最近、蓄電池って停電対策にいいって聞くけど、どうなの?
エネファーム、蓄電池、太陽光発電とのメーカーごとの組合せ最適例を徹底解説


オール電化の方も、TVCMなどで聞き覚えのある言葉と思います。

エネファームとはガス給湯器でありながら、お湯を沸かすときに電気を発電する設備です。
エネファームと蓄電池を繋ぐ場合と、太陽光発電の場合と比較していきます。

 

こんにちは、成功電気の今井です。

愛知県北名古屋市で住宅の電気設計を20年ほど続けています。


主に住宅の蓄電池、太陽光発電、V2Hやスマートホームの

 

設計施工を500件以上実施しています。

 


もくじ

給湯器の種類
 ・エコジョーズ
 ・エコキュート
 ・エネファーム
エネファーム、他機種との違い
各機種の発電量と市場価格
エネファームと太陽光発電は両立できる
エネファームに蓄電池を付けるメリットは?

 

 


1,給湯器の種類


給湯器で似た名前が多いので、まず整理します。

・エコジョーズ
2021年現在、ほとんどのガス給湯器はエコジョーズになってきています。一般的なガス給湯器です。

・エコキュート
電気でお湯を沸かす給湯器です。エアコンと同じ仕組みで一般的には夜間(夜電気代が安くなるプランにして)にお湯を作り、タンクに貯めて必要な時に取り出して使用します。ガス給湯器と比べて給湯コストが安く、機器本体は高額です。

・エネファーム
トヨタのFCV「ミライ」と同じ、「燃料電池」です。

 

発電方法に関して詳しくは下記リンクで確認してください。

 

「コージェネレーション」と呼ばれ、水素と酸素を化学反応させて水を作る際に、電気を発電し、熱も出るので電気と給湯を同時に行います。
発電量を調節するためタンクが付いていて、発電したときにできたお湯を貯めておきます。2021年現在、

パナソニック機は電気を使うときに発電します。

アイシン機は24時間発電し続けます。

双方とも通常時700W発電し、バックアップ給湯器もついているため、万が一故障したりタンクのお湯が切れてもお湯エコキュートのように湯切れせず給湯が可能です。

停電時、

パナソニック機は発電中に停電するか、100Vの電源があればガスから発電をし続け、1時間当たり500W非常用電源になります。

アイシン機は月に一回の停止時間以外は常に発電しているので、タイミング悪く停電しない限り停電時はそのまま1時間当たり700W非常用電源になります。

 

 

2,エネファーム、他機種との違い

電気でお湯を作るエコキュートと、

ガスでお湯を作るエネファームでは、

機能的には全く違うものになります。
エコキュートは電気を作りません。

太陽光発電とはどこが違うの?
太陽光発電は太陽光から発電するため、発電コストはかかりませんが。

エネファームはガスから発電するため、発電時にガス代コストがかかります。
エネファームは給湯機能を兼ねているため、

単純に太陽光発電と比較が難しいですが、

太陽光発電とエネファームの発電量自体大きく差はないので、

エコジョーズと太陽光発電を付けた場合と、

エネファーム単体を付けた場合で比較すると、

単純に設置コストの差になります。

 

とはいえ、太陽光発電は余った電気を電力会社高値で買い取ってくれる制度(固定買取制度FIT法)があるため有利ですね。

 


次に違うのは、発電するタイミングです。


太陽光発電が発電するタイミングは太陽が出ているときだけです。

天候、季節、時間の影響を大きく受けて発電量が変わります。


アイシン機のエネファームは、24時間ずっと発電していますので天候や季節や時間の影響は受けません。



3,各機種の発電量と市場価格

 

・エネファーム パナソニック機  市場価格 90万円~130万円
  0.7KW×7時間×365日=1788KWh
・エネファーム アイシン機  市場価格 150万円~200万円
  0,7KW×24時間×353日=5930KWh
・太陽光発電(5KW) 市場価格 100万円~150万円
  JPEAの年間発電量(愛知県の場合)1095KWh×5KW=5475KWh

※下記に年間発電量の地域別情報が記載されています。
http://www.jpea.gr.jp/pdf/011.pdf


太陽光発電に給湯器のコストをプラスすると、コストメリットもそう変わらなくなります。
では、それぞれに蓄電池を設置した場合は
太陽光発電と蓄電池
時間、季節の影響を多く受ける太陽光発電は、なるべく売電しないように自家消費する容量を計算すると、太陽光発電の発電量が不安定なので蓄電池の容量が大きくなります。


エネファームと蓄電池
アイシン機は24時間発電するので、電気を使用しない時間帯の余った分で蓄電池に充電する計算だと、夜間と昼間の2時間帯となり、蓄電池は小さい容量で1日2回充電して対応が可能。予定通り充放電できるため変動がない。



4,エネファームと太陽光発電は両立できる。


機器の優劣で検討すると、アイシン製のエネファームに軍配が上がるようになってきましたが、コストメリットで考えると一長一短があります。
2021年では、太陽光発電の固定買取制度のダブル発電による買取価格の変動はなくなり、売電するより自家消費、発電した電気を売るよりも使った方がメリットが大きくなりました。
ご自宅で使う電気の量に合わせて、2020年から太陽光発電とエネファームを組み合わせるケースが増えてきました。

ニーズに合わせた組合せをご紹介。
一戸建て住宅を新築するときもしっかり考えることが大切ですし、すでに建っている一戸建て住宅は特に実際にかかっている光熱費が明確です。家族の未来の変化も考え、電気代とガス代の比較や、災害などによる停電対策について検討します。

・築10年以上で停電対策なら
エネファーム(パナソニック機)+蓄電池5.6KWh
給湯器の交換に合わせ、光熱費の削減が可能。(プロパンガスの地域はNG)
停電時、エネファームを蓄電池から始動可能で、エネファームから蓄電池に充電も可能です。
・未来を踏まえた完全装備なら
エネファーム(アイシン機)+太陽光発電3KW+蓄電池12KWh
どんな天候でも、通常時も停電時も、ほぼ心配なく生活可能なシェルターハウスが可能。
将来電気自動車の充電容量も十分賄えます。

太陽光発電、蓄電池、エネファームそれぞれメリットが異なります。今ご使用の電気量とガス量から見比べることをオススメしています。

エネファームに蓄電池を付けるメリットは?
私がおすすめするのは、アイシン機のエネファームと小容量の蓄電池です。ただ通常時、停電時の連系が困難で、うまく接続できる機種は限定されます。
エネファーム以前のエコウィル(ガス発電給湯器)もそうですが、蓄電池との相性が非常に重要です。
どのような蓄電池が合うかお考えの際は、こちらのブログにコメントください。もし、プライバシーの問題があれば、メッセージでご質問頂ければ回答いたします。

 

おわり

 

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