レザボア・ドッグス | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

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『レザボア・ドッグス』

 

 

 

 

 

1992年 アメリカ

 

 

 

 

 

《スタッフ&キャスト》

 

 

監督・脚本 クエンティン・タランティーノ

 

撮影 アンジェイ・セクラ

 

音楽 カリン・ラクトマン

 

 

 

出演 ハーヴェイ・カイテル/ティム・ロス/マイケル・マドセン/クリス・ペン/スティーヴ・ブシェミ/ローレンス・ティアニー/カーク・バルツ/エディ・バンカー/クエンティン・タランティーノ

 

 

 

 

 

《解説》

 

 

世界が震撼したスーパー・バイオレンス・ムービー!

 

クエンティン・タランティーノの監督第1作で、宝石店強盗計画に失敗した男たちがたどる運命を、独特の語り口で緊迫感たっぷりに描いたクライムドラマ

 

描きこまれたキャラクター、縦横無尽に時間軸を越えた構成、緩急自在の演出とどれもが素晴らしく、監督・脚本・出演の異才クエンティン・タランティーノの名を一躍世に知らしめた

 

キャストには本作の制作に尽力したハーヴェイ・カイテルをはじめ、ティム・ロス、スティーヴ・ブシェミ、マイケル・マドセンら個性豊かな顔ぶれが揃った

 

 

 

 

 

《物語》

 

 

ロサンゼルスのダイナーで8人の男たちが無駄話をしながら朝食をとっている、その中の6人は黒ジャケットに黒ネクタイ、この6人はそれぞれホワイト、オレンジ、ブロンド、ピンク、ブルー、ブラウンと色でお互いを呼び合い決して本名を明かしていない

 

 

後の2人はジョーとエディのキャボット親子、この8人はダイヤモンド強奪を計画していた、朝食後に計画は実行されダイヤモンドは手に入ったがオレンジが腹を撃たれてしまう

 

ホワイトはオレンジを励ましながら人気のない倉庫に到着、ここで全員が落ち合う予定だ、そこにピンクが現れて警察のおとり作戦だったと言い出した、彼の経験では警察が来るのが早すぎると言う

 

 

ブラウンは死亡、ブルーとブロンドは行方不明、ホワイトとピンクが2人で話し合い始めは上手くいっていたが警報が鳴った、振り向くと警官がいた

 

 

全員が大パニックでブロンドが乱射し、無関係な人間を撃ち殺した、しかしピンクはブロンドが乱射して警官が現れた、撃つまで待っていたからおとり捜査だと説明

 

ピンクは銃撃戦の末に警官2人を殺して車を奪って逃げた、ホワイトはオレンジを病院に連れて行ってやりたいと言うがピンクは反対し口論から銃を向け合う、そこにブロンドが現れて銃を乱射したことを非難

 

 

ホワイトとブロンドが一触即発となるがピンクが間に入って警察の犬を探すと説得、ブロンドは土産があるとトランクに詰め込んだ若い警官を拉致していた

 

 

おとり捜査だったのかを知ろうと拷問するがそこにエディが到着し、隠したダイヤモンドを取り戻すよう倉庫を出た、倉庫にはブロンドと死にかけのオレンジと警官

 

 

ブロンドは警官をいたぶり耳を切り落とし、ガソリンを浴びせて火を点けようとするがオレンジに射殺されてしまう、オレンジはおとり捜査官だったのだ

 

 

 

 

 

 

《感想》

 

 

オープニングのダイナーでの朝食のシーンで男が6人でマドンナの「ライク・ア・ヴァージン」の歌を巡って討論しているんです、それがまたくだらない討論で笑えます

 

 

直訳は「処女のように」なのですがそれでその意味をみんなで語り合うんです、確かに言われてみればどんな意味か気になりましたがそれを作品のオープニングで何分にも渡って話すことかな?(笑)

 

これが初監督作品のクエンティン・タランティーノなんです、ハーヴェイ・カイテルが製作総指揮を申し出てタランティーノがハリウッドでの本格的なデビューとなりました

 

 

後にタランティーノはマドンナと会う事があって本作でのライク・ア・ヴァージンに対する論争シーンを激怒したそうです、その後は和解したそうですが、マドンナも沸々としてたんでしょうね

 

マンハッタン・ビーチのビデオショップの店員をしていたタランティーノは映画プロデューサーのローレンス・ベンダーに脚本を書く事を勧められて、「トゥルー・ロマンス」と「ナチュラル・ボーン・キラーズ」と本作を書き上げ、本作の資金の為に先に書いた2作を売ったそうです

 

ハーヴェイ・カイテルが演じるホワイトはジョーと長い関係を持つ犯罪者なんですけど、ハリウッド作品には珍しく義理人情に厚い男なんです、重傷のオレンジを気遣うんです

 

 

オレンジを演じるのがティム・ロスで麻薬の売人をしていたがジョーの信用を得て強盗団に入るのですが腹部に銃弾を受けて瀕死の状態となります、しかもジョー逮捕の為の潜入捜査官なんです

 

ピンクを演じるのがスティーヴ・ブシェミでこの人はどんな作品に出ていてもいつも個性的です、本作では裏切り者がいるといち早く気付くキレ者ですが仲間を困惑させる独特の男です

 

一番印象に残ったブロンドを演じるのがマイケル・マドセンでちょっとヤバイ奴なんです、拉致した警官の口を割ろうと拷問して耳を切り落とすんです、そしてガソリンをかけて燃やそうとするんです

 

 

ジョー・キャボットを演じるのがローレンス・ティアニーでエディ・キャボットを演じるのがクリス・ペン、そしてブラウンを演じるのがクエンティン・タランティーノです、ちなみにブルーを演じたエディ・バンカーは小説家でタランティーノが大ファンらしいです

 

 

 

 

 

 

果たして彼らは逃げきれるのか、裏切り者は誰なのか それが『レザボア・ドッグス』です。

 

 

 

 

 

出演しているのは男ばっかりで色気がありません、これがハードボイルドなのかもしれませんが(笑)