大槻ケンヂさんの本を読んでいて、末井昭さんという方の本の引用が頭から離れなくなったことがある。


表現したいものやオリジナリティなんて本当はなくて、自分を表現したいという欲求があるだけなのだ、ということがおぼろげながら分ってきた。


素敵なダイナマイトスキャンダル 末井昭著 より引用


末井昭さんの本は、赤裸々に語りすぎて、痛くなる。ここまで自分をさらけ出さなきゃ物は書いちゃいけないのかと思わされる。

母親が愛人とダイナマイト心中したエピソードも凄いのだが、それを周りの人から、「それが君の売り物なんだね」と言われて、しばらくこのエピソードが話せなくなってしまった話。
これは『自殺』という本に出てくる。

人には多かれ少なかれコンプレックスというものがあると思うが、それを簡単に否定されてしまってしばらく誰にも言えなくなってしまったという話。

末井昭さんの『結婚』という本には昨日亡くなられたラッパーECDさんの奥さん、植本一子さんとの対談が載っている。

みんな自分の恋愛を美化することなく、痛々しいまでに告白し続ける。
(痛々しいまでに告白し続けることが本人たちにとっての美学なのかもしれないが)

僕はECDさんのラップを聴いたことはないけれど、亡くなったニュースを見て、末井昭さんの『結婚』という本を思い出した。

こういう本があると語り継ぐことだけなら僕にもできるかもしれない。ニコジョッキーで『エル・カブキの活字UZI、ではなく活字ヤク中』という番組をやっていることが役に立てればと思った次第。