悪魔の棲む家 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『悪魔の棲む家』

 

 

 

 

 

1979年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督 スチュアート・ローゼンバーグ

 

原作 ジェイ・アンソン

 

脚本 サンダー・スターン

 

撮影 フレッド・コーネカンプ

 

音楽 ラロ・シフロン

 

 

 

出演 ジェームズ・ブローリン/マーゴット・キダー/ロッド・スタイガー/ドン・ストラウド/マーレイ・ハミルトン/ジョン・ラーチ

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

この家の中で28日間、悪魔と闘った…、これは事実である

 

ニューヨーク郊外のアミティビルにある一軒の屋敷を舞台に、そこに住み始めた一家が遭遇する数々の超常現象を描く恐怖映画、監督は「さすらいの航海」のスチュアート・ローゼンバーグ

 

74年に実際に起きた超常現象を題材にしたベストセラー・ノンフィクションの映画化、セミ・ドキュメンタリー・タッチと随所に差し挟まれるダイナミックな演出で見せる

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

1974年11月13日、ニューヨーク州郊外のアミティビルにある邸宅で両親と弟妹4人を長男が射殺、地下室に閉じこもっていた長男ロナルドは眠っている4人をライフルで射殺、我に返って警察に通報した、彼は家が家族を殺すよう命じたと

 

 

1年後、新しい住まいを探していたジョージとキャシーのラッツ夫妻はアミティビルの邸宅を訪れた、案内した不動産屋の女性は1年前の事件を話すが12万ドルの価値がある家が8万ドルという安さに惹かれて購入を決めた

 

 

ジョージとキャシーの連れ子と2人の子どもの5人での生活が始まった、そこに訪れたデラニー神父が家の中で不審な声を聞き、窓の外には蝿が群がりデラニー神父は出て行けという声を聞いて家の外に出るが体調を崩してしまった

 

 

デラニー神父は若い神父を連れて再び家に向かうが車のハンドルが動かなくなって木に激突、デラニー神父はこの家にただならぬものを感じ、教会の上層部に力を借りようとするが取り合ってもらえない

 

その頃からジョージはおかしくなり始めていた、真夜中に他に誰かがいるような感覚、そして斧に執着し、一心不乱に薪を割り斧を磨いている、それに怒りっぽくなっていた

 

 

キャシーの伯母でシスターのヘレナがやって来た、ヘレナはこの家の異変を感じてすぐに帰ってしまった、おかしな事が続きキャシーはデラニー神父に助けを求めるもデラニー神父は失明し、廃人と化していた

 

 

ジョージは自分でもおかしくなっている事に気付きキャシーと子供たちとの愛を育む、図書館で家そっくりなものが載っている本を見付けたジョージ

 

 

それが悪霊の集まる家だと知ったキャシーは新聞社で1年前の事件を調べると犯人の顔がジョージとそっくりで驚いた、雨の中を急いで戻るキャシーは妻や子供を探す狂ったジョージの姿を見た

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

本作も「エクソシスト」の大ヒットによるオカルトブームの影響で作られた作品です、しかも実話の映画化という触れ込みなのですが、一家殺人のあった家にラッツ一家が越してきた事と最後の結末は事実だそうです

 

 

主人公のラッツ夫妻のジョージを演じるのがジェームズ・ブローリンで妻のキャシーを演じるのが「スーパーマン」シリーズのマーゴット・キダーです

 

 

家に棲む悪魔のせいなのかジョージが日を追うごとに変わっていきます、温厚だったのに怒りっぽくなったり、ずっと薪割りをして斧に執着したりとね

 

 

それを不安な様子で見ているキャシーなのですがその心理描写をゆっくりと描いています、神父が現れては彼の力の及ぶ存在ではなくて廃人にされてしまいます

 

 

最初にも触れたのですが実話という事なのですがラッツ一家が家を出た後に一件落着かと思われたのですが、これがマスコミや霊能者や心理学者などが集まって怪現象の真偽を巡って大論争となったんです

 

ラッツ夫妻は公表するつもりはなかったのですが、ロナルド・デフェオの弁護士ウィリアム・ウェバーによって記者会見を無理強いされたそうです、もともと夫妻はウェバーに相談していたのですが、自らの売名行為に利用したそうです

 

 

デフェオ事件の回顧録を執筆しようとしていたウェバーはラッツ一家の体験談を自署に盛り込もうと提案したのですが夫妻は拒否、その後にジェイ・アンソンの著書がベストセラーになると雑誌に自身が夫妻に入れ知恵した創作だと告白

 

 

一連の悪霊騒動は夫婦が最初から計画していた金儲けのペテンだったと証言、メディアを巻き込んだ論争の最中の1977年に出版されたのがジェイ・アンソンの「アミティビルの恐怖」で本作の原作です

 

これによって夫妻は一連の騒動や論争に終止符が打てるつもりだったようですが、これらの関係者になんらかの意図があったようにも見えます、有名な霊能者ウォーレン夫妻も調査していて、否定は出来ませんが疑わしいです、真相は闇の中なんです

 

 

ちなみにその後も続編が延々と作られて29本もの続編や関連作が作られています、もの凄い数ですが、その度に映画ファンが家に多く殺到するらしいです

 

 

もしこの話しが事実ならこんな恐ろしい事はありませんよね、おいらは霊感なんてありませんから霊が隣にいても分からないだけなのかもしれません、見えたら怖いでしょうね

 

 

 

 

 

 

逃げ出したくても、それが出来ない、ここは私達の家だ! それが『悪魔の棲む家』です。

 

 

 

 

 

でもこれをビジネスにする者がいるのも事実である意味そちらも怖いですね。