唖然とした。

正直、これだけ唖然としたのは何年ぶりかというくらい・・・


その正体はつぐみの言葉。


そのお金で私を買ってよ。


俺は言葉も見つからずただただ
言葉を見つけられないままでいた。



だって、人に託して夢を買う位なら
私を買った方が絶対お得だと思うんだけど。



俺は考えもロクに纏らないのにこう答えた。


そうだな。お前の言う通りかもな


じゃあ、そうしよう


チョット待て。ちょっと待て。


これでは、いつものパターンだ。つぐみの前だと
いつもアイツのペースになってしまう。


何を待つのよ。


イラついた感じで彼女はそう言った。



確かにいい考えだと言ったけど仮定での話だろ。
それにお前はこれから結婚する身なんだぞ。




あ~


あれウソ。


はぁ?何言ってんだ。お前は?


だからウソなの。


それからつぐみは話をやめた。


結婚がウソだとは思えない。
俺にあって可哀想とか、一人にしておけないとか
そんな気持ちになってしまった事は俺が一番理解している。


つぐみ

ゴメン。この金もうチョット持っててくれ。
それと万券一枚貸してくれ。



なんで?



たまに出てきたんだママの店に
顏出していくよ。


俺、金あるんだけど金がないんだよ。

といい、通帳を手渡した。


病院は大丈夫なの?


ここまで来たら一緒だろ。
何かあれば誰かが血相を抱えて飛んでくるよ。



そうだね。


そういうと二人はママの店へと歩きだした。


しかしそこであんな事になるとは・・・


人間は怖いもんだと思い知らされることになる。