こんな時世で、多くの人が信じていたものを失う不安と
社会への不信を抱く中で、
もしかしたら正気と狂気の狭間を行き来している人も
いるかも知れない。
人間を客観的に扱う学問と、自らが持つ本能的な感覚で、
感じようとするほどに、困難さが増幅していってしまうのが
人の心。
心の変調から人が狂気を帯びる状況は、信じたくない瞬間
でもあり、私たちに突きつけられる刃にも等しい。
私たちは人と心とを分けて観る訓練を受けて来る。
もちろんそんな私たちも白衣を脱げば心を宿した同じ人間。
どんな状況下にあっても冷静さを保つよう、
習慣づけられているが、もっともそんな私たちこそが
狂っているのではないかと思うことさえある。
日常の中にある常識の通用しない数多くの場面で、
可能性あるものと、可能性のわずかなものとを瞬時に
見極める判断を迫られる。
線引きなどできない。
しかし、自らの判断で線を引かねばならない。
多くの人たちの念が自分に降りかかってくるのを強く感じる。
外来に来られる人たちは、そういう意味では
私のことを神とも悪魔とも見るに違いない。
正気と狂気との違いは?
そう問われて解答がすぐに思いつく人はどれほどいるだろうか。
LUKE