パルプ・フィクション | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『パルプ・フィクション』

 

 

 

 

 

1994年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 クエンティン・タランティーノ

 

撮影 アンジェイ・セクラ

 

音楽 カリン・ラットマン

 

 

 

出演 ジョン・トラボルタ/サミュエル・L・ジャクソン/ユマ・サーマン/ブルース・ウィリス/ハーベイ・カイテル/ティム・ロス/アマンダ・プラマー/マリア・デ・メディロス/ビング・レイムス/エリック・ストルツ/ロザンナ・アークエット/クリストファー・ウォーケン/スティーブ・ブシェーミ/クエンティン・タランティーノ

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

時代にとどめをさす

 

クエンティン・タランティーノが「レザボア・ドッグス」に続いて手掛けた監督第2作、1930~1940年代のアメリカで流行した大衆向け雑誌の犯罪小説をモチーフに、3つのエピソードが交錯する斬新なスタイルで描いたクライム・ドラマ

 

2000年のカンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いたこの作品で、タランティーノ節は完成された、個性溢れるキャストも大きな魅力だが、実質上の作品の主役ビンセントに扮するトラボルタが、それまでのブランクを吹き飛ばす存在感

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

あるレストランでチンピラ風のカップル、パンプキンとハニー・バニーが話している、2人は強盗の常習犯、パンプキンは今は何より銀行強盗をする方が楽な時代だと語った後に、このレストランを強盗

 

 

2人組のギャングのビンセントとジュールスはボスのマーセルスの命令でだまし取られたアタッシュケースを取り返しに行き、若いチンピラを3人殺した

 

 

ビンセントはマーセルスから彼の妻のミアの世話を頼まれた、食事の相手をさせられ、レトロ風なクラブでダンスを踊らされてビンセントはミアに惹かれミアも同じ気持ち

 

 

しかしボスの妻に手を出す事は禁物、帰ろうとしたところでミアがビンセントのヘロインを吸い込んで意識を失ってしまう、ビンセントは売人を呼んで指示通りに心臓に注射を打ってミアは蘇生、2人はこの事を2人の秘密として別れた

 

 

ボクサーのブッチ・クリッジはマーセルスから八百長の依頼金を受け取ったが、ブッチはマーセルスを裏切り、自分に大金を賭けて試合に勝ち、おまけに相手を殺してしまった

 

 

ブッチは恋人のファビアンの待つモーテルに行き、逃げようと計画を練るが彼女がブッチの父の大切な形見である金時計を忘れている事に気付き、危険と分かっていながら自宅のアパートへと戻った

 

そこで待機していたビンセントと鉢合わせしてしまうがブッチはビンセントの銃で射殺して車で逃げるが信号待ちでマーセルスと出会ってしまい、マーセルスを撥ね飛ばすがブッチも事故をしてしまう

 

アタッシュケースを取り戻したビンセントとジュールスが車を走らせているが後部座席に乗せたチンピラを誤って撃ち殺してしまい、死体の後始末に掃除屋のザ・ウルフを呼んで始末した後に、2人はレストランに入りそこでパンプキンとハニー・バニーの強盗に出くわす

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

初めて観た時は新しい映画の形だと思いましたね、時系列が色々と入れ替わっていてそれがとても新鮮でした、「レザボア・ドッグス」のクエンティン・タランティーノはたった2本の作品で世界を虜にしました

 

 

オープニングからチンピラの強盗やギャングの殺人なんかでシリアスなクライム・サスペンスなのかと思っていたら少しずつユーモラスなシーンが登場してきます

 

主人公のビンセントを演じるのは「キャリー」のジョン・トラボルタ、若い頃はスターでしたが人気が低迷していたトラボルタが本作に出演して復活しました、その相棒のジュールスを演じるのがサミュエル・L・ジャクソン

 

 

ビンセントはボスのマーセルスの部下で性格は短気で命令されるのが嫌いです、そんなマーセルスから妻のミアの世話係を頼まれるんです、ボスの妻ですからそれはイイ女なんです、手を出したいのを抑えて世話をするんです

 

 

ミアを演じるのがユマ・サーマンでビンセントを誘うような妖艶な目付きで一緒に食事をして酒を飲むんです、ビンセントが帰ろうとするとミアはビンセントのヘロインをコカインと間違えて吸引して心肺停止状態となるんです

 

 

ボスの妻を死なせてしまったら大変とビンセントは売人のランスに連絡してミアを車に乗せてランスの家まで行くんです、そこでランスはビンセントにミアの心臓に注射をさせて見事に蘇生するんです、ランスを演じるのがエリック・ストルツ

 

 

この心臓に注射を打つシーンはコメディタッチではありますがスリリングです、ユマ・サーマンは鼻血出してよだれを垂らして死にかけてボロボロになってしまいますもん

 

 

そして後半の主人公のブッチを演じるのがブルース・ウィリス、マーセルスから負けるよう八百長試合を組まれるのですが金だけ貰ってそれを自分に賭けて相手を倒して逃げるんです、そりゃマーセルスは怒り心頭でブッチを捜します

 

 

しかしブッチは父親の形見の時計を忘れます、これはクリストファー・ウォーケン演じるクーンツ大尉が父親の形見だとブッチが幼い頃に手渡した大切な物なんです

 

 

それを取りに自宅に戻りビンセントを殺して車で逃げる途中の信号でファストフードをテイクアウトするマーセルスが真ん前を横切ろうとするんです、慌ててマーセルスを撥ね飛ばすのですがブッチも事故を起こします

 

ケガをしながらもマーセルスは銃を撃ちながらブッチを追うのですがブッチも事故でフラフラしながら逃げるのですがとある店に入った事で事態は急変します、その店は変態の巣窟なんです

 

 

このシーンのブルース・ウィリスが最高にカッコ良くて、自分だけが逃げれば良いのに自分を狙うマーセルスを救出するんです、これはアメリカ人にはよく分からない感情らしくて、タランティーノはこれを言うならば“仁義”だと

 

そして物語は最初に戻るんです、レストランを強盗するパンプキンとハニー・バニー、演じるのはティム・ロスとアマンダ・プラマーで無駄な話しをしながらも強盗をするんです

 

 

そこにチンピラを誤って殺してしまって死体を掃除をしてレストランに入ったビンセントとジュールスと鉢合わせするんです、このシーンもスリリングでしたね

 

 

 

 

 

カンヌ国際映画祭クランプリ〈パルムドール〉受賞 それが『パルプ・フィクション』です。

 

 

 

 

 

音楽も素晴らしいです、カジュアルな格好のジョン・トラボルタとサミュエル・L・ジャクソンが笑えます