通常の商品と異なり、保険商品は発売してから徐々にその原価がわかる仕組みになっています。
一応、それを予測して純保険料という形で設定しているわけですが、この予測が当たったか外れたか、外れた時に利益の方向か損失の方向か、というのがわかるのは遠い将来。
だから、商品を開発し、発売する時点の経営者は、いい加減な判断をする人が多い。
どうせ、それがわかるころには、自分は会社にいないでしょうから。
商品開発者も、実際は答えがわかるころにはいない可能性が高いけど、商品開発者の倫理として、いかにその価格が妥当かを日々研究していかないといけない。
保険の難しいところは、売り方によっても原価が変わること。
今年初めのコロナの大流行時、コロナ保険が話題にあがっていたが、コロナに関心のある人に積極的に保険を勧めている会社もあった。
最近は、話題にならないのは、コロナの新規感染者数が減少してきたから(といっても東京ではまだ1日1000人以上発生しているが)、というのもあるけど、コロナの保障を売りに積極的に売ってきたために、コロナの感染率が、当初の予定はもとより、国民全体のそれよりも大きくなってしまった、というのがあるのだと思います。
つまり、コロナに関心がある人は、コロナに感染するリスクが高い人の可能性が高く、その結果、コロナ感染者数が想定を大きく上回って純保険料を超過してしまった。
もしコロナに関心のあまりない人に売っていれば、感染者数も想定以内だったでしょうけど、コロナに関心のある人に積極的に売ったことで、保険の原価が上がってしまったということ。
商品開発者の視点では、商品開発だけで見るのではなく、マーケティング戦略もセットに考えないといけない。
この点を理解できている人が、商品開発者にすら少ない気がする。
この視点があれば、マーケティング戦略の危険性に気づくこともできるでしょうし、リスク管理の一環に商品開発とマーケティング戦略をセットで含めることもできるのだと思う。