今日は、緑桜会 の稽古会でした。
緑桜会は、能楽師の山村庸子先生が主宰されていて、謡やお仕舞いを学ぶ場です。
私も去年まで数年間学び続けていたのですが、今ちょっと仕事がいそがしくて
お休みしていますが、今日、久しぶりに謡の声を沢山聴かせていただいて、
感じたことがありました。
謡は、Being(あり方)の芸術なのだ。
謡は、たとえば旅の僧侶が梅の花を愛でているとか、
そういったほんの一瞬のシーンを描いていることが多く、
淡々と情景を描き、感情表現の言葉はあまり入りません。
謡は肚から声を出すのが基本です。
そして、声で演技はしないのです。
悲しいシーンを悲しそうに謡うのが上手な方もいらっしゃるのですが、
あまりに悲し気だと先生から「やり過ぎ」と注意されるくらいです。
では、気持ちの表現はどうするか?
心で、その気持になったまま、淡々と謡うように教えられます。
肚から声が出ていれば、気持ちはその声にのるから、だそうです。
だから謡は、Being(あり方)の芸術なのだ、と今日感じました。
Doing(行動)で表現したり伝えたりするのではなく、Being。
おまけ情報ですが、謡の声をずっと聴いていると、気持ち良いのです。
何か、振動数が高いのだろうか、身体が調整される気がします。
今日は、そんなことを感じた一日でした。