そういう目をしないでくれ。
頼むよ。勘弁してくれ。
そんな気持ちで俺は、つぐみを見ていた。
何で一人で帰らなきゃいけないの?
当たり前だろ。俺といてもロクな事はない。
それにお前は結婚するんだろ。誰かに見られた・・
なにそれ。つまんない言い訳して
言い訳?
そうでしょ。私が結婚するって言ったから
拗ねているだけのことでしょ。
拗ねてなんかいないよ。しょうがない事だよ。
HIROTOがさ、結婚しないでくれ~って言えば
結婚辞めてもいいよ。
はぁ~?
だから、辞めてくれって言えば辞めてもいいよ。
なんだよそれ。結婚ってそんな簡単なもんじゃないだろ。
それはそうだよ。だけど久しぶりに会って
やっぱりHIROTOは私がいないとダメなんだと思ったんだよ。
大丈夫だよ。黙って結婚しろ。その方が、つぐみの為だ。
俺の事は大丈夫だから。仏心なんて出すなよ。自分の幸せ
だけ考えていけばいいんだよ。
なにそれ。ホントにバカだね。もう話にならないくらいの
お子様でダメだ。そのお金はどうするつもりなの?
これか。これは使い道があるんだ。っていうか俺が
直接使うわけじゃないんだけど。俺の夢を託すって感じかな。
夢を託す。何、言ってんの。夢は自分で掴むんでしょ。
人様にお金を渡して相手があなたの夢を叶えてくれると
本気で思っているんなら、それこそ仏心より人がいいよ。
そうかもな。
昔、言ってたよね・・・
HIROTOがさ。みんな幸せになればいいなぁって。
ああ。
じゃあ、こうしてよ。
その後、思いもいない事を、つぐみが言いだした。
俺はただただ、唖然とする事となる。