よくこんな質問をうけます
「東洋医学と西洋医学の違いは？」
色々ありますが、ひとつは治療はどこに
アプローチするのか、ということです
現代の医学が病気や症状への
アプローチがメインであることに対して
鍼灸や漢方などの東洋医学は
病気や症状を呈している病人自身の
状態に向けたアプローチになります
なので、病気を治すというよりも
病人のほうを治すのが東洋医学です
例えば、西洋医学では、検査をして
数値が悪い部分を病気とし、その数値が
正常に戻るための治療をします
対し東洋医学では、その人の身体の
バランスを整えて病気を治す身体作りを
お手伝いするという感じでしょうか
もともとヒトには、自分で病を治せる
自己治病力、抗病力が備わっており
そうした力がなんらかの理由によって
阻害されているせいで病気になったり
治らなかっりするものと考えるのです
では、なぜヒトが病気になるのか
という理由について東洋医学では
どのように考えられているかというと
道理に適った生き方をしていないから
というバックグラウンドがあります
ヒトというのは単体の存在などではなく
自然の一部であり、天地の営みのなかで
それらの影響を受けながら生かされている
天人相関という思想に基づいています
仏教では、諸行無常という言葉が有名ですが
諸法無我という他にも大事な言葉があり、
これも東洋医学の天人相関の思想と同じで
様々な関係性の中でヒトは存在している
真理を説いたものとして一致しています
現代を生きる我々の感覚からすると
ややスケールの大きなはなしでもあり
実感を持ちにくいところでもあります
その上で、ここからが東洋医学の
面白いところになるのですが
人体は天地自然の縮図になっていると
先人たちは考えてきました
経絡という気血の通り道は
一年が12か月あるのと同じで
12本の経絡が存在している
ツボが365か所あるのが一年が
365日であることと同じで
また四季があるように人にも
季節に対応する五臓があるのだと
自然の道理に適った生き方に
沿わないと、自然の営みからの
つながりからもズレてしまって
自然の縮図でもある人体の五臓や
気血のバランスが乱れていって
その結果、病気になってしまう
こうした感じで、東洋医学は
痛みや症状の仕組みと背景から
その人の全体の状態を捉えて
それが自然の変化とどう連動して
病気になったのかを考えます
かつての名人は、月の満ち欠けや
季節と暦、星の動きサイクルなども
運用して治療に活かしていました
近年、現代医学では明確な診断名が
つかないような病気や症状が増えており
病名がないと治療法もないといった
ケースも少なからず出てきています
そうしたケースはお薬などによって
一時的な症状の緩和がみられても
しばらくして再発することがあります
多少の時間はかかっても体質を改善し
病気そのものより、症状を現わしている
身体という本体を調えていくのが
東洋医学の大きな特徴だともいえます
人生100年といわれている時代において
鍼灸という東洋医学の知恵を生活のなかに
取り入れることで、自然の道理に則した
バランスの良い身体にしていくことで
病気になりにくいライフスタイルを
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