「千と千尋の神隠し」における考察
ええっと・・・。
先日、NHK番組「プロフェッショナル~仕事の流儀~」のDVDを見ました。
活躍されている「職業人」を取り上げ、仕事に対するこだわりや姿勢をクローズアップするドキュメンタリー番組です。
そして、特集はスタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫氏です。
宮崎駿監督と鈴木敏夫氏が「千と千尋の神隠し」の主人公「千尋」のキャラクターを固めていく際に、こんなエピソードを語っていました。
『僕の友人にキャバクラというところが好きな人がいて、面白いことを教えてくれたんです。
「キャバクラで働く女の子ってね、日常的には引っ込み思案で、人としゃべるのが下手だったりする娘(こ)がじつは多いですよ」
って。
キャバクラでは、黙っていては仕事にならないから、仕事として話さなければならないわけですが、そうしているうちに自分を回復して元気になっていく、と。「千と千尋」をつくるとき、どういう話にするべきかで宮崎(駿)が悩んでいたので、この話をちょっとしてみたんですね。そうしたら僕の方を見てニコっと笑って
「鈴木さん、それだよ」
って笑ったんです。』
おぉ・・・。こんな話からストーリーはできていくんですね・・・。
というわけで改めて「千と千尋の神隠し」をDVDで見てみました。
千尋が「湯婆婆」の下で働くとき。
「あんた?お世話になります、くらい言えないのかい?」
*社会の常識や礼儀(マナー)を知らない新人に対する教育?
ハクが千尋に語りかけるシーン。
「ここに長くいてはいけないよ。長くいすぎると本当の名前を取られるんだ」
*夜の世界(仮想)が中心になっていくことに忠告する心優しいお店のお兄さん?
顔無しが千尋の欲しいものを何でも与えたがるシーン
「あ・・・。あ・・・。」
*金品を与えれば愛が手に入ると勘違いしている拝金主義のお客さん?
う~ん・・・。私のうがった見方かもしれませんが・・・。
改めて作品をもう一度見てみると、なかなか深いシーンが多々ありました。
時代背景は服装から推測して鎌倉時代あたりでしょうか?
物語に出てくるカエル妖怪?みたいなキャラクター達もその世界観を匂わせます。
鳥獣人物戯画(平安~鎌倉時代/作者不詳)
現代と異なる時代設定と異質な世界。
しかし、子供だけでなく若い人たち(女性を中心とした)に強い支持と共感を覚えさせるものは、まさに
無口で内向的な現代人が「そこ(非日常)」にいることによる癒しと成長
本当の名前ではないことによる「自我」の開放(匿名性による自己開示効果)
実社会では自分(リアル)を表現できない怖さ(ネットに引きこもる若者)
に対するメッセージ性を感じました。
宮崎駿監督は世相に深く切りこみ、それを全面に出さない(説教臭くない)表現技法に長けている方だと改めて思います。
ご覧になった方も、もう一度お勧めです。
きっと1回目とは違う印象を受けますよ。



