NPOの民間図書館  窓口日誌ブログ
情報ステーションの民間図書館は誰でも無料で利用できる民設民営の公共図書館です。

・簡単な会員登録で2冊2週間までどなたでも無料で利用できます。
・運営は6歳から82歳までのボランティア約400名で行なっています。
・蔵書はすべて皆さまから寄贈いただいたものです。

僕らの図書館は本を借りるだけでなく、地域の交流拠点として多くの方に活用して頂きたいと願っています。そんな図書館で地域活性を目指す、まちづくりNPOとして活動しています。ぜひ皆さまのご支援をよろしくお願いします。

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三島由紀夫「天人五衰」に思うこと #豊饒の海 #遺作 #私は四人目だから

一年前の八月に『豊饒の海』、第一部「春の雪」を読み始めてから、ちょうど一回り。

第二部「奔馬」、第三部「暁の寺」と少しずつ少しずつ少しずつ少しずつ読み進めて、

今年の七月終わり、つい先日やっと第四部「天人五衰」を読み終えました。

 

二十歳で死ぬ運命の若者四人の輪廻転生のリレーを記録した長い長い物語は、

三島由紀夫の最後の小説でもあります。

 

物語の一部始終、移りゆく時代と変わってゆく日本を見届ける役割を与えられた登場人物の本多は徹底的に「認識者」として、若くして死ぬ若者たちを傍観するのみです。

 

三島由紀夫は、あるいは「認識者」であることを拒み「実行者」となるべくしてあのように生き急いだのであるのかもしれず。

 

四人目の転生者、透はその名の通り「透明な存在」となることで生きた肉体を保持したまま精神の安楽死を遂げたのであるのかもしれず。満ち足りて憂鬱な狂女、絹江の胎内に宿った透との子が五人目の転生者となる可能性も私は否定したくなく。

 

「誰も選ばれて生まれてくることはできません」と透の魂を打ち砕く慶子、豪奢な衣装に身を包んだ美しき同性愛者の老婆は、三島が想いを寄せた美輪明宏その人に捧げられた五十年後の予知夢であるのかとも思えて。

 

 

若く美しいまま破滅することを夢見た三島が、もしも生きながらえたならば、あんなに憎んで怖れてさえいた己の「老醜」とどう向き合ったのか?老いることそれでもなお思考し小説を書き続けることそれはすなわち一つの魂の円熟であり完成ではなかったのだろうか?

 

三島と親交のあったらしい石原慎太郎が老いてなお放言暴言を制御しようともしない未熟な姿であるのを目にするにつけ(今まさに世を騒がせている安楽死事件をめぐる議論について)、三島の選択は間違ってはいなかったのかも......。そう思えてしまうのが残念至極ではあるのです。

 

 

乱筆乱文 meriyasu

 

萌え絵の表紙 #萌え絵 #カバーイラスト #表紙

エラリー・クイーンになにが起こったのだ?と困惑するのが最新の文庫本カバーイラストです。

BLかと思うじゃんねぇ......。

 

いわゆる大義の萌え絵ってヤツでしょうか???

昔人間なので、こういう表紙の本をブックカバーかけずに読むのはちといたたまれない。

もちろんイラスト自体は素敵にセンス良くてクールだと思っているんですよ。

 

このてのカバーイラストの走りは小畑健さんが描かれた『人間失格』だったでしょうか。

漫画ファンの人たちが表紙に魅かれて太宰治の読者にもなってくださるのはありがたいです。

太宰治作品だって発表当時はたぶん若者たちにとっての最新のラノベだったのだろうし。

出版社さんもいろいろ考えて試行錯誤していらっしゃるのでしょうね。

頭が下がります。

 

エラリー・クイーンもこのカバーイラストがきっかけで新たな若い読者層を獲得するのかしらん。

新版の文庫本は文字も大きく読みやすいので、往年のファンの皆さんにもオススメです。

 

 

 

そしてこれは↓↓↓昭和60年代の萌え絵!!!

 

 

ライトノベルの源流、かつてはジュニア小説とも呼ばれた分野のレジェンド新井素子さんの御本。

ハヤカワ文庫なんですよこれ。昭和62年。

吾妻ひでおさんと新井素子さんの相思相愛的な交流はファンにはよく知られていました。

吾妻さんが描かれたもっさり黒髪眼鏡っ子の新井素子さん、可愛いですねぇ。

トレーナーからシャツの襟を出す着こなしとデニムのミニスカが当時風です。バブル前の昭和。

カバーイラストや挿絵、あるいは作品中で描写される登場人物の服装に、その時代のトレンドを見出すのが好きです。

 

ファッショントレンドが描かれたカバーイラストの例としてもう一冊、西村玲子さん画の集英社文庫を。1994年出版のミステリーです。ストレートロングのヘアスタイルにバブルの名残を感じますでしょう?90年前後のカジュアルファッションではリーボックの革製のスニーカーが大流行しました(私はKAEPA派でした)

 

カバーイラストだけでもこれだけ楽しめてしまうので、やっぱり私は本が好きです。古い本も新しい本も好きです。さまざまな年代の寄贈本が集まる情報ステーションの民間図書館をどうぞよろしくお願い致します。

 

meriyasu

 

福知山ほっこり図書館さんからお手紙ついた♪ #寄贈本 #民間図書館

福知山にある自動車販売店さんに併設されている「ほっこり図書館」さんから。

オリジナルの可愛い絵ハガキと一緒にまだ新しい寄贈本がたくさん届きました。

 

NPO法人情報ステーションの運営する図書館は関東~西日本まで各地にありますが、

福知山の「ほっこり図書館」さんにも毎月、箱いっこぶん入替の本を送っております。

 

本のやりとりを通じて色々な場所の人たちとつながることができるのはうれしいです。

 

「ほっこり図書館」さん、ありがとうございます。

寄贈していただいた本たちはこれからボランティアdayで登録されて、

高齢者福祉施設やマンションやお店に設置された民間図書館をめぐる旅に出ます。

 

船橋本町通り街づくり図書館より

 

 

meriyasu

ゆるファシ ~ウンベルト・エーコ『永遠のファシズム』を読んだ本に追加~ #読書 #ゆるファシ

ウンベルト・エーコといえば映画化もされた『薔薇の名前』の著者であり、

図書館の本には毒が塗ってあるとの迷信を刷り込んだイタリア代表ですが。

(図書館ボランティアとしてあるまじき発言)

 

本書は1990年代、湾岸戦争や難民問題、ネオナチの台頭など当時の社会的問題について

このイタリアを代表する知の巨人が発した講演や論考をまとめた問題提起の書です。

 

ムッソリーニの栄光とイタリアの不滅についての作文で一等賞を取った利発な少年エーコは、

その3年後、13歳でファシズム体制からの「解放」を告げるパルチザンの演説を聞き、

「自由」の回復に歓喜する人々の声を聞きました。そしてファシズムに抵抗したのは共産党だけではなくさまざまな色のスカーフを巻いた人々だったことを知り、ユダヤ人たちがどのように殺されたのかを知ることになります。

 

そんな体験から語り始められる表題「永遠のファシズム」は1995年コロンビア大学での講演です。

2020年にあらためて読み返されるそれは、不気味なほどに、

1940年代のヨーロッパを徘徊していた全体主義の亡霊が何度でもよみがえる可能性を予言しています。

 

整然としたイデオロギーもシステムも持たない、ある幾つかの特徴を満たすだけの、何気ない、無邪気な

ゆるいゆるい「ファシズム的なもの」。2020年のインターネットがその空気を濃くまとっていることは、

少しでも社会的な問題に関心を持っている人には容易に感知できるでしょう。日本においても。

零戦搭乗員の壮絶な特攻死に感動する純粋さはファシズムの特徴の一つである「死の崇拝」です。

誰もがタイトルを思い出すであろうあの小説の作者がどんな差別的発言をしているかはわかりやすい例です。

ナショナリズムはファシズムと仲良しです。それは余所者を排除することでアイデンティティを強調します。

 

「自由」と「解放」とは決して忘れてはならない課題であること、私たちは記憶し続けなければならないこと。それはモラルであること。

 

20年前のミレニアムに際してエーコが寄稿した、

やがて来るヨーロッパとキリスト教中心文化の終焉と多民族共生社会を透視した予言、

「次の千年紀には差別主義者や民族主義者は過去の存在となるであろう」という言葉に希望を持って。

 

 

コロナウイルスが世界を席巻し、アメリカで人種差別に反対するデモが行われている2020年6月に。

 

 

 

 

meriyasu

黒い画集 #松本清張 #原作 #ドラマ #BS3 #nhk

BSドラマ「黒い画集」の原作がこちら。そして我が家の母の日のカーネーション。

 

原作は短編集に収められた「証言」が骨子になっています。

貞一郎さんは部下のOLを愛人として囲いながらも保身にキュウキュウの課長。

愛人の梅宮女子は貞一郎さんをだまして他の男性を恋人にしている。

貞一郎さんの味気ない冷たい雰囲気の家庭にいるのは「太った妻」であり、

「太った妻が低い鼻に脂を浮かせ~」「太った妻は二重にくびれた顎を~」との叙述が繰り返され。

 

松本清張先生はミソジニスト。それはともかく、丸の内の課長ともなれば大きな立派な家を持ち、

若く美しい女性を別宅に住まわせ養うにじゅうぶんな収入を得られる。

嘘の証言をしてでも守りたい成功した人生(それは虚しく崩れ落ちる文字通りの虚構なのですが)

昭和の高度経済成長期の豊かさ。「黒い画集」シリーズが連載されたのは昭和33年から35年です。

 

 

 

原作では東京ですがドラマの舞台は金沢。

「地方紙を買う女」もでしたが近年の清張ドラマには金沢が似合う。

 

令和2年の今回の作品では、貞一郎さんは地方都市の開業医。

妻の実家の医院を継いでお婿さんに入ったという設定です。

失われた平成の30年で、男性の出世の形も大きく変わったのです。

サラリーマンの給料では豪邸に住めないしパトロンにもなれませんね。

 

夫の不倫相手が女性とは限らないし、若いイケメンに「彼女いるんですか?」と聞いてはいけない。

世の中が変わったのは悪い方向にばかりではないけれど、それに追いつけない私たちの意識。

NHKはBSでは本当に思い切った冒険をしてくれます。地上波では絶対にできなかったでしょう。

清張先生もこの改変にはさぞやびっくりしておいででしょう……。

いえ、常に時事問題を追っていらした清張先生がご存命でしたらこんな作品も書かれたのでは。

冬の夜の窯場での性愛シーン。ベッドの手すりをつかむ手と、背後から覆い重なるもう一つの手。

その瞬間に大きく爆ぜる火。(窯の火から目を離したら喜美子が怒ります! ※スカーレット)

 

谷原章介、あんな優男なのに攻めなんだー、とか。

浅香航大が中性的な可愛い系、とか。

腐女子のファンタジーですか!?

田亀源五郎先生作画みたいなのを見たいんですが、

それはやはりテレビの限界なのでしょうね。NHKBSとはいえ。

 

宮崎美子さん演じる梅宮くんの田舎のお母さんは息子の性的指向を知っていたのでしょう。

そして貞一郎さんは、美しい妻がウイスキーに毒を盛ったことに気づいていたでしょう。

なにもかもわかっていて、愛する人のもとへ行って詫びることが叶う幸福感に満たされた笑み。

 

ドラマの貞一郎さんは保身のために身を滅ぼしたのではなく、葛藤の末に愛に殉じたのです。

 

それにしても殺人の冤罪をかけられた外車ディーラーマン、弁明の余地なくセクハラクソ男なのに

実の娘からはけなげに慕われているらしいのがモヤっとしますね。極刑でいいのに。冤罪だけど。

 

梅宮くんに下心を持って近づく画商のオッサン(キャラ立ち過ぎw)(NHKでは出演リピーターさん)も

おそらくは貞一郎さんと同年代、カミングアウトが今よりもずっとずっとしづらかった時代に生まれ

ノンケのふりをして女性と結婚し子供をつくらなければならなかったのは痛々しくもあります。

 

僕のような人間はこの古い町では生きにくい、と梅宮くんは言いました。

その生きにくさはおおっぴらにしてしまえば誰かを傷つけるかもしれない、

貞一郎さんの妻が家を守るため夫を手にかけなければならなかったように。

誰もが孤独や疎外を感じず共生できる多様性実現社会は難しいのかな?

 

それでもこんなドラマが作られる程度には私たちの住む国も変わったのだと信じたい。

一緒に見ていたうちの年寄りには同性愛への偏見も嫌悪もないらしく(あら同性愛なのねとだけ)

気まずい雰囲気にはいっさいならなかったのが今年の我が家の母の日の幸せです。

 

 

meriyasu

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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