6月6日のファイトナイト・ラスベガス28、メインイベントはジャルジーニョ・ホーゼンストライク対アウグスト・サカイのヘビー級対決であった。正直、ホーゼンストライク選手の勝利は堅いというのが私の予想だった。アウグスト・サカイ選手は得意技が存在せず、ただデカイという印象。打撃力で上回るホーゼンストライク選手にはなすすべない。
そしてこの日系ブラジル人最大の特徴は、垂れ下がったお腹。トランクスから余裕ではみ出しており、ヘビー級とはいえスポーツマンの域を遥かに逸脱している。
UFCヘビー級は、上位陣とそれ以外の差がひどい。アウグスト・サカイ選手は明らかに後者グループであり、この弛緩したデブはキックボクシング出身のホーゼンストライク選手にホーゼンストライクされ、早々に睡眠するだろう。
だが試合前日の計量で異変が起きた。
サカイ選手の波打つ腹は、バキバキとはいわないまでも、しっかりと仕上げられた男のそれに変貌していたのだ!
こ、これは?!
生まれ変わった男。心なしか顔つきも精悍に見える。
そして翌日。
大番狂わせの空気をはらんだUFCファイトナイト28。
メインイベントに登場したアウグスト・サカイ選手は……
特に何もせずホーゼンストライク選手の豪腕に沈んだ。 †