スタートアップネーション:イスラエル | コーチが聴く!自分で地図を描く人たちの知恵

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イスラエル紀行3回目。
今日は経済についてです。

面積は四国と同じくらい。人口850万人。
その小さな国で、1年に1000社以上の起業があるそうなのです。
「8時間に1社は起業している計算」と言われ、そのすごさを実感します。
どんどん会社を興している、その勢いはどこからくるのか?
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それは、人々の気概と国の支援からでした。
ベンチャー企業の社長も、国の大臣クラスの方々も、口を揃えておっしゃっていたのが
「リスクはいいもの!」「失敗したことのない人は信用できない」 だったのです。
失敗大歓迎!の心意気。
イスラエルでは、過去に3回や4回会社をつぶした経験があるのが当たり前。
そうでなければ”チャレンジしない人”とみなされて信用されないのですって。
国家も、失敗前提で起業を支援しています。
国の役人さんが「リスクはいいもの!」と、”当然でしょう!”と言わんばかりに語る姿は驚きでした。

若者は18歳で兵役に従事し、成績優秀な人たちは8200部隊(情報戦略を担当する)に配属されて、最前線の情報技術を学びます。
退役後、その技術を活かして起業することが認められていて、軍事技術と民間のアイディアが相乗効果で発展していく土壌もあります。

「リスクはいいもの!」「失敗大歓迎」の考え方は、子どもの教育にも当然活かされているそうで、この心意気が国を支えているのです。

イスラエルはユダヤ人国家です。
建国は1948年で、国としての歴史は100年に届きません。
ユダヤ人の歴史は、国を追われて世界中に小さなグループで移住し、いつかは祖国でみなで暮らす!と心に決めて生きてきた苦難の生活の記録です。
どれだけの困難とリスクを乗り越えてきたのか、私には想像もできないほどです。
でもその国民としての共通の記憶が、国を挙げて前に進むエネルギーになっているのも感じられます。

中東の国々の関係には、いまだ難しいものがあります。
とはいえ、イスラエルの勢い。
スタートアップネーションからスケールアップネーションへと、成長にはずみをつけようとしています。
日本には日本のよさがあるとはいえ、失敗を怖れる空気や勝ち組と負け組に分ける考え方など、明日を担う子どもたちに受け渡したくないものもあるなぁと、しみじみ思いました。

世界に学び、自らを変えていく。
今いるところで、私たち大人にできることは沢山ありそうですね。