早稲田大学が16年ぶり制覇
                        新戦力の1年生2人が快走!
     

 駅伝シーズンは毎年、出雲から幕あける
 出雲全日本大学選抜駅伝は学生3駅伝の緒戦、むろんチャンピオンシップの大会だが、主力をなす関東の大学は、本大会にそれほど重きをおいていない。目標ははるか先にあるからである。
 事実、出雲で勝とうが、伊勢路の全日本勝とうが、足もとの自校関係者はもとより、ひろく大学駅伝の世界でも、それほど評価されることはない。箱根で勝ってはじめて高い評価をうけるのである。だから出雲は箱根に向かう一プロセスであり、今シーズンの戦力を試す一レースというわけなのである。とくに箱根の雄というべき青山学院大や駒澤大などは、まさにそんなもくろみで本レースに臨んできていたのだろうか。今回のレースぶりをみると、そんなふうに裏読みしたくもなる。
 勝負にそれほどこだわらないといっても、負けるより勝つほうが良いに決まっている。 今回、真正面から出雲を勝ちに来たチームは早稲田大、中央大、それに出雲3連覇をねらう國學院大の3大学だろう。事実、いずれも戦力充実が顕著で、周囲の下馬評でも高い評価をうけていた。
 勝ちに来た3大学は最後まで、きわどく優勝争いに絡み、箱根の調整レースととらえる2大学は凡走に終わり、はっきりと明暗をわける結果になった。
 それにしても近年の駅伝は世智辛くなった。
 科学的なトレーニングが普及して、主力をなすチームの実力差はほとんどないにひとしい。5000m=13分台、10000m=28分台なんてあたりまえ、10000m=27分台もめずらしくはなくなった。だから大会当日の選手のコンディションやちょとした勝負のアヤで順位も大きく変動する。
 思いがけなく一敗地にまみれた青山学院大の原監督は「駅伝力がなかった」と言い放った。「速さはあるが、強さがなかった。駅伝の負の連鎖が始まって、駅伝力を表現できなかった」……と。
 駅伝力とは何なのか。選手個人の走力だけでなく、個々のランナーがレースの展開をよく見きわめて、チームにとってベストの走りをする。要するにそういう総合的なマネージメント能力ということになる。
 進化し続ける駅伝レース、いままさにチームとしての、個々のランナー自身の「駅伝力」が問われる時代が到来したということなのだろう。そんなインパクトを強烈に印象づけた大会だった。

 今大会から暑さ対策でスタート時間が約4時間繰り上げられれ、午前9時10分からになった。総距離、区間距離が短く、スピード駅伝といわれてきた本大会はさらにスピードアップ、優勝チームは大会記録を2分も更新、7位までが大会新という好記録ラッシュとなった。3区、4区、5区で区間新記録も続出した。

■第1区(8.0km)
 スピードランナーがそろった第1区、曇天で気温20.7度、風もそれほどない。最高のコンデションで幕あけた。
 スタート直後から中央大の藤田大智が先頭にとびだして、早くも集団は縦長になる。藤田の後ろには創価大の菅野元太(1年)と駒大の鈴木大翔(1年)がつけた。最初の1kmは2:36とこれは速い。
 1.5kmになると集団は2つに分かれ、藤田が引っ張る第1集団には創価大、駒大、城西大、青学大、国学院大、早大ら13校がしっかりついている。それぞれハイペースに対応していて、藤田はここでぶっちぎりたかったのだろうが、後続ははなれない。
 3km通過は8:22と区間新ペースである。
 5km手前で藤田にかわって、第一工科大のC.S.プラガットと帝京大の松尾航希が集団の前に出てくる。さらに5.8kmになると順天堂大の小林侑世がスパート気味にトップに立った。後続では北大の大野憲尚がふらつきはじめ、大ブレーキ……。
 6.6kmになって藤田がひっぱっていた集団が小林に追いつき、再び大集団となる。かくしてトップ集団は中央大、創価大、順天堂大、日大、城西大、青山学院大、帝京大、駒澤大……。アイビーリーグ選抜と早大がこの集団からこぼれてゆく。
 6.9kmになって藤田がスパート、反応したのは青学の石川浩輝で、藤田にピタとつけ、創価大の菅野元太、駒澤大の鈴木大翔もついてくる。
 7.3kmでは創価大の菅野元太が抜け出し、藤田、石川、鈴木がつづく形勢になる。はげしいトップ争いのすえに残り300の7.7kmで駒澤大の鈴木が抜け出してトップ通過、ルーキーの区間賞デビューである。
 1区を終わって、トップは駒澤大、6秒遅れで2位は青山学院大、9秒遅れで3位は中央大、10秒遅れで4位は國學院大、12秒遅れで5位は日本大、13秒遅れで6位は順天堂大、16秒遅れで7位に早稲田大、16秒遅れで8位は創価大、19秒遅れで9位は帝京大、23秒遅れで10位はIVY選抜とつづいた。主力はそれぞれ好位置につけた。区間賞は鈴木大翔(駒澤大)で22分42秒である。
 

■第2区(5.8km)■
 最短距離の2区はスピード勝負である。
 駒澤大の上岡煌がトップをゆき、青山学院大の鳥井健太が追ってゆく、後続は國學院大の鼻野木悠翔らが集団を形成している。
 1.9kmでは3位集団が2位の鳥井を吸収、さらに1位の上岡に追いつき、駒澤大、青学、中央大、順天堂大、國學院大、早稲田、創価大7人の先頭集団になる。
 2.5kmで順天堂大の吉岡大翔が前に出る。2~3秒のリードをとったが、4.4kmで鳥井が率いる集団に吸収されてしまう。
 5km付近で創価大がスパートして前に出るが、残り800メートル付近で中大の岡田開成(3年)が出る。これにくらいついたのが早稲田の本田桜二郎、残り650メートル付近でトップに立つ。1年生デビューの本田はそのまま逃げ切った。
 かくしてトップは早稲田大、2秒差の2位に中央大、同タイムで3位が駒澤大、同タイムで4位に順天堂大、3秒差の5位に創価大、5秒差の6位に国学院大。16秒差の7位がIVY選抜、18秒差の8位に青山学院大、26秒差の9位に日本大学、46秒差の10位に帝京大とつづいた。区間賞は早稲田大の本田桜二郎で15分42秒だった。
 早稲田が2区でトップに立って流れをつかんだのとは裏腹に、青山学院大は僅差ながら8位まで順位を落として、ここでリズムにのりそこなった。

■第3区(8.5km)■
 この区間は2番目に距離が長く、準エース区間である。この区間を終わったところでのポジションが勝負を分けるという重要な区間である。
 早稲田大の鈴木琉胤、中央大の三宅悠斗、駒澤大の植阪嶺児、順天堂大の井上朋哉がトップ集団を形成。その後ろから國學院大の辻原、創価大のS.ムチーニが追ってくるという展開……。1km=2:47秒の入り、2kmすぎで駒大・植阪がこぼれていった。トップ集団は早稲田、中央大、順天堂大、創価大の4チームとなる。後ろからは日本大学のS.キップケメイが急追、2.7kmで駒澤をとらえると、3.5kmではトップ集団に追いつき、8人抜きで一気にトップに立ってしまう。
 4.5kmでは首位の日大と2位集団の順天堂大、國學院大、早稲田大、中央大は7秒差。創価大は13秒差の6位、駒大は22秒差の7位。青学大は遅れて59秒差。
 6kmすぎでは國學院大の辻原が2位集団からこぼれる。日大のキップケメイが区間新ペースで快走し、後続との差をひろげてゆく。
 7kmをすぎると早大の鈴木琉胤がスパートして2位集団が引っ張り、中央大の三宅悠斗がつく。順天堂大も2位集団から離されてゆく。
 残り700mで2位の早稲田の鈴木は中央大の三宅を振り切って単独2位、はるか後ろではた早大が中大を突き放す。残り1キロを切ると城西大のアロンが青山学院大の飯田翔太をかわして10位までやってきた。。
 かくして3区を終わって、日大が首位。早稲田大が9秒差の2位、中央が16秒差の3位、順天堂大が28秒差の4位、創価大が30秒差の5位。國學院大が39秒差の6位、IVY選抜が44秒差の7位、駒澤大が同タイムの8位。青山学院大は中継所の前で城西大を抜き返して10位にすべりこんだ。区間賞は日本大学のS.キップケメイで22分56秒は区間新記録、従来の記録を40秒更新した。区間2位の楠岡由浩(帝京大)も22分39秒、区間3位の早稲田大の鈴木琉胤も22分31秒で区間新である。

■第4区(06.2km)■
 3区でトップに立った日本大のこの区間は1年生の首藤海翔、同じく1年生の早稲田大の新妻遼己が猛然と追ってゆく。みるみるその差は詰まって、1kmではとうとう背後に食らいつき、並ぶまのなく交わしてトップに立つと、その差をじりじりとひろげてゆく。後ろからは中央大の濱口大和が追ってくるという展開……
 早稲田、日大、中央大……
 ひさしぶりに箱根伝統校がそろいぶみでトップ争いを演じている。早稲田大、中央大の復活が昨今の箱根を盛り上げている。日大もなんとか踏んばってほしいものである。
 4位争いは順天堂大と創価大が競り合い、後ろから國學院大の野中恒亨が追ってきて、3.8kmで4位集団に追いついた。
 新妻遼己はその後も快調でトップを独走、日大との差は5km過ぎで100mになってしまった。5.5kmをすぎると、3位をゆく中央大の濵口大和の4位集団から抜け出した國學院大の野中恒亨が接近してくる。後ろでは青山学院大がリズムに乗れなくて11位まで順位を落とした。
 早稲田のルーキー・新妻遼己のトップはゆるがず、トップで中継所にとびこんだ。2位の日本大は16秒差、3位の中央大は26秒差、4位國學院大は34秒差、5位は創価大で40秒差、6位は順天堂大で45秒差、7位は駒澤大で49秒差、8位はIVY選抜で50秒差、9位は帝京大で57秒差、10位は城西大で1分53秒差、青山学院大はとうとう10位からも陥落してしまった。
 区間賞は早稲田の新妻遼己で17分10秒で区間新記録、さらに区間2位の國學院大・野中恒亨の17分14秒も区間新である。
 二人の1年生ルーキーの快走で古豪3強対決を制した早稲田大は、この区間で久しぶりの制覇への道筋をきりひらいた。好リズムにのって、あとは実績のある上級生にゆだねるという絶好の展開になった。

■第5区(06.4km)■
 トップをゆく早稲田大の山口竣平は1kmの入りが2:35、1~2kmが2:45……、ゆうゆうとトップをゆく。後ろから追ってくるのは日本大学の長澤辰朗、さらに後ろから中央大学の柴田大地が追ってきて、2.1kmでは日大、中央大が並走状態になる。
 そんな2位争いを尻目に山口は悠々トップをゆく。2位争いは熾烈をきわめ、4,6kmになって日大の長澤が中央の柴田をふりきった。
 はるかうしろではIVY選抜のDerek Amiconが快走、5kmすぎでは創価大の山口翔輝に接近、5km手前では5位まで浮上してきた。アイビーリーグ選抜は大健闘、終始上位にふんばっている。
 早稲田の山口竣平は危なげない走りでトップをまもり、アンカーの工藤慎作にタスキをゆだねた。
 2位は日大で23秒差、3位は中大で32秒差、4位は國學院大で38秒差、5位はIVY選抜で51秒差、6位は創価大で54秒差、7位は駒澤大で1分9秒差、8位は帝京大で1分18秒差、9位は順天堂大で1分18秒差、10位は城西大で2分10秒差と続いた。
 区間賞は早稲田の山口竣平で17分35秒、堂々の区間新記録である。ちなみに区間2位のIVY選抜・Derek Amiconの17分36秒、区間3位の日大・長澤辰朗の17分42秒も区間新であった。

■第6区(10.2km)■
 トップでタスキをもらった工藤慎作、23秒差のリードをにぎって、1kmは2:47と安定した走りでゆうゆうトップをゆく。
 後ろでは2位以下の順位あらそいが熾烈になる。
 1.8kmになると國學院大の髙石樹が中央大の柴田大地をとらえて、さらに2位の日本大にも迫る勢いをみせる。
 2.4km地点で首位の早稲田大と2位の國學院大は25秒差、3位中央大は28秒差、4位日本大は30秒差。5位創価大は51秒差、6位IVY選抜は54秒差、7位駒澤大は1分13秒差……。
 3.1kmではIVY選抜が創価大をとらえて4位にやってくる。
 5kmすぎになって創価大は駒澤大、帝京大、順天堂大の集団に交わされてゆく。6.2kmになると6位集団が5位の日本大を吸収して5位集団となる。
 IVY選抜も快調でAcer Iversonが7kmで3位までやってくる。 、
 8.3kmでは5位集団の駒澤大、帝京大、順天堂大が4位の中央大に接近、そのタイミングで順天堂大の山本悠が猛然とスパートして抜け出した。
 早稲田の工藤晋作は3位以下の激しい順位争いを尻目に独走状態、そのままゴールにとびこんでいった。
「山の名探偵」という異名をもつアンカーの工藤、人気アニメ・名探偵コナンの「真実はいつも一つ」で知られる決めポーズでのフィニッシュだった。2時間5分56秒の大会新記録。区間賞はむろん工藤慎作で29分00秒だった。

 優勝した早稲田大学は16年ぶりの出雲制覇である。大会記録を2分も更新するという堂々たる優勝。6区間のうち4つの区間賞、3つの区間で大会新、終わってみれば圧勝だった。大会前から優勝候補の筆頭という呼び声が高かったが、ひとりの凡走もなく、その実力をいかんなく発揮したといえる。
 古豪復活というべきか。近年とみに上昇機運にある早稲田大、新戦力となるべき1年生がレースで通用することを確認、全日本、箱根へとステップアップする弾みをつけた。
 優勝への道筋をつくったのは1年生の2人で、早稲田としては、新戦力を試すという意味でも、きわめて意味深い大会となった。ほかにも有力なランナーを持っており、全日本にむけて視界良好となったといっていいだろう。箱根はともかく全日本までは、この早稲田を中心に展開してゆくことになろう。
 2位の國學院大は出雲3連覇はならなかった。主力4人を送り出したあとも、つねに上位をキープして、安定した力を見せつけた。距離の長くなる全日本で、早稲田を相手にどのような戦いぶりをみせるのか。興味深いものがある。
 3位にはアイビーリーグ選抜がとびこんできた。下馬評でも評価が高かったが、噂にたがわぬ実力を発揮した。寄せ集めの選手でのチーム、ロードのレースで駅伝などしらない選手ばかりにもかかわらず最終3位まで押し上げてきた。個々のランナーの潜在能力は高く、そのうちに日本チームは足もとをすくわれるやもしれない。
 4位にやってきた順天堂大は大健闘、中央大、駒澤大、青山学院大を上回ったのは、やはり潜在能力の高さゆえのことだろう。ダークホース的で不気味な存在というべきか。
 中央大の5位は少々意外な気がする。個々のランナーの力は早稲田と匹敵、あるいはそれ以上なので、もう少し優勝にきわどく肉薄してもよかったはずである。中央はこのところつねに候補の一角にあげられているが、本戦になると力を発揮できないでいる。それはやはり原監督がいうところの「駅伝力」に問題があるせいだろう。ひとたび流れに乗れば突き抜ける力があるだけに、全日本での動向を見定めたい。

 意外な結果といえば、駒澤大の7位、青山学院大の11位(関東勢10チームのうち最下位)だろう。出雲や全日本は眼中になく、ハナから箱根シフトで臨んでいるせい、といううがった見方もああるが、それにしても、首をかしげたくなる結果である。
 しかし、駒澤は7位とはいえ、トツプとは2分以内の差、昨年、青学が出雲7位から箱根を制した例もあるから、まだ許容範囲だろう。全日本での巻き返しはあるとみよう。
 思案にあまるのは青山学院大である。箱根3連覇中の青学……、なんと関東勢10校のうち最下位、トップから4分も離された。昨年のように絶対的なエースもいない。はたして、これで浮上できるのだろうか。その判断はひとまず措くことにする。
 伊勢路の全日本で巻き返しもかなり苦しそうな感じである。原監督のお手並みをとくと拝見したい。

◇日時 2026年 10月 12日(月=祝)09時30分 スタート
◇コース:出雲大社正面鳥居前~出雲ドーム前=6区間45・1㎞
◇天候:くもり 気温20.7℃ 湿度76% 風:東2.0m
◇早稲田大学(古倉ヤナブ直希、本田桜二郎、鈴木琉胤、新妻遼己、工藤慎作)
◇結果詳細 https://www.izumo-ekiden.jp/assets/pdf/record2026.pdf
◇公式サイト https://www.izumo-ekiden.jp/
  富士通 https://www.fujitv.co.jp/sports/ekiden/izumo/index.html
    文化放送 https://www.joqr.co.jp/qr/program/izumo/

 

 

 

 

 

 

宮城が悲願の初制覇
   終始レースを支配して東北勢対決を制した

 

 

 先週の全国女子駅伝は大阪が制覇、薫英女学院のメンバーが暮れの高校駅伝で敗れた悔しさを晴らしたと書いた。
 お祭り駅伝である本大会は、お祭りであるがゆえに、一般(実業団・大学生)ランナーはまともに走らない。中学生はもともとアテにならないから計算できない。頼りになるのは高校生だけだ、というようなことも書いた。
 男子の場合もご多分に漏れず、青学や駒大國學院大の主力メンバーが顔をならべたが、やはり特筆するほどのパフォーマンスを発揮することはなかった。
 したがって、ここもやはり暮れの高校駅伝の写し絵という構図になり、優勝した学法石川ときわどく優勝を争った仙台育英をもつ宮城と福島の闘いとなり、前半からすでにしてマッチレースの様相であった。
 宮城が競り勝ったのは、高校駅伝で学法石川に敗れた仙台育英の悔しさがバネになったからだろう。

第1区(7km)
 穏やかな陽射し、風もほとんどないというめぐまれた気象のもとで47チームの1区のランナーたちはスタートした。
 最初からハイペース、1kmは2:42で、兵庫の新妻遼己、福島の増子陽太、鳥取の本田桜二郎が前に出てきて、先の高校駅伝の第1区と同じ展開で幕あけた。ペースが速くて1.5kmですでにして隊列はタテ長になる。
 2kmは5:28で通過、増子、新妻のほか千葉の松尾航希、宮城の鈴木大翔の4人がトップグループ、集団はばらけ、ここで隊列は二つに分かれた。
 3.5kmの中間点は9:32……。区間新を大幅に上回るペースである。依然として増子、新妻のほか4人が先頭グループをなし、後続とは9秒差……。
 4.8kmになって新妻が遅れ、増子と鈴木のマッチアップ、5kmの通過は13:38……。
 増子と鈴木の争いは熾烈をきわめ、6kmすぎで増子がスパートして交わしにかかるが鈴木も粘って離れない。
 残り1kmで増子がスパートして振り切ったかと思いきや、鈴木も驚異的な粘りで食い下がり、逆にラストでは鈴木が増子をかわして中継所にとびこんでいった。
 トップは宮城、2位は2秒遅れで宮城、3位は18秒遅れで兵庫、4位は36秒遅れで千葉、5位は41秒遅れで宮崎、6位は43秒遅れで北海道、7位は43秒遅れで岡山、8位は44秒遅れで茨城、9位は45秒遅れで熊本、10位は46秒遅れで京都……。区間賞は宮城の鈴木大翔(仙台育英高)で19分06秒、これは従来の区間記録を25秒も上回る区間新である。

第2区(3km)
 中学生区間である。
 トップの宮城は佐藤駿多、福島の髙橋亜玖吾が差を詰めてきて並走状態でレースは進んでゆく。後ろは兵庫の佐藤颯流、だがその差は詰まらない。後ろは宮崎、北海道がg4位グループをなしていた。
 先頭争いは最後に高橋が競り勝ってトップ福島でタスキをつないだ。
 2位は6秒遅れで宮城、3位は25秒遅れで兵庫、4位は41秒遅れで北海道、5位は46秒遅れで岡山、6位は46秒遅れで千葉、7位は51秒遅れで大阪、8位は58秒遅れで埼玉、9位は58秒遅れで熊本、10位は59秒遅れで愛知とつづいた。
 区間賞は静岡の関響佑で8分25秒だった。

第3区(8.5km)
 トップの福島・谷中晴に8秒遅れていた宮城の大濱逞真が1kmで追いついてトップ集団になる。5位発進の岡山・黒田朝日は、同時に八sんした千葉の鈴木琉胤とともに5位集団で前を追ってゆく。
 4kmでもトップは谷中と大濱が並走、3位には兵庫の長嶋幸宝、後ろは岡山の黒田、千葉の鈴木、埼玉の宇田川瞬矢、大阪の佐野颯人、愛知の田島駿介らが4位集団をなして追っていた。
 先頭集団に動きがあったのは4.5km、ここで大濱が谷中を引き離して単独トップに立った。その差はじりじりとひろがり、6kmでは6秒差、後ろは兵庫の長嶋を岡山の黒田が追い上げていた。
 6.8km点ではトップの宮城と2位の福島との差は8秒、3位集団の黒田、長嶋とは35秒差、5位集団の千葉、愛知、大阪とは46秒差になっていた。
 トップの大濱はそのままの差を保って中継所へ。2位は宮城で8秒差、3位は岡山で23秒差、4位は兵庫で31秒差、5位は千葉で33秒差、6位は愛知で43秒差、7位は群馬で43秒差、8位は静岡で45秒差、9位は大阪で49秒差、10位は58秒差で埼玉であった。
 区間賞は群馬の帰山侑大で23分35秒だった。

第4区(5km)
 再びトップに立った宮城のこの区間は若林司、1km=2:43で突っ込んで後続を引き離しにかかった。福島との差はみるみるひろがった。若林はそのまま突っ走って、宮城の初制覇への足がかりをしっかりつくりあげた。
 2位は福島で26秒差、3位は兵庫で29秒差、4位は岡山で50秒差、5位は群馬で1分04秒差、6位は愛知で1分08秒差、7位は大阪で1分14秒差、8位は千葉で1分16秒差、9位は埼玉で1分17秒差、10位は静岡で1分21秒差っつづいた。
 区間賞は兵庫の新妻昂己(西脇工高)で14分05秒である。

第5区(8.5km)
 トップの宮城は菅野元太、ハナから突っ込んで福島の栗村凌との差を3kmでは30秒、4.3kmでは35秒、3位の兵庫との差を56秒にひろげたのだが、栗村は死んではいなかった後半になってその差をじりじりと詰め始めたのである。
 7kmでは20秒ほどになってきた。後ろは離れて、優勝争いはこの段階で宮城と福島にしぼられてきた。
 栗村はなおも菅野を追ったが、菅野は余裕をもって逃げ切った。
 トップは宮城、2位は20秒差で福島、3位は1分19秒差で兵庫、4位は1分30秒差で岡山、5位は1分49秒差で千葉、6位は1分51秒差で群馬、7位は2分02秒差で岐阜、8位は2分02秒差で愛知、9位は2分03秒差で埼玉、10位は2分05秒差で熊本……。
 区間賞は福島の栗村凌で24分07秒である。

第6区(3km)
 先頭をゆく宮城は佐藤迅、福島の熊谷誓人が追うのだが、差はつまらない。中間点ではむしろ開き気味、佐藤はそのままアンカーにタスキをつないだ。
 トップは宮城、2位の福島との差は30秒にひろがった。
 3位は兵庫で1分27秒遅れ、4位は岡山で1分37秒遅れ、5位は愛知で1分54秒遅れ、6位は埼玉で1分54秒遅れ、7位は群馬で2分02秒遅れ、8位は千葉で2分04秒差……
 区間賞は区間賞は埼玉の逸見明駿で8分34秒だった。

第7区(13km)
 トップを行く宮城のアンカーは山平怜生、追う福島は山口智規、その差30秒は微妙な差だった。
 追うしかない山口は最初から突っ込んでゆく。4,5kmではその差が22秒、5.2kmでは14秒、6.2kmでは10秒まで詰まった。だが、そこから山平は粘った。その差が詰まらなくなってゆくのである。9kmではむしろ12秒とひらきかげんになってゆく。こうなれば逃げる山平のペースである。
 12~13秒のまま詰まらない状態がつづき、最後は山口が息切れしてしまった。
 かくして山平はまんまと逃げ切り初優勝のテープをきったのである。2時間16分55秒は大会タイ記録である。
 区間賞は群馬の青木瑠郁で36分57秒だった。

 優勝した宮城は悲願の初優勝、1区で先頭に立って一気に流れに乗ってしまったといえる。1区、4区、5区の高校生がそれぞれ区間1位、2位、2位……と、快走したのが最大の勝因であろう。
 惜しくも2位に甘んじた福島もやはり高校生3人が快走した。高校生3人の力比較では互角だが、全体のバランスで宮城との差が出てしまった。3位の兵庫も高校生の新妻twinsの快走がももたらしたもの。
 4位の岡山、5位の群馬、6位の埼玉……。このあたりはほぼ順当なところだろう。
 第1区から優勝争いは宮城と福島にしぼられてしまったので、観るレースとしては盛り上がりがなく、物足りなくもあった。


◇日時 2025年01月18日(日)12時30分スタート
◇場所 広島市
◇コース 広島・平和記念公園発着/JR前空駅東折り返し、7区間48Km
◇天候:晴れ 気温:12.2℃ 湿度:48.0% 風:北西 0.6m(スタート)
◇宮城(鈴木大翔、佐藤駿多、大濱逞真、若林司、菅野元太、佐藤迅、山平怜生)
◇公式サイト:
◇総合成績:

 

 

 

 大阪が3年ぶり5度目の制覇
  1区31位からの大逆転劇

 

 今シーズンの女子駅伝をしめくくる最後の大会である。
 オリンピアンから世界陸上代表など、一般(実業団・大学)出場するランナーたちはビッグネームがそろったが、彼女たちがこぞってトップコンディションで出てきているか、この時期は判断に迷うところである。 
 実業団のランナーたちは全日本が終わってオフに入っており、大学生のランナーたちは暮れの富士山駅伝で目いっぱい走ったあとなので、とてもベストで出てきているとはいいがたい。
 ゆえに実業団、大学生のランナーにどれほどのパフォーマンスが期待できるのかよくわからない。よって顔ぶれだけで各チームの戦力を判断比較することは、とくに最近ではほとんど不可能になってきている。
 中学生は走ってみないとわからない。よって、あてにできるのは真面目に走る高校生ということになり、4人出場する高校生の強いチームが優勝争いにからんでくる。
 いずれにしても、チャンピオンシップの駅伝ではなくて、シーズン最後のお祭り駅伝というような感覚で、背景に流れる新年の古都の風景を楽しみながら、気楽に観戦するのがいい大会である。
 それにしても……。
 小雪が舞い散る厳しい気象条件のなかで、懸命に走った中学生、高校生に喝采をおくりたい。
 大阪と兵庫が優種をきわどく争い、最後になって大阪が競り勝ったのはエディオンの勢いというべきか。暮れの高校駅伝でわずかにおよばなかった薫英の悔しさ、全日本実業団を初めて制したエディオンの勢いが大阪に優勝をもたらした。

第1区(6km)
 小雪が舞うなかで第1区はスタートした。
 スタート直後のトラック周回から大分の奥本菜瑠海が飛び出して、1分12秒で競技場を出ていた。5条通りはタテ長の展開ですすむも、ここで早くも群馬の不破聖衣来はおくれ最後方につけている。
 1kmは3:08、1~2kmは3:07、2kmすぎから奥本と2位集団との差は詰まり始める。西大路通りに入って、奥本は2位集団に吸収され、中間点を前にして神奈川の西山未奈美が先頭にとびだした。後ろは千葉の鷲見梓沙、兵庫の清水里名、熊本緒方唯莉、福岡の宮原かな佳あたりがつけている。
 3.5kmをすぎて先頭集団は16チームぐらいになる。4kmをすぎて連覇を狙う京都の佐藤ゆあが集団からこぼれてゆく。4.4kmののぼりにさしかかって長崎の森森智香子がトップに立って先頭を引っ張り始めるも、5kmになると滋賀の北川星瑠が先頭に出てくるなど、トップ争いは激しくなってくる。そんななかで候補の一角、大阪の姿がみつからない。
 区間賞争いは残り600m、長野の高校生・田畑陽菜が北川を抜いてトップに立ち、後続を振り切って中継所にとびこんだ。ちなみに群馬の不破聖衣来は区間23位という凡走におわった。とても走れるようなコンディションでないまま出て来たのだろう
 トップは長野、5秒遅れて2位が北海道、同タイムで3位が滋賀、同タイムで4位が福島、同タイムで5位が神奈川、6位は6秒遅れで鹿児島、7位は7秒遅れで長崎、8位は7秒遅れで熊本、9位は8秒遅れで静岡、10位は10秒遅れで鳥取とつすいたが、連覇をねらう京都は50秒遅れの30位、大阪は56秒遅れの31位と大きく出遅れた。
 区間賞は長野の田畑陽菜(長野東高)で19分28秒だった。

第2区(4km)
 長野の川上南海はひたすら逃げる。
 追い上げ急だったのは30秒差16位発進の兵庫だった。この区間は田中希実、1kmで早くも4人抜いて12位に浮上、2,2kmでは6位までやってきて、千葉の今西紗世とともに2位集団を追い始め、2.5kmで2位集団を一気にかわして前に出る。これに食らいついたのは長崎の井手彩乃、後ろの4位は北海道の木田美緒莉である。
 田中はけんめいに追うが、長野の川上はそこからは追わせなかった。
 トップは長野2位は13秒遅れで兵庫、3位は16秒差で長崎、4位は28秒差で北海道、5位は29秒差で鹿児島、6位は34秒差で奈良、7位は35秒差で千葉、8位は38秒差で静岡、9位は39秒差で滋賀、10位は40秒差で熊本とつづいた。大阪は1分14秒差で19位、京都は1分23秒差で25位だった。
 区間賞は兵庫の田中希実で12分14秒だった。

第3区(3km)
 トップを行く長野の原梨珠は1kmを3分12秒……。兵庫の森貞帆加がじりじりと長野に迫るも原はゆるがない。2kmでは膠着状態となる。最後まで兵庫は追いきれず、ここも長野が逃げ切った。
 トップは長野、2位は14秒差で兵庫、3位は36秒差で長崎、4位は42秒差で神奈川、5位は42秒差で奈良、6位は43秒差で滋賀、7位は44秒差でカギ島、8位は47秒差で静岡、9位は51秒差で広島、10位は53秒差で熊本だった。
 区間賞は愛知の太田葵で9分20秒だった。

第4区(4km)
 トップをゆく長野のこの区間は今シーズンで引退する細田あい、快調な走りで2位との差をひろげてゆく。
(東北地方地震速報で中継は中断してしまう)
 細田あいは小雪が舞い、向かい風のなかを力走、後ろでは静岡が2位に浮上してきた。さらにはるか後ろでは京都の芦田和佳は14人抜きで13位まで順位をあげてきた。
 長野の細田あいは2位との差をひろげてタスキをつないだ。
 トップは長野、2位は26秒遅れで静岡、3位は31秒遅れで宮城、4位は47秒遅れで兵庫、5位は47秒遅れで長崎、6位は52秒遅れで鹿児島、7位は59秒遅れで神奈川、8位は1分00秒秒遅れで滋賀、9位は1分07秒遅れで岡山、10位は1分10秒遅れで大阪よゆずき京都は1分14秒遅れの13位だった。区間賞は京都の芦田和佳が12分43秒である。

第5区(4.1075km)
 ここでも長野で今井玲那がゆうゆうと先頭を行く。後ろでは2km手前で4位発進の兵庫・池野絵莉が前を行く静岡、宮城を交わして2位にやってきた。さらに後ろで2.3kmで大阪の村井和果が10位ら6位にやつてきて5位の長崎を追いはじめ、京都の伊藤愛波も7位までやってきた。
 兵庫はトップ長野に迫るが、長野の今井はトップをまもった。
 5区を終わってもトップは長野、2位は15秒遅れで兵庫、3位は35秒遅れで大阪、4位は39秒遅れで静岡、5位は43秒遅れで宮城、6位は43秒遅れで長崎、7位は58秒遅れで京都、8位は1分14秒遅れで鹿児島、9位は1分15秒遅れで神奈川、10位は1分17秒遅れで千葉……。区間賞は大阪の村井和果で13分11秒だった

第6区(4.0875km)
 長野の窪田舞はトップで跨線橋の坂をくだってゆく。1km=3:09……。追う兵庫の金子聖奈も同じようなペースで差はつまらない。
 後ろでは1.5kmになって京都の杤尾佳穂が長崎をかわして6位に浮上、さらに3kmでは宮城を交わして5位までやってくる。
 前のほうの順位に変動はないが大阪が兵庫との差を詰めてくる。
 長野がここも変わらずトップ通過、2位は18秒差で兵庫、3位は19秒差で大阪、4位は37秒差で兵庫、5位は50秒差で京都、6位は1分06秒差で宮城、7位は1分16秒差で岡山、8位は1分19秒差で神奈川、10位は1分29秒差で長崎だった。区間賞はここも大阪、薫英女学院のトリオのひとり田谷玲で12分54秒……。

第7区(4km)
 2位兵庫とほとんど同時にスタートした大阪の河村璃央が兵庫をかわして、猛然と先頭を追い始め1kmでその差は10秒と詰まった。そして1.3kmでは逆転トップに立つも長野の本田結彩も粘ってくらいついた。
 後ろでは京都の小林美友が1.7kmで静岡をとらえて4位までやってきた。
 2kmになるとトップの大阪と長野の差は20m、その差はさらにひろがり3km手前では10秒となった。長野と兵庫が並走、後方からは京都がやってくるという展開になった。
 兵庫と長野の激しい2位争いを尻目に大阪はここではじめてトップに立ってタスキをつないだ。
 2位は長野で16秒差、3位は18秒遅れで兵庫、4位は57秒遅れで京都、5位は1分28秒遅れで静岡、6位は1分40秒遅れで岡山、7位は1分40秒遅れで千葉、8位は1分43秒遅れで広島、9位は1分47秒遅れで宮城、10位は1分52秒遅れで神奈川……。区間賞はここも大大阪の河村璃央で区間記録に迫る12分25秒だった。

第8区(3km)
 大阪の田中美空が先頭、後ろでは兵庫の福井詩が長野を交わして2位に上がってきて、1.3kmではトップの大阪と16秒差、大阪を追い始める
。2.4kmになって大阪と兵庫の差は30m、そして中継所手前の2.9kmで兵庫が大阪を逆転、初めてトップに立った。
 2位は5秒遅れで大阪、3位は長野で20秒遅れ、4位は静岡で53秒差、5位は京都で53秒差、6位は岡山で1分17秒遅れ、7位は神奈川で1分35秒遅れ、8位は広島で1分46秒遅れ、9位は宮城で1分48秒遅れ、10位は千葉で1分50秒遅れだった。区間賞は静岡の金田陽愛で10分10秒だった。

第9区(10km)
 かくして優勝争いは最終区までもつれた。
 トップの兵庫と2位の大阪との差はわずか5秒、3位の長野も20秒暮れ、4位、5位の静岡、京都までも53秒である。いずれにもチャンスは十分にあるという展開だった。
 兵庫の永長里緒の大阪の逸見亜優が1.8kmで追いついてしまう。長野の村上愛華が単独で前を追う。後ろでは5位発進の京都の川村楓が3.1kmで並走していた静岡を振り切って3位の長野を追い始める。
 川村がベストで出てきていれば53秒差ぐらいはひっくり返すだろうが、どうも動きが鈍くて、静岡を振り切るのがはっとというありさま。
 よって永長と逸見が逃げる。5kmの通過も両者は並走状態、25秒後ろに村上がいて、川村との差もほとんど変わりはない。優勝はこの時点で大阪と兵庫にしぼられた。
 7.8kmになって永長が前に出ゆとするが、逸見が許らずに残り1kmまでつばぜり合いがつづいた。
 トップ争いに変化が兆したのは競技場を目前にした9.2km、ここで逸見が前に出る。その差は3m、5mとじりじりとひろがっていった。逸見が競技場に現れたときその差は20mほどにひろがり、そのままゴールに飛び込んだ。
(9区区間賞は群馬の樺沢和佳奈(三井住友海上)で唯一1人31分台となる31分57秒……。

 大阪は1区31位から逆転、3年ぶり5度目の制覇である。
 序盤は大きく後れをとったが5区から7区の高校生、薫英女学院のランナーがひっくりがえした。奇跡の大逆転というべきか。6区まで長野にトップを奪われ、そのままゆくかとおもいきや、7区でひっくりがえした。
 逆転の主役となった薫英女子学院のメンバーは、暮れの高校駅伝で長野にやぶれた悔しさをバネにしてリベンジしたのである。
 2位の兵庫は2区の田中希実の爆走で一気に流れに乗った。その後も堅実に上位をキープ、最後は競り負けたが大阪ときわどい勝負になった。
 3位の長野は暮れの高校駅伝を制した長野東のランナーたちが快走、1区の田畑陽菜は並みいる実業団、大学生ランナーを一蹴する爆走ぶり、みごとだった。6区までトップを走りあわやと思わせた。
 4位の京都は連覇を狙ったのだが……。1区で30位、2区を終わっても17位、これでは勢いがつかない。昨年は2人でトップに立ったのだが、区間30位、区間25位という信じられない崩れかたである。1区の佐藤やは暮れの全日本選抜駅伝1区で区間賞のランナー、中地も力のあるランナーなのだが……。おそらく走れる状態ではなかったのだろう。
 それでも4区の高校生・芦田和佳の14人抜き区間賞で弾みをつけ5~7区の高校生の快走でトップをうかがうところまで押し上げてきて、地力のあるところをみせた。
 高校生はふんばったが一般(実業団、大学生)ランナーがぶちこわした。走れるような状態でなかったことだろう。高校生に恥じなければなるまい。
 岡山、群馬、埼玉、静岡までが入賞である。
 なかでも8位に終わった静岡、4区の齋藤みうで2位まで順位を押し上げ、8区まで4~.5位をキープしていた。これは大健闘だった


◇ 日時 2025年01月12日(日)12時30分スタート
◇ 場所 京都市
◇ コース たけびしスタジアム京都発着 宝ヶ池国際会議場前折り返し9区間49.195Km 
◇ 天候:くもり 気温:10.3度 湿度:26% 風:北東2.2m(12:00)
◇ 大阪(塚本夕藍、中島紗弥、東野翠、佐藤千紘、村井和果、田谷玲、田中美空、逸見亜優)
◇公式サイト:
◇詳しい成績:
 

 

青山学院大が史上初の2度目の総合三連覇
  往路・復路ともに大会新で圧勝!

 

 

 終わってみれば今シーズンも青山学院大強かった。
 戦前の下馬評では本命は全日本を制した駒澤大、対抗が國學院大と中央大で、優勝争いはこの三校が有力で、青山学院大は早稲田大とならんで、その次の評価だった。
 メディアの青山学院大の評価はきわめて低く、往路であれほど劇的に勝利をおさめても、まだ眉にツバしていた。國學院大、中央大、駒澤大の復路逆転はあるなどと本気モードで書いていた。
 そんな下馬評をあざ笑うかのように、復路も青山学院大はいちどもトップを譲るシーンがないままに大会新でゴールにとびこんだ。
 青山学院大はこれで三連覇、史上初の二度目の総合3連覇である。
 今回に関していえば、原監督の采配がみごとにハマったといえるのではないか。今シーズンの青学は出雲で5位、全日本では3位だが、内容を見ると、いずれも黒田朝日の爆走でそこまで順位をかせいでいる。
 前回とはまるでチーム事情が異なっている。前回は太田蒼生という絶対的エースがおり、山の上り下りには若林、野村というスペシャリストがいた。ところが今回は黒田朝日というスーパーエース中心の陣容である。この切り札の黒田をどの区間で起用するか。黒田を最大限に活かすことを考えた結果、それは山登りの5区ということになったのだろう。
 2区と5区、どちらにでも起用できるかたちにしておいて、最終的に5区に配した。通常ならば2区だろう。だが2区は各チームのエースがそろう。それでも黒田ならば区間賞をとるだろうが、後ろとの差はそれほどつかないだろう。ならば大きな差がのぞめる5区という結論になったのだろう。
 そのように考えると、黒田の5区起用はバクチでもなんでもなく、きわめて理にかなった選択だったといえる。
 その監督の期待にこたえた黒田は3:24という大差、距離にして1km以上もあるトップとの差をひっくりがえしてしまった。
 山登りの5区で、往路だけでなく、復路もふくめた勝負の流れは一気に青山学院大に雪崩打ったといえそうである。
 さらに……。
 復路のメンバーをみても駅伝初登場のランナーが何人かいたが、みんな20kmを超える距離を無難にこなした。このことからみて、おそらく青学は出雲、全日本は捨てて罹っているとはいわないが、日頃から「箱根」に特化したトレーニングをしていたのではないか。
 もうひとつ……。
 青学のランナーたちはいずれも万全のコンディションで登場している。日々の練習はもとより、寮生活や食事面もふくめたトータルのコンディションづくりなど、周辺のサポート体制もきちんと整備されているとみた。
 対照的なのは駒澤大、中央大である。
 優勝候補の筆頭といわれた駒澤大は5区予定の山川を予定通り使えなかった。さらにスーパーエースの佐藤に関しては怪我をかかえていないときのほうがまれで、今回も勝負のかかった区間に使えていない。中央大ももう一枚のエース・吉居駿恭を怪我の影響で勝負所に使えていない。いずれもトータルのコンディションをふくめたチームの管理に手抜かりがあったとみる。

  往路:箱根の山に朝日がのぼる!
    青山学院大が5区の山登りで大逆転!


第1区(21.3km)
 前回は中央大の吉居駿恭がスタートから大逃げを打ったこの1区、飛び出したのは同じ中央大の藤田大智だった。
 1kmは2:49、1~2kmは2:56……。青山学院大の小河原陽琉がピタとつけたが、國學院大の青木瑠郁はなぜか集団の最後方に位置している。
 3kmは藤田、日本体育大の平島龍斗のを先頭にして8:25というハイペースで進む。3.5kmになって集団は二つに割れた。先頭集団は中央大、日体大、青学大、大東大、東海大、東京国際大、帝京大の7チーム、第2集団は國學院大の青木がひっぱるちう天下になった。
 5km通過は14:03で、区間新より速い。第一集団と第二集団との差は40mほどだったが、7kmになって第2集団が追いついてしまう。先頭集団は20チームになって、ここで遅れていた青木が先頭に出てくる。
 10km通過は28:23、関東学生連合の川崎楓が引っ張展開になり、トップ集団は19チーム、帝京大と立教大がこぼれていった。
 10.5kmでは青木が先頭に立つ。先頭集団は國學院大、中央学大、学生連合、中大、東洋大、駒大……、
 13.6kmになると東洋大の松井が先頭に出てくる。先頭集団は東洋、國學院、日本体育大、中央大、早稲田大、駒澤大、関東学連、第2集団は9チーム……。
 松井は飛びだして、14,7kmでは後ろとの差は20m、松井の15km通過は42:37、後ろでは青学の小河原が11位集団からも落ちてゆく。
 16kmになると2位集団が少しずつ松井との距離をつめてきて、16.2kmでは関東学生連合の川崎楓が先頭に立つが、16.8kmでは國學院大の青木がペースを上げてきて抜け出し、早稲田大、駒澤大は遅れ始める。
 17kmを過ぎたあたりではトップは國學院の青木、30mほど遅れて中央学大、中大、東洋大、関東学生連合の4チームが2位集団。さらに20mほど遅れて駒澤大と日体大という展開になった。
 青木は快調で後続をひきはなし18.7kmでは2位集団とのさは40m、その2位集団から20kmをすぎて中央大の藤田と関東学生連合の川崎が抜け出してくる。
 青木は50mほどの差をつけて鶴見の中継所へ……。
 トップは國學院大學、10秒遅れで2位が中央大、3位が関東学生連合、15秒遅れで4位が東洋大学、5位は17秒遅れで中央学院大が、6位は19秒遅れで駒澤大、7位は22秒遅れで城西大、8位は29秒遅れで早稲田大、9位は32秒遅れで日本体育大、10位は51秒遅れで順天堂大とつづいたが、連覇をねらう青山学院大は1分19秒遅れの16位と出おくれた。区間賞は國學院大・青木瑠郁、1時間0分28秒は区間新記録である。

第2区(23.1km)
 最初の勝負どころというべき2区にはいってもめまぐるしく順位は変転する。
 2位発進の中央大は溜池一太、700mでトップをゆく國學院大の上原琉期をとらえて早くもトップに立った。
 3kmではトップが中央大と國學院大、後ろは東洋大と関東学生遠郷が並走、さらに後方には中央学院大、駒澤大とつづいていた。さらに後ろは早稲田の山ロ竣平と城西大のキムタイが並走しながら駒澤大を追っていた。
 4.9kmになると山口とキムタイが4位の駒澤大の桑田駿と中央学院大の市川大世に追いついてしまう。この4位集団が5.3kmで3位の東洋大・西村真周に追いついてしまった。
 5.5kmになって中央大の溜池は上原をじりじりと引き離しはじめる。このころはるか後方では東海大、大東文化大、青山学院大が15位集団をなし、これを日本大学のキップケメイが追ってきた。
 早稲田の山口と城西大のキムタイは6.2kmで関東学生連合をとらえて順位をあげてくるが、トップをゆく中央の溜池は軽快にとばして独り旅、8kmすぎでは國學院との差を9秒とした。
 溜池の10kmの通過は27:53……。後ろからは山口とキムタイの追い上げが急で、12.4kmでは國學院・上原との差はわずか4秒になる。そして12.8kmでは追いついてしまい2位集団となる。
 15.3kmの権太坂ではトップが溜池、軽快に坂を上ってゆく。2位集団の山口、キムタイとの差は32秒、後ろは國學院大、駒澤大、山梨学院大、となっていた。
 順位争いが熾烈になってきたのは16kmからで権太坂の下りあたりからキムタイがペースアップして山口を置き去りにし、溜池を追い始めたのである。その差はみるみる詰まり、17.8kmではわずか6秒、18.2kmでは溜池に追いついて一気に引き離した。
 後ろでは青山学院大の飯田朝大がじわっと順位を上げ19.5kmで神奈川大、日本体育大をかわして12位までやってきた。
 トップに立った城西大のキムタイは区間区録を上回るペースで21kmを通過、後ろでは中央大と早稲田大が激しく2位を争っていた。山口の背後に迫るのだが溜池も粘って抜かせない。……
 城西大のヴィクター・キムタイは1時間5分10秒という驚異的な区間新記録で奪首、もちろん区間賞である。
 2区を終わってトップは城西大、43秒遅れで2位が中央大、44秒遅れで3位が早稲田大、4位は1分06秒遅れで駒澤大、5位は1分15秒遅れで山梨学院大、6位は1分35秒遅れで國學院大、7位は1分42秒億rで創価大、8位は1分49秒遅れで順天堂大、9位は1分49秒差で日本大学、10位は1分51秒差で東京農大とつづき、青山学院大は2分15秒遅れで11位までやってきた。

第3区(21.4km)
 城西大の小林竜輝は快調に坂を下ってゆく。後ろからは早稲田の追撃をふりきって中央大の本間がじいじりとやってくる。
 後ろでは駒澤大の帰山傭大が2.3kmで早稲田の山ロ竣をとらえて3位に浮上してくるが山口も粘って3.3kmでは追いついた。さらに後ろでは國學院大の野中恒が3km手前で山梨学院大をぬいて5位までやってくる。
 トップの小林の5km通過は14:07秒、中央大の本間が少しずつその差を詰めている。
 藤沢ではその差は13秒、27秒遅れで駒澤、54秒遅れで早稲田、以下、國學院、山梨学院大、創価大、順天堂大、青山学院大とつづいていた。
 本間の追い上げ急で、9.5kmではその差は10秒、そして10.7kmでは小林に追いつき、一気にトップに立った。小林はしばらく食いさがっえちたが、13km手前になるとその差はひろがっていった。
 14.4kmの茅ヶ崎ではトップは中央大、その差は11秒、3位は駒澤大で52秒差、4位は早稲田で54秒差、5位は國學院で1分20秒差、6位は山梨学院大で1分40秒差、7位は創価大、青山学院大は東京農大、日本大学と99位争いを演じていた。
 本間はその後も快調で18kmすぎでは城西大との差を43秒、20km手前では1分ちかうにしてしまう。青山学院大のこの区は宇田川瞬矢、18km手前では8位まで順位をあげてきて、そのまま今回もトップでつないだ。
 かくしてトップ通過は中央大、2位は59秒遅れで城西大、3位は1分07秒差で駒澤大、4位は1分48秒差で早稲田大、5位は2分07秒差で國學院大、6位は2分30秒差で順天堂大、7位は2分56秒遅れで創価大、8位は3分16秒差で青山学院大、9位は3分25秒差で東京農大、10位は3分29秒差で日大だった。区間賞は2年連続で中央大の本間颯、タイムは1時間0分8秒、区間歴代3位である。

第4区(20.9km)
 トップを行く中央大のこの区は岡田開成、淡々とトップを行く。後ろでは早稲田大の鈴木琉胤が4km手前から前を行く駒澤大、さらに詳細だいとの差をどんどん詰め始める。
 9.1kmの二ノ宮ではトップは中央大、1分33秒遅れで駒澤大、1分43秒遅れで早稲田大、1分58秒遅れで國學院大、2分09秒遅れで城西大、3分04秒遅れ順天堂大、3分21秒遅れで青山学院大がつづくという展開になっていた。
 早稲田の鈴木の勢いが止まらない。9.8kmでは駒澤大の村上響を交わして2位にあがってきた。村上は鈴木についてゆけんくて、遅れていった。
 12km手前になると鈴木と村上の差は100m、その後ろから國學院大の辻原輝がひたひたと迫ってきた。そして12.5kmでは辻原が村上を抜いて3位に浮上した。
 遅れていた青山学院大も、この区間に配された平松享祐が快走、13.6kmでは前を行く順天堂大の川原琉人を交わして6位に浮上してきた。
 15.4kmの酒匂橋も中大の岡田がトップ通過、まだ2位の鈴木の姿はみえない。1分11秒もの差があった。3位以降は國學院大、駒澤大、城西大、青山が悪院大、順天堂大というかたちになっていた。
 青山学院大の平松の勢いがよくなり18.8kmでは落ちてきた駒澤大の村上を抜いて5位にやってきた。
 19kmをすぎても2位の早稲田・鈴木は快調、区間新ペースで、中央・岡田との差をつめてゆく。
 岡田はなんとかトップをまもって中継所にとびこんだ。
 4区を終わって先頭は中央大、2位は1分12秒差で早稲田大、3位は2分29秒差で國學院大、4位は3分24秒差で城西大、5位は3分25秒差で青山学院大、6位は3分50秒差で順天堂大、7位は3分54秒差で駒澤大、8位は5分04秒差で創価大、9位は5分22秒差で東京農大、10位は5分33秒差で日大とつづいた。区間賞は早稲田の鈴木琉胤で1時間00分01秒、区間記録にわずか1秒おどかなかった。

第5区(20.8km)
 トップをゆくのは中央大の柴田大地、箱根の山をのぼってゆく。注目は4位の城西大・斎藤将也と同時にタスキをもらった青山学院大の黒田朝日、早くも1.5kmで斎藤を置き去りにしていった。
 中央の柴田を追うのは早稲田大の工藤慎作、快調なリズムで前を追い始める。3.6kmの函嶺洞門ではその舎56秒に詰まった。後ろは2分29秒遅れで國學院大、3分15秒遅れで青山学院大、3分33秒差で城西大がつづいていた。
 工藤と黒田はほぼ同じペースで山をのぼってゆく。工藤はコースの最短をただりながら巧妙に上ってゆく。
 7.1kmの大平台では柴田と工藤の差は29秒とつまった。後ろは2分01秒遅れで國學院大、2分26秒遅れで青山の黒田がつづき、黒田は区間新ペースで追い上げてくる。
 工藤は柴田との差をどんどんと詰め、8,7kmではわずか10秒、そして9.3kmでは柴田をとらえてしまった。
 黒田も快調で9.8kmで國學院大の高石樹をぬいて3位に浮上してきた。
 10kmの通過は黒田がトップで30:55、工藤を上回るペースで追い始める。
 11.9kmの小涌園ではトップが早稲田大、23秒遅れで中央大、1分02秒差で青山学院大の黒田が追ってきていて、工藤と黒田との差も急速に詰まり始めていた。
 15,5kmになると黒田のほうから工藤の姿がみえるようになる。15.8kmの芦之湯ではその差はわずか15秒になってしまう。下りに入ってその差はさらに接近、18.8kmではとうとう黒田は工藤の背中にピタとつけた。そして19.2km、黒田は工藤をかわして5位から逆転トップに立ったのである。
 工藤にはもう追いすがる余力がなく、黒田は驚異的なペースで芦ノ湖畔を軽快に駆け抜けて歓喜のゴールにとびこんだ。青山学院大は区間新で3年連続8回目の往路優勝である。むろん黒田は区間新で区間賞、1時間07分16秒、それまでの区間記録を2分ちかく上回る驚異的な区間新区録である。

【往路順位】

(1)青学大      5時間18分09秒
(2)早大          +18秒
(3)中大        +01分36秒
(4)国学院大      +01分54秒
(5)城西大       +02分12秒
(6)順大        +03分41秒
(7)駒大        +04分52秒
(8)創価大       +05分54秒
(9)日大        +06分52秒
(10)東海大       +08分02秒
(11)中央学院大     +08分14秒
(12)山梨学院大     +09分21秒
(13)東農大       +09分55秒
(14)神奈川大       +10分18秒
(15)東洋大        +10分48秒
(16)日体大        +11分57秒
(17)帝京大        +12分18秒
(18)東京国際大      +12分38秒
(19)大東文化大      +13分43秒
(OP)関東学生連合     +13分55秒
(20)立大         +14分57秒


 青山学院大が復路新で逃げ切った
 國學院大が猛追、帝京大がきわどくシード権


第6区(20.8km)
 時差スタートの復路……。
 首位の青山学院大の山下りは1年生の石川浩輝、1kmの入りが2:49で軽快に前をゆき、2,3kmでは早くもその差がひらきはじめる。後ろでは國學院大の後村光星が2.8kmで中央大の並川粗大をとらえて3位に浮上してくる。
 5.1kmの芦之湯ではトップが青山学院大、21秒遅れで早稲田大、1分28秒遅れで3位が國學院大、1分48秒遅れで4位に中央大、2分26秒遅れで5位に城西大、4分14秒差で6位に駒澤大。
 下りに入っても石川は軽快に駈け下りてゆく。後ろでは中央大の並川が8.5kmで國學院大の後村をとらえた。
 9.1kmn小涌園ではトップの青学と2位の早稲田との差は29秒にひろがった。後ろは1分44秒遅れで中央大と國學院大、2分51秒遅れで中央大、2分51秒遅れで城西大、以下駒澤大、順天堂大創価大とつづいていた。
 青山学院大と早稲田大との差はじりじりとひろがってゆく。
 宮ノ下では40秒……
 13.5kmの大平台では56秒と1分近くにひろがった。早稲田のあとは1分52秒遅れで中央大学、2分11秒遅れで國學院大、3分15秒冴え城西大。何と駒澤大とはトップから4分11秒にひらいていた。
 石川の15km通過は41分23秒、駒澤大との差はますますひろがってゆく。
 函嶺洞門では青山学院大と早稲田大との差は1分23秒、その30秒後ろに中央大がいた。箱根湯本をすぎて石川はさらにリードをひろげ、坂をくだりきって平地にはいってからもピッチはおとろえることなく、後ろとの差をひろげて7区につないだ。
 かくして6区を終わってトップは青山学院大、1分33秒お遅れで2位が早稲田大、1分57秒遅れで3位が中央大、3分22秒遅れで4位が國學院大、3分49秒遅れで5位が城西大、4分27秒遅れで6位が駒澤大、5分24秒遅れで7位が順天堂大、5分26秒遅れで8位が創価大、8分56秒遅れで9位が日本大学、9分54秒遅れで10位が中央学院大となった。区間賞は創価大の小池莉希で56分48秒、区間歴代2位である。

第7区(21.3km)
 トップの青山学院大は佐藤愛斗、ゆうゆうとトップを行く。ライバルの國學院大とは3分以上、駒澤大とは4分もの差が付いている。
 後ろでは3kmで2位をゆく早稲田大の間瀬田純平を中央大の七枝直が追い始める。
 佐藤は着実にペースをまもるなか、5kmあたりから國學院大の高山豪起が中央大、早稲田大に接近してくる。
 佐藤は快調で二ノ宮では2位の早稲田大と中央大に2分20秒の差をつけた。この2位、3位を高山が追い、9kmすぎでは30秒ほどの差になる。10.3kmでは順天堂大の玉目陸が後ろから追ってきて駒澤大の谷中晴をとらえ6位に浮上する。
 國學院大の高山は好調で、12,8kmで2位グループの早稲田大と中央大を一気に抜き去って青山学院大を追い始めた。
 順天堂の玉目も快調で13kmでは笑顔で駒澤の谷中を抜いてゆく6位にやってきた。
 青山学院大の佐藤の15km通過は43:46……。16kmをすぎてもペースを落とさないのだが、國學院大の高山が区間記録を上回るペースで猛追してくる。18.4kmの大磯ではその差1分49秒となった。しかし佐藤は堅実に走り切った。
 7区を終わってトップは青山学院大、1分29秒遅れで2位に國學院大、2分25秒遅れで3位は中央大学、2分43秒遅れで4位は早稲田大学、3分58秒遅れで5位は城西大、4分56秒遅れで6位は順天堂大、5分16秒遅れで7位は駒澤大、7分25秒遅れで8位は創価大学、9分45秒遅れで9位は日本大学、11分26秒遅れで10位は中央学院……。区間賞は國學院大の高山豪起で1時間0分54秒、区間歴代2位である。

第8区(21.4km)
 青山学院大は今回もこの区間は塩出朔太である。小気味のいい腕振りでピッチをあげてゆく。追う國學院大の飯園新大も1kmを2:50で入るが追いきれない。6.7kmの茅ヶ崎では1分45秒とその差がひろがった。
 後ろでは順天堂大の永原填磨が好調で10kmでは城西大の小田伊織をとらえて5位に浮上してきた。
 青山学院大の塩出のペースはゆるぎなく、15kmは44:05……。15.6kmの遊行寺では國學院大との差は1分33秒、後ろは2分55秒差で中央大、4分16秒差で早稲田とつづいていた。
 國學院大の飯園は追いきれず、18.4kmの権太坂では1分58秒差と差をひろげられてしまう。
 塩出はその後、ペースを落とすことなく、さすが経験者という走りでトップを護って中継所にとびこんでいった。
 トップは青山学院大でゆるがす、1分44秒差で2位は國學院大、3分14秒差で3位は中央大、5分07秒差で4位は早稲田大、5分15秒差で5位は順天堂大、6位は5分39秒差で城西大、7位は6分05秒差で駒澤大、8位は8分54秒差で創価大とつづいた。
 区間賞は青山学院大の塩出翔太、1時間3分45秒は区間記録を4秒更新した。

第9区(23.1km)
 8区で優勝にかなりちかずいた青山学院大は4年生の佐藤有一、最初で最後の駅伝である。
 追う國學院大の野田顕臣は1km=2分37秒とぶっこんで入ったがトップの佐藤にゆるぎはなかった。ゆうゆうと権太坂を駆け上がり、その差はむしろひらきはじめた。14.7kmの横浜では2分15秒にその差はひろがってしまう。
 はるか後ろでは往路17位の帝京大が猛追、みえないシード権ラインに37秒と迫っていた。
 國學院大の野田顕臣も死ねはいなかった。20.2kmではその差、2分02秒と少し詰めてきた。だが追撃もそこまでだった。
 ここもトップは青山学院大、2位は國學院大で1分59秒差、3位は4分23秒差で中央大、4位は5分15秒差で早稲田大、5位は6分差で順天堂大、6位は6分31秒差で城西大、7位は7分45秒差で駒澤大、8位は11分21秒差で創価大、9位は14分41秒差で日本大学、10位は14分44秒差で中央学院大、そこからわずか14秒差に帝京大が迫っていた。
 区間賞は青山学院大の佐藤有一で1時間7分38秒、区間歴代3位である。

第10区(23.0km)
 青山学院大のアンカーは2年生の折田壮太、ゆうゆうとトップを独走するはるか7分遅れの後方から駒澤大のスーパーエース佐藤圭太がスタートして追ってゆく。
 折田の1kmは2;45秒、快調な入りで、5.5kmも区間トツプ、もはやビクトリーロードを独りゆく。6kmでは2位の國學院大との差は2:11とひろがった。
 シード権を目指す帝京大の鎗田大輝は、競り合っている日大と中央学大とはほぼ同じペース、だが復路の繰り上げの関係で両校は後ろにいる。現実には両校を追っているのだが、自身は前にいて逃げながら、追っているという奇妙な空間のなかで懸命にもがいていた。
 青山学院大の折田は10kmを29分06秒で通過、駒澤大の佐藤は12.6kmになって城西大に追い始めた。
 13.5kmの御成門では折田と國學院大の尾熊迅斗との差は2分23秒差、復路新、総合でも新記録を狙えるペースである。駒澤大の佐藤は13.7kmで城西大を抜いて6位に浮上してきた。
 好調なのは順天堂大の山本悠で、19.1kmでは3位争いの早稲田大と中央大に迫り、19.7kmでは両校をかわして3位に浮上した。
 20kになっても折田はペースが落ちることなく、運営管理車の原監督の声かけに手を挙げて答えるほど……。3連覇に向けて銀座、日本橋を軽やかに駆け抜けて、そのままごーるした。
 10区の区間賞は佐藤圭汰で1時間7分31秒は、従来の記録を19秒上回る区間新だった。

 青山学院大は3年連続9回目の制覇。総合記録は10時間37分34秒(大会新)往路(5時間18分08秒)、復路(5時間19分26秒)も新記録という完全Vを達成した。
 2位は國學院大で10時間40分07秒。これも大会新で大学最高の2位でのフィニッシュである。予選会上がりの順天堂大が大健闘で3位。早稲田大は4位、5位は中央大、大本命といわれた駒澤大は6位、以下、城西大が7位、8位は創価大、帝京大は9位のもぐりこみ、日本大学も10位でシード権を手にした。

 優勝した青山学院大は箱根一本にしぼって、そこにすべてを集中した総合戦略が功を奏したのだろう。往路は紛れはあったが、終わってみればほぼもくろみ通りに山を制し、あとは、メンバーそれぞれがおのれの役割をきちっと果たした。区間賞は5区の黒田朝日、8区の塩出翔太、9区の佐藤有一の3つだが、それぞれが効果的で値打ちのある苦難種である。黒田は大逆転で青学に一気に勝利の流れをよびこんだ。MVP金栗賞派」至極当然の結果である。8区の塩出は7区で國學院大に流れがゆきそうなところで、再びそれを断ち切った。9区の佐藤はダメ押しの区間賞である。
 加えて最後の最後までみきわめてオーダーと組んだ原監督の区間配置はファインプレーというべきだとう。

 2位の國學院大も力を出し切った。優勝した青山学院大とほぼ互角の勝負をしたといえる。復路の7区を終わったところで、あわや……ともわせたところは、さすがというべきか。
 3位の順天堂大は大健闘である。予選会あがりから、往路6位、復路4位で総合3位まであがってきて、5強のうち、早稲田大、中央大、駒澤大をうわまわった。
 4位の早稲田大は往路であわやと思わせた。往路優勝は目前で潰えたが、前評判通りの強さを示した。復路はメンバーからみていたしかたがないところだろう。
 優勝が最有力といわれていた駒澤は6位、対抗格の中央大は5位におわった。いずれもベストの布陣でのぞめなかかったのが最大の敗因だろうが、コンディションづくりも含めて、それらすべてが実力のうちである。戦う以前に敗れていた。
 シード権争いは最後まで日本大学、中央学院大、帝京大で最後の最後まで、二つの椅子を奪い合ったが、日本大学と帝京大学がすべりこんだ。
 復路17位から最終的に総合9位に押し上げた帝京大学の粘りは驚異的だぅた。


◇ 日時 2026年1月2(金)~3日(土) :午前8時00分 スタート(金) :午前8時00分 スタート
◇ コース: 東京・読売新聞東京本社前~箱根・芦ノ湖間を往路5区間(108.0Km)、復路5区間(109.9Km)の合計10区間(217.9km)
◇天気:往路 晴れ 気温:05.0℃ 湿度%: 風: 
      :復路 晴れ 気温:-00.8℃ 湿度:  風:
◇青山学院大(小河原陽琉、飯田朝大、宇田川瞬矢、平松享祐、黒田朝日、石川浩輝、佐藤愛斗、塩出翔太、佐藤有一、折田壮大)
◇公式サイト:
◇総合成績:
 

 

GMOインターネットグループが創部10年にして初制覇
  2区からスピードで押し切って圧勝

 

 

 旭化成、トヨタ自動車、HONDA、富士通、さらにコニカミノルタを含めて、この5チームがながく実業団駅伝の中心をなしてきた。優勝チームはこのあかのいずれかから輩出している。
 だが……
 奇しくも女子と同じく男子の場合もその勢力地図が変わりつつある。本大会はそのことを象徴するかのようであった。
 本大会、優勝争いを演じたのはGMOであり、りロジスティードであり、サンベルクスで、5強は終始優勝争いには絡んでこれなかった。
 その、底流には強豪チームもふくめて全般的に各チームとも戦力の新旧交代期にさしかかっているという現実もあるのだろう。
 圧勝したGMOは若い伸び盛りのランナーがそろっていて、かれらがいかんなく持てる実力を発揮した。
 特筆すべきは青山学院大出身のランナーが7人のうち4人を占めていることである。同学の原監督がこのチームの指導者でもあるので、さもありなんというべきだが、実業団駅伝にも原ソードが着実に浸透してきて、ここで実を結び始めたというべきだろう。従来の実業団システムではなく、新方式のチームづくりが芽を吹いたといういみでも、新しい潮流の出現を象徴するものだといえそうである。

第1区(12.3km)
 ポイントとなる第1区、昨年は旭化成の長嶋幸宝が制して旭化成に弾みをつけたが、今回はNDソフトの東海林宏一が飛び出した。1kmは2分48秒、トヨタの吉居大和や長嶋幸宝は集団の後方にいる。
 4kmすぎになると東海林と後ろの39人の集団との差はつまりはじめ、4,7kmで東海林は吸収されてしまう。
 5kmの通過は14:20……。
 6kmになると集団はタテ長になり8kmになるとサンベルクスの新山舜心、プレス工業の滋野聖也らが集団を引っ張り始める。
 トヨタ自動車の吉居大和、GMOの吉田祐也、SUBARUの三浦龍司など主力どころが前に出ていたのは9.3kmあたり、9.8kmでは吉居大和が集団をひっぱる。10kmの通貨は28:26……。吉田、三浦、それに住友電工の遠藤日向、ロジスティードの富田峻平が競り合っている。
 11kmをすぎて吉田裕祐也がペースアップ、11.6kmになると富田峻平が仕掛け、HONDAの森凪也がつづいたが、富田がトップで中継所に飛び込んだ。
 1区を終わって、トップはロジスティード、2位は1秒遅れで中国電力、3位は2秒遅れでHonda、4位は3秒遅れでヤクルト、5位は3秒遅れでコニカミノルタ、6位は4秒遅れでSUBARU、7位は5秒遅れでトヨタ自動車、8位は5秒遅れで富士通、以下、GMO、旭化成、JR東日本とつづいた。区間賞はロジスティードの富田峻平で34:23である。
た。

第2区(21.9km)
 最初の勝負所となる区間である。
 第1区はほとんど差のない状態でなだれ込んできたので、先頭集団は15チームぐらいがひとかたまりになって仕切り直しというかたちになったが、そのなかで2kmをすぎてロジスティードの平林清澄が前に出てきて積極的に引っぱり、GMOの今江勇人がピタとマークするようかたちで追走する。
 3kmをすぎると平林、今江にくわえてHondaの小山直城らがトップ集団を形成、トヨタ自動車の鈴木芽吹、旭化成の相澤晃、SuBARUの小林歩、大塚製薬の梅崎蓮らが第2集団をなして進。
 5kmになると先頭集団は7人にしぼられた。平林、今江、小山、プレス工業の橋本龍一大阪ガスの西研人、黒崎播磨の福谷颯太、中国電力の菊池駿弥である。
 後ろからはサンベルクスの吉田響がごぼう抜きで順位をあげてくる。
 6kmになると先頭集団から菊池と福谷がこぼれて5人となり、6.4kmになって、今江が仕掛けると、平林、橋本は反応したが、小山らは置き去りにされてゆく。、、
 背後では吉田響の勢いがとまらない。8km手前では5位集団をかわして19人抜きであがってきた。吉田と鈴木芽吹が小山を吸収して4位集団をなして追いはじめる。
 10kmをすぎると吉田が4位集団をひっぱり、トヨタ自動車の鈴木芽吹、トヨタ紡織の西沢侑真をひきつれて先頭集団に迫ってくる。
 吉田はさらに13kになって一気にトップ集団をとらえてトップに立った。吉田にくらいついたおは平林と今江、橋本はここで落ちこぼれていった。
 このトップ集団を割ったのは今江、20.8kmでスパートをかけた。平林は遅れ、吉田は粘っていたが振り切られ、その差が開いていった。
 2区をおわってGMOがトップ、2位は6秒遅れでサンベルクス、3位は13秒遅れで路地スティード、4位は49秒遅れでトヨタ紡織、5位は51秒遅れでトヨタ自動車、6位は1分04秒遅れでHonda、7位は1分04秒遅れで大阪ガス、8位は1分06秒遅れで旭化成となぅた。
区間賞はサンベルクスの吉田響で、1時間1分01秒の区間新、GMO・今江勇人、ロジスティード・平林清澄も従来の区間記録を更新した。

第3区(15.3km) 
 トップに立ったGMOのこの区間は鈴木塁人で、軽快にピッチをきざんでひた走り、後続を引き離しにかかる。
 追ってくるのはロジスティードの藤本珠輝とサンベルクスの越陽汰が2位集団をなしているが、4kmでは12秒差にひらいてしまう。鈴木はその後もペースが落ちない。9km手前ではその差は30秒にひろがった。
 鈴木の10km通過は27:44ときめて快調である。2位集団は10kmすぎで藤本が越をふりきり、先頭の鈴木を追い始める。
 鈴木はそのままリードを保ち、GMOはこの区間でレースの主導権をにぎった。
 3区を終わってトップはGMO、2位は35秒遅れでロジスティード、3位は47秒遅れで参ベルクス、4位は1分13秒遅れでJR東日本、5位は1分30秒遅れで大塚製薬、6位は1分22秒遅れでトヨタ紡織、7位は1分25秒遅れでトヨタ自動車、8位は1分28秒遅れで住友電工だった。区間賞は27位スタートして7人をかわして20位でタスキリレした富士通・篠原倖太朗、42分53秒は区間新である。

第4区(7.6km)
 GMOはM・テモイ、35秒もの貯金をもらって悠々トップを快走、うしろの外国人同士の順位争いを尻目にそのまま逃げ切った。
 トップのGMOはゆるがず、2位は59秒差でサンベルクス、3位は1分07秒差でJR東日本、4位は1分17秒差でロジスティード、5位は1分30秒差でトヨタ自動車、6位は1分31秒差で豊崎播磨、7位は1分34秒差でトヨタ傍証、8位は2分29秒差で三菱重工とつづき、区間賞はJR東日本のラファエル・ダパッシュで20:32は区間新である。!

第5区(15.9km)
 GMOのこの区間は新入の太田蒼生、タスキをもらうとぶっとんでいった。3km=8:16、超ハイペースである。
 5kmも14分04秒と速い。後ろは誰も追ってこない。後ろではトヨタ自動車の湯浅仁も好調で、5kmすぎではJR東日本を抜いて4位にあがってきて、8kmでは3位・ロジスティードの四釜峻佑に追いすがる。3位集団となった湯浅と四釜は3位集団で2位のサンベルクスを追ってゆく。
 9.5kmになると四釜がサンベルクスの市山翼をかわして、太田を追い始める。
 トップの太田はその後も快調で11kmの松原橋を区間記録を上回るペースで通過、市山、四釜、湯浅の2位集団との差を1分25秒にひろげてしまった。
 2位集団のなかからは四釜が12kmすぎで仕掛けて、太田を追い始めたが、その差はつまらない。
 太田は快走、46分00秒は区間新の区間賞で、GMO初制覇の道筋を盤石のものとした。同じ青学の先輩である3区の鈴木塁人がきりひらいたビクトリーロードをしっかり固めたのである。
 かくして5区を終わって、トップはGMO、2位は1分18秒遅れでロジスティード、3位は1分26秒差でサンベルクス、4位は1分31秒差でトヨタ自動車、5位は2分17秒差でJR東日本、6位は2分23秒差で黒崎播磨、7位は3分15秒差でトヨタ紡織、8位は3分29秒差で安川電機だった。

第6区(11.4km)
 GMOは嶋津雄大、軽快にトップを行く。後ろからはもう誰も追ってはこない。単独走行である。5km=14:46h区間新ペースである。
 後ろでは2位のロジスティードにトヨタ自動車とサンベルクスがその差をつめはじめて2位争いが熾烈になる。
 4.8kmになってロジスティードにサンベルクスが追いついて2位争い、後ろにはトヨタ自走者が虎視眈々とねらうという展開になる。そこから抜け出したのはロジスティードで6kmすぎではロジスティードが単独2位に浮上した。落ちてきたサンベルクスを9.4kmでトヨタ自動車がかわして3位に浮上した。
 そんな後続の激しい攻防を尻目に嶋津雄大は後続を引き離して、ゆうゆうと逃げ切った。32分27秒は堂々の区間新である。
 かくしてトップはGMOがしっかりまもり、2位は2分08秒差でロジスティード、3位は2分37秒差でトヨタ自動車、4位は3分38秒差でサンベルクス、5位は3分38秒差でJR東日本、6位は3分48秒差で黒崎播磨、7位は4分40秒差で安川電機、8位は4分43秒差で中国電力とつづき、さらに8秒差で9位トヨタ紡織。10位以下もHonda、三菱重工、旭化成、富士通が続いていた。

第7区(15.6km)
 GMO・鶴川正也は落ち着いた走りで初制覇のゴール目指してひた走る。2分をこえる貯金をもらえば、あとはタスキを運んでゆくだけのメッセンジャーである。
 はるか後ろは8位入賞争いが熾烈になってきた。昨年優勝の旭化成、かつての王者・富士通がここにいるのである。
 4kmでは9位のトヨタ紡織に、Hondaと三菱重工が接近、3チームで入賞ラインを追ってゆく。5kmをすぎて9位集団に旭化成と富士通が近づいてくる。激しい9位集団から抜け出したのは旭化成の井川龍人で6kmをすぎて、8位の安川電機を追い始めた。7kmすぎで井川は安川電機をとらえて8位に浮上するのだが、8km手前では9位集団が追い上げてきてまたまたダンゴ状態になる。
 9.2km地点ではGMOの鶴川がトップ通過、2位のスティードとは2分09秒差。3位トヨタ自動車、4位サンベルクス、5位JR東日本とつづいていた。
 8位争いは10kmをすぎて井川の旭化成とHondaの伊藤達彦の争いに絞られたが、14.9kmで伊藤がスパートして井川をなんとか振り切った。それにしても昨年、最後まではげしく優勝を争った両雄が、8位の入賞争いに鎬をけづるとはなんとも皮肉な巡り合わせというほかない。
 GMOの鶴川正也はゆううゆうと独走2位に2分27秒差をつけて初制覇のゴールにとびこんだ。4時間40分00秒は大会新記録である。区間賞はSUBARUの並木寧音で45分23秒、これも区間新である。
 GMOインターネットグループが創部10年目にして初の日本一、東日本王者のロジスティードが過去最高の2位出ゴール。優勝候補筆頭のトヨタ自動車は3位、4位JR東日本はチーム最高タイ順位。5位のサンベルクスは初入賞。6位中国電力、7位黒崎播磨、8位Hondaまでが入賞。前回Vの旭化成は9位だった。

 優勝したGMOインターネットグループは悲願の初制覇である。もともと潜在能力はきわだっえいたが、レースではじめてその真価を発揮した。
 区間賞が二つでいずれも区間新、区間2位は3つ、あとの二人も区間一ケタ順位で、圧勝というべきである。
 箱根メンバーが5人、うち青山学院大出身者が4人を占める。若くて勢いのあるランナーが新しい世界をこじ開けたというべきであろう。
 2位には関東大会を制したロジスティードがやってきて、フロックではないことを照明して見せた。
 1区の富田、2区の平林の快走で一気に流れに乗った。5位に終わったがサンベルクスを含めて、この3チームが優勝争いをしていたのをみると、先にものべたように、実業団駅伝の世界にも、新しい時代の到来したといえる。
 3位にはトヨタ自動車が最終区でようやく3位にあがってきた。
 優勝候補の筆頭の呼び声が高かったが、2区、3区の田澤簾、鈴木芽吹の駒澤大出身コンビの伸びがいまひとつで勢いがつかなかった。
 4位のJR東日本は大健闘である。3区で4位に浮上、5区では3位まで押し上げてきた。
 5区のサンベルクスも吉田響の爆走で中盤までは優勝争いに絡んでいた。着実に力をつけつつある。
 6位の中国電力、伝統のチームがひさびさに上位にやってきた。復活の兆しありというべきか。7位の黒崎播磨も安定したところをみせつけた。 
 昨年優勝を争った旭化成とHondaは入賞争いを演じるというともに低空飛行に終始したのは意外だった。ともに今回は戦力が整わなかったんだろう。
 新興チームが伝統チームを凌駕した。本大会は奇しくも主役交代のレースとなったようである。

◇ 日時 2026年 1月 1日(木=祝) 9時15分 スタート 
◇ 気象 天気:晴 気温6.9℃ 湿度44% 北西2.0m(午前9:15現在)
◇ コース:群馬県庁スタート~高崎市役所~伊勢崎市役所~太田市尾島総合支所~太田市役所~桐生市役所~JA赤堀町~群馬県庁をゴールとする7区間100km
◇旭化成(長嶋幸宝、茂木圭次郎、葛西潤、キプルト・エマニエル、大六野英敏、齋藤 椋、井川龍人)
◇TBS公式サイト:
◇総合成績: