オペラ座/血の喝采 | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『オペラ座/血の喝采』

 

 

 

 

 

1987年 イタリア

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 ダリオ・アルジェント

 

脚本 フランコ・フェリーニ

 

撮影 ロニー・テイラー

 

音楽 クラウディオ・シモネッティ

 

 

 

出演 クリスティーナ・マルシラッチ/イアン・チャールソン/ウルバノ・バルベリーニ/ダリア・ニコロディ/アントネッラ・ヴィターレ/ウィリアム・マクナマラ/コラリーナ・カタルディ・タッソーニ/バーバラ・クピスティ

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

流血のオペラ、ここに開幕!目をそむけることはできない!

 

監督は「サスペリア」「シャドー」「フェノミナ」等、発表するホラー映画全てがホラー映画史に残る、イタリアン・ホラーの貴公子ダリオ・アルジェント、彼がまさに、キャリア最高時に撮り上げた作品が本作だ!

 

本作では独自のビジュアルやサウンドの感覚をより先鋭化させつつ、エロ・グロがふんだんでもそこに美学を共存させる剛腕を発揮、自身がヒロインに対してサディストであると同時にマゾヒストでもあるという、監督の自己言及も興味深い

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

ベルディのオペラ・マクベスを前衛派演出家のマークがスカラ座で上演する事になったがリハーサル中にプリマドンナのマーラと意見が対立、マーラは会場を出て行ってしまうが、マスコミに囲まれた彼女は会場の外で転倒してしまい車に轢かれてしまう

 

 

本番は今夜、悩んだマークは代役に新人のベティに白羽の矢を立てる、いきなりの大抜擢で戸惑うベティ、それにマクベスは不幸を招くと言い伝えがあるので躊躇してしまう

 

演劇の途中で照明が落ちる事故があったが舞台は大成功に終わった、しかし照明が落ちただけでなく照明係がその場で殺されていたのだった

 

 

ベティに対してスター誕生だと絶賛されるが、それからベティに怪しい影が忍び寄る、彼女の衣装が切り刻まれたり、演出のカラスが殺されたりだ

 

恋人で助監督のステファノの家でベティは突然現れた黒いフードの男に縛り上げられて柱に固定、瞼を閉じれないように目の下に針を張り付けられて閉じれないようにして、目の前でステファノは惨殺された

 

 

拘束を解かれたベティは恐ろしくなりすぐにステファノの家をでて外から警察に通報、その場から立ち去り偶然会ったマークに全てを話した、それに黒いフードの男は幼い日に見た悪夢に似ている

 

アラン刑事が事情聴取に現れて偶然に事故が続き不運が付きまとっていると、衣装係のジュリアが切り刻まれたベティの衣装を修復しているとまたしてもベティは縛り上げられ、目の前でジュリアがハサミで切り刻まれた

 

 

アランはベティの手に縛られた痕を見付け、犯人逮捕に協力して欲しい、部屋に戻って鍵を掛けて部下のソアベを待てと、ソアベがやって来て護衛

 

 

ベティが心配で部屋にやって来たエージェントのミラは下のロビーにソアベがいて話したと言う、どちらが本物のソアベか分からずミアは外から頭をを撃たれて殺され、本物のソアベも殺され、ベティはある少女に助けられた

 

 

この一連の事件にデジャヴを感じるベティはその謎が解けた時に犯人の正体が明らかになった

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

久しぶりに観た本作は劇場公開版より12分長い完全版です、ロックのリズムで行われる殺人シーンや監督の特異なビジュアルを駆使して作り込まれています

 

 

監督はホラー映画の貴公子と呼ばれるダリオ・アルジェントで、その美少女をいたぶるサディストっぷりは健在です、いつでも殺せるヒロインを殺さずに追い詰めるんです

 

ヒロインのベティを演じるのが「スキャンダル 愛の罠」のクリスティーナ・マルシラッチで代役で突然の主役大抜擢で一躍スターとなるのですが、それ以来彼女の周りで殺人事件が起こるのです

 

 

最初にスカラ座での殺人をきっかけに連続殺人へと発展するんです、その殺害方法も残酷でさすがにアルジェントだと思わせるえげつなさです

 

恋人で助監督のステファノの殺害シーンで犯人はベティを縛り上げて目の下に針を数本張り付けるんです、目を閉じると瞼が傷付くようにね、閉じないわけにはいかないのでベティの瞼は血に染まります

 

 

ステファノはナイフでまずは首を刺されてその先端は口の中を貫通するくらい強く刺されて、その後も身を守る為に出した両手をメッタ刺しにして殺してしまいます

 

 

次に衣装係のジュリアが殺されるシーンでは、犯人を攻撃してフードを取って顔を見たジュリアはハサミで体を切り裂かれてしまうんです、それをまた同じように犯人に直視させられるベティ、演じるのは「デモンズ2」のコラリーナ・カタルディ・タッソーニ

 

 

ベティのエージェントのミラを演じるのはアルジェントの公私に渡ってのパートナーで「フェノミナ」のダリア・ニコロディ、彼女の殺害シーンは銃によるものでアルジェントにしては簡単なのですが、その撮影の仕方は特殊で弾丸が走るシーンは苦労したようです

 

 

カラスを殺した犯人を見付ける為に演劇中にカラスを放すとカラスは仲間意識が強くてカラスを殺した犯人を攻撃して真犯人が分かるのです、それはベティの幼い頃の夢にも関係しているんです

 

 

まあ内容は破綻している感じもしますがそれも含めてのダリオ・アルジェント作品なので、それを許せない人は観るべきじゃないのです、アルジェントのファンとはそういうものなんです(笑)

 

 

 

 

 

騒然・衝撃・大興奮!リリース不可能とされていた本作が完全版で復活! それが『オペラ座/血の喝采』です。

 

 

 

 

 

それにしてもアルジェントは美少女をいたぶるのが好きですね、それを観るおいらも同じですけどね