たまには、保険会社の人間だということをアピールしたいと思います。
医療保険の負債の評価は、意外といやらしいですよね。
議論を簡単にするために、入院給付のみに特化して議論しますが、
入院給付に対する負債は、つぎの3つから成り立ちます。
① 入院をしていない人が、今後、保険期間満了までに入院給付金を支払う可能性に対する責任準備金
② 入院をしている人が、会社に通知しないでいることに対するIBNR備金(既発生未報告備金)
③ 退院した人が、まだ会社に通知していないことに対するIBNR備金
④ 会社に通知したことに対する支払備金
日本の生命保険会社の責任準備金は、①と②を含めることが多いです(②の部分を入院Vと呼んだりします)。
したがって、IBNR備金の対象は、退院した人のみが対象。
損保の場合は、責任準備金は①で、②と③はIBNR備金として積んでいて、統計的手法を使って評価していることが多いと思います。
ここで注意が必要なのは、責任準備金の対象が①だけなのか、②も含めるのか、でIBNR備金の考え方も変わるということ。
最近、責任準備金の対象を①だけにしている日本の生保があると聞いたことがあるので、もしそうだとすると、②をIBNR備金に入れないと、負債が不足することになる。
この辺、きちんとやっているのだろうか?というのが、この話を聞いたときの感想。
もう一つ、複数の会計制度で決算をしないといけない会社があるが(外資系は大体そう)、この場合、海外の会計制度における責任準備金の対象を意識しないと、やはり負債が不足することになる。
IBNRを日本の会計制度のものをそのまま使っている会社も多いと思うので、この事象が起きているのではないかな。
あまり深く考えずにやってしまうことが多いので、たまには、今の負債の評価に漏れがないかを確認するのは、大事かなって思います。