「エネファームを導入しているが、最近ガス代がすごく高くなった

何かいい方法を提案してほしい。」

とお問い合わせを頂きました。

 

太陽光発電も10年前に設置し、今年卒FITを迎えます。

プロパンガスと電気の契約をしている方です。

 

今回はこのお問い合わせに対して徹底解説していきます。

 

ネタバレ

卒FIT太陽光発電を利用したエコキュートがお得です。

合わせて、災害対策にプロパンガスはコンロだけ利用としました。

 

 

 

こんにちは、成功電気の今井です。

愛知県北名古屋市(2022年名古屋市に引っ越しました)

で住宅の電気設計を20年ほど続けています。
主に住宅の蓄電池、太陽光発電、V2Hやスマートホームの

設計施工を500件以上実施しています。

 

 

 

もくじ

住宅におけるエネルギーの種類

2022年のエネルギー環境

設備機器の組合せ

まとめ

 

 

 

住宅におけるエネルギーの種類

 

 

 

住宅で利用可能なエネルギーは多種多様ですが、一般的な中では

電気です。

日本全国に送電事業者が9電力あり、現在では様々な電力小売業者を選べます。

また、近年では太陽光発電を家に設置することで、電気を自分で発電して使うことも可能です。

 

ガス

大きく分けて、都市ガスとプロパンガスに分かれます。

人口密度が高い地域は都市ガスで、ガス管がつながってお値打ちにガスを利用できます。

人口密度の低い地域はプロパンガスで、ボンベを家の外に設置します。都市ガスと比較すると割高です。

 

 

 

2022年のエネルギー環境

 

2022年8月現在、大きく2つの問題でエネルギーが高騰しています。

 

1つ目

ロシアウクライナ戦争や環境対策などの影響により、天然ガスや石油の価格が上昇しています。

例えば

天然ガスのスポット価格(USドル/百万BTU)は2018年から2020年ごろまで2ドルから3ドルで推移

2021年後半から4ドルを突破し、2022年5月に8ドルまで上昇しています。

 

2つ目

円安の影響により、海外から輸入するコストが上昇しています。

2019年1ドル110円前後を推移していましたが、2022年8月13日現在では136円となっています。

 

上記の原因から、例えば中部電力ミライズの燃料調整費は

1トン当たり2019年3万円前後だった天然ガスが現在では10万円前後となり、3倍以上の価格上昇となっています。

 

 

 

 

設備機器の組合せ

 

エネファーム

エネファーム(燃料電池)は、ガスから水素を取出し酸素と化学反応させ水を作る際に出る熱エネルギーと電気エネルギーを利用するコージェネレーションシステムです。

 

ガスが持つエネルギーを効率的に利用できる特徴があります。

 

小型タンクが付いていて、電気の消費タイミング合わせてお湯を作ることが可能です。

 

ガスエネルギーの最大56%を熱に変換させ、39%を電気に変換できます。

ガスは使えば使うほど単価が安くなる契約が多く、特にエネファームを設置した場合

都市ガスでは単価227円/m3が116.51円/m3になります。

 

 

エコキュート

エコキュートは、大気の熱エネルギーを集めて給湯や暖房に利用できる設備です。

 

ヒータと比較して約1/3のエネルギーでお湯を作ることが可能なので、エネルギー単価が3倍になっても

また、お湯を作るのに時間がかかるため、タンクが付いています。

 

そのため、お湯を作る時間を選ぶことができるので

電気代の安い夜にお湯を作っておいたり、太陽光発電が電気を作るタイミングに合わせてお湯を作ったり

といったことが可能です。

 

しかし、太陽光発電は天候の影響を受ける為、一日中雨なら全くお湯を作れなくなります。

その場合は、昼間に買う電気でお湯を作ると割高となってしまうため、前日の夜にお湯を作りたい。

 

そんな要望に応えるのが、HEMSの「ソーラーチャージ」「ソーラーモード」設定です。

日々のお湯の使い方と発電量を学習し、天気予報から翌日の発電量を予測し前日夜にお湯を作る量を決定します。

数年前から発売され、まだ給湯全体の20%前後しか補えませんが

今後、学習能力と太陽光発電の発電量によりもっと多くのお湯を作り出せます。

 

 

太陽光発電

太陽光発電は、太陽光エネルギーを電気に変換できます。

作った電気は、家で使うこともでき、余った電気は売ることもできます。

 

 

余った電気を売るには、2種類あり

1つは固定買取制度を利用して10kw未満なら10年間2022年度は1kwh17円で電力会社が買い取ってくれます。

2つ目は、自由買取として、例えば固定買取10年が過ぎた場合に、2022年では1kwh7円~10円で売れます。

 

 

電気代は2022年現在、燃料調整費と再エネ賦課金を足すと1kwh35円前後となっています。

夜間電力についても25円~28円となっています。

 

購入電気は主に火力発電で作られているため原料エネルギーからの変換効率が悪く、遠方からの送電ロスがあり効率は0.5を下回る。

 

しかし太陽光発電の場合、太陽エネルギーからの変換効率は20%程度と低いが原料を必要としないためいったん設置すれば価格変動の影響を受けません。そのため、インフレや原油高でも発電コストは変わりません。

 

インフレの時は、現金より設備機器の方が価値が高くなるため、省エネ効果が高い設備投資が有利です。
エコキュートは機器代は少し高くエネルギー効率が3倍ある為、燃料費の高騰に強い

エネファーム は機器代は高くエネルギー効率が1に近いためインフレ時で電気単価が割高な場合に有利

 

例えば、エネファームとエコキュートどちらも100円で1エネルギーを出力できたとして、エネルギーが3倍の300円となった場合、

エネルギー単価はエネファームでは3倍となり、エコキュートでは1.67倍となります。

 

エコキュートとエネファームを利用するエネルギー別に比較します。

エネルギーをKW単位に揃え、各設備の変換効率をかけました。そして、各エネルギー単価から割り返し

1KWの給湯能力を何円で作れるかを表記しました。

 

エコキュート 夜間電気    1KW×300% 単価28円 =9.33円/kw

エコキュート 卒FIT電気    1KW×300% 単価8円  =2.67円/kw

エネファーム 都市ガス  11,000kcal/㎥=12.8KW×95% 116.51円/m3=9.58円/kw

エネファーム LPガス   24,000kcal/㎥=27.9KW×95% 660円/m3=24.90円/kw

一般ガス給湯器 都市ガス 11,000kcal/㎥=12.8KW×80% 227円/m3=22.17円/kw

※エネファームLPガスは割安プランの金額が不明なため通常料金で記載

 

まとめ

 

LPガスの地域では、エネファームが明らかに割高になることが分かりました。

ガス単価がエネファームを入れることで半値以下となっても、夜間電気のエコキュートにも及びません。

 

エネルギー価格が高騰し、インフレとなり、円安の現在は

太陽光発電で自家消費することで一番メリットが高くなります。

 

卒FIT太陽光+エコキュート+HEMSがあった場合

9.33円:80% 2.67円:20% として7.464+0.534=約8円

 

月に30㎥のプロパンガスを利用している場合

19800円の使用料金ー8000円の自家消費=11800円 

対 

30×27.9KW=837のうち給湯は50%の420KWhとすると×8円=3360円

となり月8440円の差額となります。年間10万円のメリットが出てきます。

 

10年は機器が持つと考えると100万円程度差額で購入可能であればOKです。

 

 

おわり