◎Krush.121観戦② | DOCROMANCE - EKPUAのブログ

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 全体的に低調だった今回のKrush。何故かというとカードがショボイからというのは一因としてあると思う。まあ翌日に開催が予定されていたK’FESTAにつぎ込んだ感じなので仕方がないところだが、そのK’FESTAがコロナで延期という事態。じゃあその穴、喪失感を埋めてくれたのかというと、全くそうはならなかったのが今回のKrush.121であった。まあ繰り返しになりますが、カードの質が全然違いますからね。

 

 とはいえ、どうせ勝った方も野杁やピケオー、近藤魁成には半殺しにされるんでしょと冷めた目で見られたメインと異なり、K-1級のカードもあるにはあった今大会。それが壬生狼一輝対松本日向の一戦だった。

 

 ところがこの試合、判定が議論を呼ぶ結果に。2-0で壬生狼選手に凱歌があがったものの、ファンの間では「壬生狼が勝った」「ドローで延長でもいいのでは」「松本が勝ったと思った」など様々な意見が。更に解説席のK-1エヴァンジェリスト石川直生さんはあからさまに不審を表明。私自身は3R終了時に、「壬生狼か、延長もあるかな……」くらいに思っていたので、判定はしっくりきたのだが……

 

 というわけで、今回はこの試合を振り返っていく。

 

 1R、二人とも軽量級らしく、細かく動く。身体は松本選手の方がひとまわり太い。松本選手は右ロー、壬生狼選手はカーフ気味の低いローを出していく。開始後1分ほどで、オーソドックス同士には珍しい右下段蹴りでのローブローが松本選手にあり。壬生狼選手はすぐ回復する。松本選手は右のローとハイをバランスよく放つが、左フックからのローキックに合わせて壬生狼選手の右ストレート。ガツンと当たりダウンに見えたが、芦澤レフェリーはスリップ判定。ここら辺、蹴りを放ち片足立ちになった際に攻撃を受けて倒れた場合、ダウンかスリップかは判断基準が存在せず、また判断基準を設けようがないので、自然、レフェリーの胸一つとなる。

以降、近距離での打ち合いが増えるが、攻撃を当てているのは壬生狼選手。ただ、軽いのでダメージは全くない様子だ。残り30秒、松本選手が珍しい上段横蹴りで壬生狼選手を吹っ飛ばす。松本選手は右ロー、壬生狼選手はカーフキックがいい攻撃で、それ以外には相手にダメージを蓄積させることができていない。松本選手はミドルキックがいいファイターというイメージだったが、1回出した(それには右を合わせられていた)以外には全く見られない。どうしたのか。

 

 2R、松本選手は強いローを打っていく。スピードも伴い威力がありそうだ。面倒に感じたのか壬生狼選手が間合いを詰め始めるが、クリンチなどでいまいちかみ合わないまま残り20秒ほどで互いに打ち合う。やや壬生狼選手のパンチが当たったところでゴング。解説のエヴァンジェリスト石川さんは「後半松本選手が若干」と不可解なコメント。

 

 3R、両選手が場内を煽る中ゴング。残り1分半で壬生狼選手が後ろ回し蹴りを出すまで両社クリーンヒットはなく、判定の雰囲気が立ちこめる。ここから互いに打ち合うが、松本選手は顔面への被弾とクリンチがやや目立つ。終了のゴングが鳴ると、石川さんは「攻撃をもらわなかったのは松本選手、壬生狼選手は攻撃を受ける場面が多かった」と再び不可解なコメント。判定を振られたゲスト解説の佐々木大蔵は「難しいですね」と答えを言わない。これはしょっぱいと思った。

 

ジャッジ岡田 30-30

ジャッジ豊永 30-29 壬生狼

ジャッジ太田 30-27 壬生狼

 

 太田氏は異常な点差をつけているが、1Rのあれをダウンと判定してのポイントと思われる。レフェリーの判断は完全無視の採点であり、果たしてOKなのだろうかと疑問に思わなくもないが、それがなくとも1ポイント差で壬生狼選手というジャッジを下した。橋本藤田戦の不可解ジャッジが記憶に新しい岡田氏はドロー、豊永氏は1ポイント差で壬生狼選手を支持。石川さんは「ちょっとびっくりしましたちょっとびっくりしました松本選手はダメージを食らう場面なかった」と発言。まあ大きなダメージがなかったというのはその通りだと思うが……

 

 再び観てみても、やはり壬生狼選手というのが私の正直な感想。1Rのダウンと3Rのパンチのヒット数で差が出たと思う。最悪ドローという感じ。松本選手が勝った要素はないですね。壬生狼勝利の判定が妥当だと思うが、元プロである石川さんの見解をみてもわかるように、倒せないとどういう判定をされるのかわからないのが格闘技の闇。まだ10代で身体ができあがってはいないのか、倒すパワーは壬生狼選手にはないと思うし、しばらくはその状態が続くと思う。かなりの逸材なのは間違いないと思うので、年月の推移に期待したい。 †