『食人族』
1981年 イタリア
《スタッフ&キャスト》
監督 ルッジェロ・デオダート
製作 ジョヴァンニ・マッシーニ
脚本 ジャンフランコ・クレリチ
撮影 セルジオ・ドフィッツィ
音楽 リズ・オルトラーニ
出演 フランチェスカ・シアルディ/ルーカ・バルバレスキ/ロベルト・ケルマン/ペリー・ピルカネン/サルヴァトーレ・ベイジル/リカルド・フュエンテス/ガブリエル・ヨーク/パオロ・パオローニ/ピオ・ディ・サヴォイア/ルイジナ・ロッシ
《解説》
あなた、食べる?食べられる?
アマゾン上流のグリーン・インフェルノと呼ばれる密林地帯に、フェイ、アラン、ジャック、マークの4人の探検隊が消息を絶った、捜査に向かったニューヨーク大学のモンロー教授は、原住民の襲撃や残虐な儀式などを目の当たりにしながら、ある部族に接触 そこで4人の白骨死体と残されたフィルムを発見する、そのフィルムには、ドキュメンタリー制作の為に、密林に入った4人の行動が克明に記録されていた…
「カニバル/世界最後の人喰い族」の成功から5年、再びルッジェロ・デオダート監督が放ったジャングル・モンド映画の決定版、コロンビアとペルーの国境に位置する、文明から遠く離れたレティシアという小さな町で撮影された本作は、人類最後のタブーである人肉食いを正面から取り上げ、そのセンセーショナルな内容から世界中で大ヒット、特に日本では83年の正月映画として封切られた超目玉作「E.T.」に次ぐ記録的な収益を上げた
デオダートがこの作品で追求したのは暴力に対するジャーナリズムの姿勢、但しドキュメンタリー作家ではなく劇映画作家を自認する彼は、従来のヤコペッティ作品のような似非ドキュメントに甘んじるのではなく、撮影クルーの残した遺品から大学教授が撮影隊の消息と彼らがしてきた傍若無人な行いを知るというプロットを持つ劇映画にこの作品を昇華させた
《物語》
ドキュメンタリー作家のアラン・イェーツとスクリプト・ガールのフェイ、カメラマンのジャックとマークの4人がアマゾン上流のグリーン・インフェルノと呼ばれる密林地帯で消息を絶った
その消息不明直前の4人が旅立つ姿をニュースは放送していた、かつてグリーン・インフェルノに挑戦したグループが2組いたが消息不明、しかしアランは自信満々だったがそれが最後でもう2ヶ月になる
ニューヨーク大学とテレビ局が捜査隊を派遣、大学の人類学者のモンロー教授は現地の兵士チャコをガイドに雇い、ヤクモ族の捕虜を道案内に使う、ヤクモ族は木族を恐れ、木族を見た者は生きて帰れないと
モンロー教授たちは運良く4人が通った道を進む そこには4人のガイド、フェリーペの白骨死体があった、チャコはジャングルに詳しいフェリーペが死ぬなんてと不思議に思う
途中、原住民の男が姦通の罪で女を罰する場面に出くわす、女を泥の中で石や木を使って暴行、処罰をして川に流した男の後をつけることにした
そしてヤクモ族の村に辿り着き、捕虜を離して敵意がない事を表し友好の歓迎を受けた、グリーン・インフェルノの奥にはヤクモ族も恐れる木族と沼族の2組の食人族がいた
両者は敵対し、4人はそこを目指していたようだ、チャコは沼族数人を殺して木族に迎え入れられる、村の少女たちに連れて行かれた場所にはアランたち4人の白骨死体が吊り下げられていた
この惨状に4人がどんな罪を犯したのか突き止めたい、学者としての好奇心が頭をもたげたモンロー教授はテープレコーダーを献上して夕食に招かれ、沼族の肉を食べた
信用を得たモンロー教授は残されたアランたち4人のフィルムを調達し、一行は帰国、モンロー教授はテレビ放送の前に試写、そこには想像を絶する光景が映されていた
4人は悪ふざけのシーンが多く、ジャングルの中で食料としてカメを捕まえて解体して食べる様子や、部族の集落に着くと彼らの習慣をフィルムに収め、アランとフェイは部族の前でもセックスに耽る、家畜を射殺したりと悪ふざけはエスカレート
部族の少女を男3人で乱暴をし、部族間の抗争を起こさせる為にヤクモ族の村に行き小屋を焼き払い村を襲撃して焼き殺す、演出としてアランたちが盛り上げようとした行動がエスカレートし、数々の目を覆うような蛮行を繰り返す
ついに暴虐の限りをつくした彼らは囲まれる、密林から次々と現れた原住民によって、4人が狩りだされ、犯され、殺害され食べられる様子が撮影されていた、まさに地獄絵図だった
撮影されたフィルムは焼却されることになった モンロー教授は呟いた、「文明人と食人族、野蛮なのはどっちなんだ!」 試写の後、フィルムは処分されることになった
《感想》
日本では1983年1月に公開されて期待されなかったものの大ヒット!正月映画の大本命の「E.T.」が大混雑で劇場に入れなかった人が本作に流れたとか(笑)、その年の年間第9位の大ヒットなので大したものです
公開当時はドキュメンタリーとして封切られたようです、当時はそんな事も信じちゃう純粋な少年でした、クルーたちがジャングルで住む原住民に友好の証しに人間の肉でもてなされるのは困りますね、食べなきゃならないもん、かと言って虫の料理とかも困るね
元々はウンベルト・レンツィ監督の「怪奇!魔境の裸族」の続編として「カニバル/世界最後の人喰い族」を製作しましたがウンベルト・レンツィが拒否、そこで白羽の矢が立ったのはルッジェロ・デオダート監督、その作品の成功はデオダート監督を後押しし、モンド映画の決定版となった「食人族」を発表する足掛かりを作った
ちなみにウンベルト・レンツィ監督は「食人帝国」や「人喰族」とジャンルを開拓、ゾンビ以外の人喰いはイタリアのお家芸のようでした、ルッジェロ・デオダードは本作で興業面で大成功を収めたが、それ以上に激しい非難を浴び長きに渡ってカニバル監督というレッテルを貼られることになりました
本作は焼却処分を命じられたフィルムが流出したという設定でドキュメンタリー映画風に作られてます、フェイク・ドキュメンタリーやモキュメンタリーと言われるものです
監督は撮影終了後にキャストに身を隠すように指示したので、公開後にこれは殺人映画だと世論が騒ぎ監督は裁判沙汰になったのであわてて隠れていたキャストを捜して潔白を証明したそうです
残酷描写は当時かなり衝撃的!これを本物だと宣伝するなんて当時はなんでもありだったんですね(笑)、有名な女性の串刺しシーンは、自転車のサドルに座った衣装さん、演じるはずだった地元の人が本当に殺されると思って逃げたらしいです(笑)
カップルのアランとフェイによるセックスもポルノばりに盛り上げてくれます、フェイはサービスでよく脱いでくれます、それとも欧米の女性は恋人以外に裸を見られても平気なのかな?
更に劇中で殺された動物もリアルに殺されてます、しかしデオダートは現地人が食べたとクールな回答、でもあの亀の解体や小動物の虐殺はちょっと…
映画のメインキャストにはニューヨークのアクターズ・スタジオに通う無名の俳優たち、イタリア人俳優は英語を話せたのが決め手とか、食人映画は80年代で下火になり90年代では見向きもされなくなりましたが、00年に入り、世界中でカニバル映画のDVDラッシュが始まりました、カニバリズムはタブーですがタブーには好奇心の目が注がれるものですね
人が人を食べる!食人ムービーの金字塔が最高のショックと共に復活! それが『食人族』です。
多分、一生忘れられない作品だと思います、現在は動物虐待シーンをカットしたバージョンのDVDもあるようですね(^-^)
更に過激な続・裏237号室の『食人族』のレビューはこちらです。























