大東文化大がトップ通過
  日大、神奈川大、中学大、東農大、駿河台大が返り咲く

 

 第100回をむかえる予選会、記念会ゆえに出場枠がひろがったせいもあり、出場は57チーム、665人のランナーたちが、立川駐屯地をいっせいにスタート、例年にまして壮観だった。
 タイムレースゆえに駅伝本来の観戦の愉しみはないが、今回もまたきびしい戦いがくりひろげられた。
 いつもながら留学生たちがしゅうだんをなしてトップ集団を形成するという展開、1km=2:48というますまずの入りでスタート、5km通過が14:13、注目のランナー東京国際大のR・エティーリが集団をひっぱりはじめた。6kmでは予想通り、エティーリと桜美林大のランナーが抜け出すかたちになった。日本人では中央学院大・吉田が果敢にもトップ集団にくらいついている。
 エティーリがそのままぶっちぎるかとお思いきや、8.4km付近で思わぬアクシデント、エティーリが後続のランナーと足が絡んで転倒してしまった。すぐに立ち上がって、集団を追ったが、にわかに失速してしまった。東京国際大にとっては悪夢というほかないだろう。結果的に見て、このアクシデントがなければ……。13位ですべりこんだ山梨学院大との差はわずか3秒だったことからみて、まちがいなく上位に来ていたと予想されるからである。
 10kmのポイントは日大・キップケメイが先頭、28分27秒で通過。順位は下記のとおりである。

(1)立教大
(2)明大
(3)拓大
(4)中央学院大
(5)駿河台大
(6)国士舘大
(7)帝京大
(8)大東大
(9)上武大
(10)山梨学院大
(11)神奈川大
(12)東京国際大
(13)東農大

(14)麗沢大
(15)専大

 なんとトップはこのところお騒がせの立教大、2年連続29度目出場へ視界良好のスタートとなった。
 ボーダーの13位東農大と14位麗澤大の差は44秒、この時点で日本大は18位、日本体育大は20位、東海大は23位と遅れていた。いずれも後半勝負の作戦のようにみえた。

 15km地点では日大・キップケメイと山梨学院大・ムトゥクが42分41秒で通過。日本人トップはいぜん中央学院大・吉田で43分23秒。

(1)明大
(2)立教大
(3)帝京大
(4)大東大
(5)中央学院大
(6)国士舘大
(7)駿河台大
(8)神奈川大
(9)山梨学院大
(10)拓大
(11)東農大
(12)麗沢大
(13)東京国際大
(14)上武大
(15)東海大

 いぜん立教大は好位置をキープ、返り咲きをねらう中央学院大、駿河台大、神奈川大、山梨学院大、東農大もしっかり圏内につけるという健闘ぶり、ボーダー13位東京国際大と14位上武大の差はわずか10秒。後半勝負の日本体育大は16位、日本大は17位という形成であった。

 折り返し点17.4km、先頭は日大・キップケメイと山梨学院大・ムトゥクが49分19秒で通過。日本人では吉田につづいて東農大の一年生・前田が50分43秒で追い上げてきた。にわかに日本人のトップ争いがはげしくなった。

(1)明大
(2)大東大
(3)帝京大
(4)立教大
(5)中央学院大
(6)神奈川大
(7)国士舘大
(8)駿河台大
(9)山梨学院大
(10)東農大
(11)日体大
(12)日大
(13)東海大
(14)拓大
(15)東京国際大

 明治がトップに躍り出て、大東文化大が追っていた。ここにきてさすがというべきか。後半勝負の日体大、日大、東海大がきっちり圏内に突入してきた。ボーダー13位東海大と14位拓大の差は49秒であった。

ゴールは日大・キップケメイが1時間00分16秒でトップ。ほぼ同時のタイミングで日本薬科大・キプルトが1秒差の2位。そして20kmで中学大の吉田をかわした東農大の前田が日本人トップでゴールした。
 日大の大キップケメイといい東農大の前田和摩といい、ルーキーぼ爆走が長年低迷していた両校返り咲きの起爆剤になったのは確かである。

◇最終結果

(1)大東大    10時間33分39秒
(2)明大        10時間34分38秒
(3)帝京大    10時間35分08秒
(4)日体大    10時間36分42秒
(5)日大        10時間36分54秒
(6)立教大    10時間37分06秒
(7)神奈川大    10時間37分20秒
(8)国士舘大    10時間37分21秒
(9)中央学院大    10時間37分27秒
(10)東海大    10時間37分58秒
(11)東農大    10時間39分05秒
(12)駿河台大    10時間39分40秒
(13)山梨学院大    10時間39分47秒

(14)東京国際大    10時間39分50秒
(15)麗沢大    10時間43分15秒

 トップ通過の大東文化大は2年連続の予選会トップ通過。前回よりも地力がついているようで今回は期待できそうである。順調ならシード権にきわどく絡んでくるだろう。
 予選通過チームをざっと見渡して、終わってみると最後は、やはり前回出場組が強かったが東京国際大と専修大の2チチームが落選した。出場ワクが3つ増えたこともあるが、日本大、神奈川大、中央学院大、東農大、駿河台大の5チームが返り咲きを果たした。
 2年連続出場となる立教大、今回は苦戦といわれていた駿河台大、久しぶりの東農大あたりは大健闘というべきであろう。

 東農大はなんと10年ぶりに帰ってくる。70回目出場の古豪復活である。大手町であのダイコン踊りがみられそうで、これはなんともよろこばしい。
 惜しかったのは東京国際大、13位の山梨学院大との差はわずか3秒であった。R・エティーリの転倒がなければ……。悔やまれるところである。

◇ 日時 2023年10月14日(土)午前9時35分スタート
◇ 場所 国営昭和記念公園(立川市)
◇ コース :陸上自衛隊立川駐屯地~立川市街地~国営昭和記念公園(21.0975km)
◇天気:晴れ  気温:15.8℃  風:北東1.3m
◇公式記録:
  総 合
  チーム

  個  人
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