『SWALLOW スワロウ』
2019年 アメリカ・フランス
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 カーロ・ミラベラ・デイビス
撮影 ケイトリン・アリスメンディ
音楽 ネイサン・ハルパーン
出演 ヘイリー・ベネット/オースティン・ストウェル/エリザベス・マーベル/デビッド・ラッシュ/デニス・オヘア
《解説》
欲望をのみこんでゆく
「ガール・オン・ザ・トレイン」「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」のヘイリー・ベネットが異物を飲み込むことで自分を取り戻していく主婦を演じるスリラー
孤独に苛まれた主人公が、ガラス玉などを飲み込むことで、痛みと同時にこれまで感じたことのない快楽と充実感を得る、カーロ・ミラベラ・デイビスが監督と脚本を担当
《物語》
とある豪邸での食事会でマイケルは息子のリッチーを当社史上最年少で常務取締役になったと発表、リッチーはマイケルに即されてスピーチを行い、美しい妻ハンターのおかげだと語るがハンターは笑顔を一瞬見せるも無表情
数日後にハンターはリッチーとの食事の時に庭に花を植えたいと相談するも彼は仕事のメールを見てハンターの話しを聞いていない
そんなある日、ハンターは妊娠している事が分かり、リッチーは興奮してハンターを抱きしめるもハンターは冷静、マイケルと妻のキャサリンと一緒に食事をし、妊娠を喜ばれるがハンターの話しは聞いてもらえない
ハンターは目の前の氷だけになったグラスを見てグラスの中に手を入れて氷を取り出して口に入れて嚙み砕いた、その行動に周囲は啞然となってしまう
妊娠中のハンターにキャサリンは自己啓発書の本を読むように勧めた、それにリッチーの好みはロングヘアだと、ハンターは本を開けるが読むのを止めた
ビー玉を手に取ってハンターはそれを口に入れて飲み込んだ、その瞬間にハンターの表情は晴れやかなものになった、夜のベッドでもリッチーにご機嫌だと言われるくらいに
次の日にハンターはトイレで用を足し、その中からビー玉を取り出してテーブルに置いた、一心不乱に掃除機をかけるハンターは何かが詰まった音がして見ると画鋲だった
その画鋲を見ると飲み込みたい衝動に駆られたハンターは画鋲を口に入れたが舌が傷ついて吐き出した、しかし飲み込みたい衝動は抑えきれず口に入れ、苦しみながらも飲み込んだ
トイレで血の混ざった中から画鋲を取り出したハンター、リッチーはハンターがトイレで何をしているか不審に思い始める、しかしその後もハンターは異物を飲み込んでいく
《感想》
もうめっちゃ怖いですよ、異物を飲み込む瞬間は大丈夫なのか?とね、ハンターが最初に飲み込む時はやはりびくびくしながらなんです、それでも飲み込むと悦楽の表情となるんです
最初はビー玉なので飲み込んでもそのまま出そうな感じなのですが、その異物が変わっていくんです、その次に飲み込むのが画鋲なんです、持ち手がプラスチックのやつね
それは一度は口に入れるのですが舌を切ってしまうんです、それでも画鋲を飲み込んで苦悶の表情で喉を通って行くのですがその後のハンターの表情は悦楽なんです
ハンターを演じるのはヘイリー・ベネットで、ハンターは会社経営をするCEOの息子のリッチーと結婚するも仕事の話しばかりでハンターの話しは聞いてもらえません
ハンターは販売店員をしていたところでリッチーと出会って結婚となったんです、リッチーは大金持ちなのですがハンターはごく普通の一般人なんです
ハンターは妊娠してからも異物を飲み込んで土だったり電池だったりするんです、妊娠検査をしてエコーを当ててもらうと医師に異物があると言われて手術となるんです
医師から異食症だと診断されて家族に精神科のカウンセリングを受ける事になるんです、そこでハンターは母親は実の母親なんですが、父親はそうではないんでと告白
ハンターの母親は乱暴されてその時に妊娠してしまい宗教的に堕胎は許されず出産となったんです、犯人は逮捕されて新聞にも載ったのですがその時の記事の顔写真をハンターはずっと持っているんです
この異食症は栄養価のないものを無性に食べたくなる症候で子供と妊婦に多いそうです、これは異常な量の氷を食べるのも当てはまるそうです、後は自分の髪の毛とかね、栄養障害やストレスからくるようです
でもハンターは異物を食べる事で自分を取り戻すような感じでした、企業の重役夫人というプレッシャーに押し潰されそうになっていたのでしょうね、玉の輿も我慢が必要なのでしょうね
美しくも恐ろしく衝撃的なホラー それが『SWALLOW スワロウ』です。
立派な豪邸に立派な食事なのですが何か無性に得られないものがあるのでしょうね。