライマックスのコングと軍隊のヘリの戦いはコングがドワンを庇って泣けてきますよ
監督はジョン・ギラーミンで、巨大生物の島なのですがオリジナル版に出た恐竜は出ず、それは製作費が足りなかったからのようです
ニューヨークの街が空前の大パニックに陥る! それが『キングコング』です。
キングコング映画の中では酷評されてるようですが、おいらには幼い頃の思い出です。