会社移転。
今から6年前、スタッフがまだ5名だった頃。
とても「オフィス」と呼ぶにはためらわれるようなフロアで。
木造のせまいフロアでスタッフがヘッドセットマイクやクラウドネットワークを駆使しながら働く姿は、面接希望者や一般訪問者の目から見ても異様な光景だったと思う。
スタッフも増えてロジスティック機能の見直しもあり、ようやくオフィスらしい場所へ。
そして敬老の日、祖母の墓前で移転の報告。
「見てくれてるかな?」
7年お世話になったシステム会社を辞めて愛媛に戻った時、祖母はまだ認知も進んでなくて元気だった。
「ぼちぼち、おしよ。」
システム会社にいた時と同じペースで働く自分を見て、祖母はよくつぶやいてた。
「6年もかかったけど、ようやく会社らしくなったよ(笑)」
「昨年末、覚悟を決めるほどの経営危機に直面してね。でも乗り越えたから安心して。」
「七海は(ありがとう)を言えるようになったんだ。泰山も来年から小学校だよ」
報告の途中から降りだした雨は優しくて温かい。
「見てくれているよね」
涙を溜めた空が、思わずこぼした祖母の笑顔と重なる。
「色々あるけど絶対に負けないし、みんなを守るからさ。まぁ上からしっかり見ててよ。」
樫の木は向かい風によって強く育ち
ダイヤモンドは高い圧力によって生まれるように。
これからもタフなマインドで乗りきろう。
雨のせいか、石手寺の鐘がいつもより響いて聞こえた。

