『オフィシャル・シークレット』
2019年 イギリス・アメリカ
《スタッフ&キャスト》
監督・脚本 ギャビン・フッド
脚本 サラ・バーンスタイン/グレゴリー・バーンスタイン
撮影 フロリアン・ホーフマイスター
音楽 ポール・ヘプカー/マーク・キリアン
出演 キーラ・ナイトレイ/マット・スミス/マシュー・グード/リス・エバンス/アダム・バクリ/レイフ・ファインズ/コンリース・ヒル/インディラ・バルマ/ジェレミー・ノーサム/ジョン・ヘファーソン/マイアンナ・バーリング/ハティ・モラハン
《解説》
国家の嘘を暴く
イラク戦争開戦前夜に英米政府を揺るがせた告発事件を、キーラ・ナイトレイ主演で映画化したポリティカルサスペンス、弁護士エマーソン役に名優レイフ・ファインズ、記者ブライト役にマット・スミス
ひとりの女性の告発が多くの勇気と行動を生み出した現象は、いまなお現代社会への警鐘となり続ける、社会派作品を世に送り続けるギャビン・フッド監督が、後にキャサリン・ガン事件として大きな政治問題となった実話をそれぞれの当事者の立場から描き、サスペンスタッチで心揺さぶる人間ドラマに仕上げた
《物語》
2004年2月25日ロンドン、キャサリン・テレサ・ガンは1989年公務秘密法第1条第1項に違反した罪で起訴された、違法と承知の上で最高機密情報を故意に開示したものである
2003年イギリス・チェルトナム、キャサリンはトニー・ブレア首相がイラクのフセイン大統領による大量破壊兵器による脅威を訴えるが事実を捻じ曲げて嘘をついていると憤る
キャサリンはGCHQ(英国諜報機関政府通信本部)に勤務、その仕事では外交機密を知る立場にあり、イギリスとアメリカがイラクと戦争をしたいが為に目的に有利な結果をもたらす情報の取得を望み票を操作しているというメールの存在を知る
安保理代表を盗聴、アメリカのパウエル国務長官が理事国の前で演説し、非常任理事国が戦争への支持の動向を探り、それにより小国を脅す気だ
アメリカ大統領ジョージ・W・ブッシュはサダム・フセインの危険性とアルカイダとの関係を強調するがキャサリンは関係を裏付ける証拠はない、フセインは独裁者だが世俗主義者だ
自分の脅威になるアルカイダを支援するはずがない、キャサリンはテレビに怒りをぶつける、ブッシュは9.11以降、考えは激変した、更なる脅威から国民を守ると会見を終えた
キャサリンはジャスミンに連絡を取る、ジャスミンは相談を聞きGCHQは辞め時では?まだ良心が残っているうちに、反戦活動をしているジャスミンは政府にマークされている人物でキャサリンはメールのコピーをジャスミンに託すので、それを記者に渡してほしいと頼む
最高機密の書かれたメールをキャサリンは自分のファイルに移してプリントアウトし、それを家に持ち帰って夜に外に出てポストに投函してジャスミンに託した
ロンドンのオブザーバー紙のマーティンは反戦を記事にしようとするも上司には戦争支持でフセインを悪とする記事を書けと叱咤される、マーティンはイボンヌという女性に地下駐車場に呼び出されてキャサリンの手紙を見せられる
マーティンは同僚のピーターに相談、それが本物なら所持だけで刑務所行き、ピーターは手紙を専門家のポールに見てもらい、手紙はNSA(国家安全保障局)のフランク・コーザのものと断定
2週間後に記事となるもキャサリンは同僚らが疑われる事に罪の意識を感じ、自分がリークしたと名乗り出るが告発も空しくイラク侵攻は開始されて戦争勃発、彼女は起訴されてしまう
《感想》
もし自分がキャサリンの立場だったら同じ事が出来たかと問われると無理でしょうね、それに自分の行動で戦争が止められるとは思わないですもん
もちろんおいらは戦争反対の立場です、それはやはり日本人である事が大きいかも、子供の頃からの教育で戦争反対の教えを受けてますからね
それに比べてイギリスは世界中に植民地による支配をしていたし、アメリカも正義の名の下に戦争をする国家ですから、日本とは根本的に違うと思います
当時のイラク戦争もテレビのニュースで見てましたが、ブッシュが同時多発テロの復讐のようなイメージで反対する国連を無視してイラクに大量破壊兵器があると言い張って戦争をした記憶があります、結果的に大量破壊兵器はなかったですけどね
アメリカとイギリスはイラクに対して勝ったから正義なのでしょうね、戦争は勝った方が正義となる無茶苦茶なもので戦争自体が悪だと思ってます
まあイラク戦争の前にイラクはクェートに侵攻して湾岸戦争が始まったので、アメリカとイギリスはそれもあってイラクをこてんぱんに攻撃したかったのかも、それにフセインやその息子による粛清なんかも聞きましたしね
キャサリン・ガンはイギリス生まれで台湾育ち、その後に日本へ留学して広島で英語教師をしていた時に戦争と原爆の恐ろしさを知ったそうです、本作でもキャサリンがリークした犯人捜しで日本にいた時に戦争反対の意識を植え付けられたのではと質問されています
このキャサリンを演じるのがキーラ・ナイトレイでその信念の強い女性を演じきっています、欧米の女性って強いイメージがありましたが、キャサリンは自問自答しながら恐れながらリークしました
それが新聞に載った時もGCHQの職員全員が調べられて個別に質問される日々が続くのですがそれに耐えられなくなって名乗り出るんです、もちろん国家反逆罪となるくらいの事をしてますからね
ここから弁護士を雇ったり、裁判となったり、アメリカとイギリスが不当な戦争をしたと証明しなければならないんです、とにかく相手は大きな国家なので一筋縄ではいきませんが裁判は奇跡のようでした
ラク戦争を止めようとしたある女性の衝撃の実話 それが『オフィシャル・シークレット』です。
国家のトップが戦争をしたいって国が違えば考え方も全然違いますね、日本は絶対に反対なのにね














