悪魔のいけにえ | 続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

続・237号室 無事是A級からZ級映画列伝

タカによるA級からZ級映画まで、榮級は絢爛豪華な超大作、美級は美しい女優や映像美、死級は禍々しい阿鼻叫喚、出級はあのスターの意外な出演作、イイ級は耽美なエロティシズム、Z級は史上最悪なクソ映画、その全てをレビューと少しの競馬予想と日常の出来事

 

 

 

 

 

『悪魔のいけにえ』





1974年 アメリカ






《スタッフ&キャスト》


製作 ジェイ・パースレー

製作・監督・脚本・音楽 トビー・フーパー

脚本 キム・ヘンケル

撮影 ダニエル・パール

音楽 ウェイン・ベル



出演 マリリン・バーンズ/アレン・ダンジガー/ポール・A・パーテイン/ウィリアム・ヴェイル/デミー・マクミン/エドウィン・ニール/ジム・シードウ/ガンナー・ハンセン/ジョン・デュガン






《解説》


不気味な自動のこぎりが唸る、想像を絶するこの大虐殺を全編正視できるか!

“史上、最も恐い映画”として、製作から40年以上を経た現在もなお、カルトな人気を誇る歴史的名作

ホラー映画の枠を越え、様々なジャンルの作品に多大な影響を与え続ける本作は、ニューヨーク近代美術館にフィルムが所蔵されている、ホラー映画の金字塔

トビー・フーパーの衝撃的デビュー作、グロテスクかつ深遠な恐怖描写の連続で大ヒットした、モデルは「サイコ」と同じ、ウィンコンシンに実在した殺人鬼エド・ゲイン





《物語》


1973年8月18日、真夏のテキサスをワゴン車でドライブ旅行する、サリー、フランクリン、ジェリー、カーク、パム、5人の若者たち、5人はサリーと彼女の兄で足が不自由なフランクリンが幼少期を過ごした屋敷に立ち寄る予定だった



途中、ヒッチハイカーを拾う、なんだか不気味で変な男 最初は他愛のない会話をしていたが豹変、自分の手のひらを切り、フランクリンの腕を切った、ヒッチハイカーを引きずり出し発車するワゴン車、ボディ横には男の血がべっとりとついていた




道々で、ガソリンスタンドが無くガス欠になりながらも目的地の屋敷に到着、廃墟となっている屋敷を探検、カークとパムは屋敷の裏に人が住んでいそうな屋敷を見つける、カークはガソリンをわけてもらおうと中に入る




呼び掛けても反応がない、奥に入ったところ、人間の皮の面をかぶり、屠殺用の白いエプロンを着けた大男が現れ、鉄槌でカークの頭を一撃、失神し痙攣を起こすカークに二度、三度と鉄槌を振り下ろす

外で待っていたパム、呼んでも反応がないのでパムも屋敷の中へ、奥の部屋へ入ると躓いて転んでしまった




そこには鳥籠に入った鶏、骨で作ったらしい家具、動物の剥製、その異様な光景にパムは息苦しくなり慌てて部屋から出た



パニック状態になったパムは屋敷を出ようとするが、奥から大男が現れてパムを捕まえる、食肉をぶら下げるフックにパムを刺し、ぶら下げた、そして大男はチェーンソーでカークを切り刻んだ




2人を探しにやってきたジェリー、屋敷を見つけると中へ、そこで箱の中で痙攣するパムを発見、後ろから大男が現れ、鉄槌でジェリーを殴り倒す

 




夜になり戻らない3人を心配するサリーとフランクリン、喧嘩しながらもサリーはフランクリンの乗った車椅子を押しながら探しに行く


森に入り、探すが微かな物音が…、フランクリンがストップと言った瞬間!チェーンソーを持った大男がフランクリンに切りかかる、チェーンソーで惨殺されたフランクリン、絶叫しながら逃げるサリー




森の中を木々を避けながら逃げるサリー、すぐ後ろを追い掛けてくる大男、一軒の屋敷に助けを求めるが、そこにはミイラが2体、屋敷の2階から飛び降りて逃げるサリー




間一髪のところでお店に逃げ込んだ、実はそこの主人もグル、サリーを殴りズタ袋に入れて屋敷に運ぶ、途中であのヒッチハイカーも合流 ミイラのじいさんも含めて殺人一家だった



サリーは椅子に縛り付けられる、部屋の中は人骨で作られた装飾品が並んでいる、サリーは指を切られてミイラのじいさんに血を吸われる サリーは意識を失った




次にサリーが気がついた時には晩餐会、泣き叫ぶサリー テーブルには人肉ソーセージ、殺人を楽しむ変態家族




縄を解かれ今にも殺されそうという時に隙をみて逃げ出した、外は夜が明けて朝靄がかかっている




屋敷からふらつきながら逃げるが、ヒッチハイカーと大男が追い掛けててくる、ナイフで逃げるサリーを切りながら追い掛け弄ぶヒッチハイカー



そこに通りがかったトレーラー、サリーに気をとられていたヒッチハイカーはトレーラーに轢かれてしまう

大男がチェーンソーで追い掛けてくる、サリーはトレーラーの運転手に助けられ一緒に逃げ、そこにピックアップトラックが通りがかりサリーは荷台に飛び乗り逃げる





サリーの悲鳴は狂喜の笑い声に変わる、朝焼けにレザーフェイスのチェーンソーが響き渡る…








《感想》


この映画が1番恐いと言う人も少なくないと思います、もう何もかも恐ろしいです、殺伐としたアメリカのハイウェイに狂気の変態家族



しかし低予算のため、特殊メイクでリアルに大虐殺を見せるわけではないですが、レザーフェイスの迫力と、たたみかける演出で息をつかせません




マイナーから出自したトビー・フーパーは、この強烈なデビュー作1本でハリウッド入りをはたしてしまったのだから凄いという他はないです、本当に自主製作のような撮影現場ですね



前半のヒッチハイカーがちょっと頭のおかしい奴が現れて、この先どうなるの?って思ってたらその後に皮の仮面を着けた大男がカークを一撃で倒して痙攣を起こすシーンはゾクっとしましたよ

パムが屋敷に入るシーンは最初から怖いですね ブランコから地を這うようなカメラワークは不安をあおります、それにいざレザーフェイスが出てきた時の迫力は凄いです、それにパムを動物を掛けるフックに簡単に掛けたりと尋常じゃないよ




レザーフェイスがチェーンソーでフランクリンを切り刻み、サリーを追い掛け回すシーンはどんなホラー映画の同じシーンでも迫力が違います まるでドキュメンタリーを観ているかのような迫力!どんな映画もこの追い掛けるシーンにはかないません




レザーフェイスを演じるガンナー・ハンセンの凄いこと!、強烈なインパクトを残す一世一代の熱演です、彼じゃなきゃ成立しないくらいの迫力ですよ



ラストの血まみれのサリーも迫力満点、生きるか死ぬかの瀬戸際のギリギリの状況を全身で表しています、後ろから切り付けられても生きる執念で走るのですがギリギリのところで助けられるんですけど、それは絶望的な恐怖

この殺人一家の長老の不気味なこと、ほとんどミイラ化してるんですけど血を吸ったり金槌でサリーを殴ったりと生きている証明を見せます



恐怖にカッと見開いたサリーの瞳孔をアップで追うシーンや、オープニングでの墓荒らしにあった人骨など、それだけでショックです、最初からジワジワと迫ってきます、かなり追い詰められたでしょうね



また朝日を浴びながらレザーフェイスがチェーンソーを振り回すラストも目に焼き付いて離れない、これはもうサイコーです!





人骨で家具を、人肉でソーセージを作りつづけた、テキサスの狂人一家!アメリカを震撼させた実在の猟奇殺人事件を映画化したホラー映画の金字塔!! それが『悪魔のいけにえ』です。





DVDはスペシャル・エディションが発売、ちなみに「悪魔のいけにえ2」も完全版が発売、ほんとに「悪魔のいけにえ」はLDも持ってますよ(笑) メーカーにうまく操られてます(笑) 、もう何種類買った事か?