全日本大学女子駅伝がおわり、テレビ中継される次の駅伝レースは11月3日(水=祝)の東日本実業団女子駅伝である。中継といっても同日の午後、むろん録画中継である。同時開催の東日本実業団駅伝は、同じ録画中継でも23日(祝)で、ここまでもってこられてしまうと、いささか間のびしてしまううえに、同じ時間帯に国際千葉駅伝があるから、あらためて観戦する気もなくなってしまう。


 東日本実業団女子駅伝は12月に岐阜でおこなわれる「全日本実業団女子駅伝」の関東地区予選である。


 実業団女子駅伝は今年から地区割が変更になった。全国を東日本、中日本、西日本の3ブロックにわけて予選がおこなわれることになった。出場枠は固定的なものではなくなり、まず第1次として、全日本大会で16位までに入ったチーム数に応じて各ブロックの出場枠をきめる。今回にかんしていえば、まず東日本11、西日本3、中日本2。残りの6チームは各ブロックの成績で割り振るのだという。その結果今回は東日本3、西日本4、中日本2が追加配分された。たとえば西日本ではそれまでの地区別割当がなくなり、単純に上位7チームがまず決定、さらに8位以下でも2時間20分以内にゴールしたチームにも出場をみとめ、最大8チームに出場権をあたえる方式に変わったのである。


 3ブロックのうち西日本と中日本はすでに予選会を終えている。中日本は5チームでおこなわれ、デンソー、新潟アルビレックス、ユタカ技研、小島プレスが出場権を得た。


 西日本ブロックは16チームで争われ、ダイハツ、ワコール、シスメックス、天満屋、大塚製薬、ノーリツ、十八銀行の7チームが予選通過となった。


 もっとも出場枠が多いのは東日本ブロックだが、皮肉にも11月3日の東日本実業団女子駅伝のエントリーは13チームでしかない。無事故で完走すれば13チームすべてが本戦への出場権を獲得することになる。

 豊田自動織機、ホクレン、ユニバーサルエンターテインメント、三井住友海上、第一生命、資生堂、しまむら、日立、日本ケミコン、パナソニック、スターツ、積水化学、ヤマダ電機……と全チームが予選突破を保証されているのである。


 アコムが今シーズンから廃部になったために、予選の意味をなさなくなってしまった。東日本実業団ののチャンプをきめる大会とはいえ、各チームともに、すでにして12月の全日本に焦点をしぼっているだけに、なんともふやけた、ゆるい大会になってしまいそうだ。


 とにかく完走すればいいのだから、ベストメンバーでのぞんでこないかもしれない。出場する側も、観戦するぼくたちも、なんとも緊張感を欠いたものになってしまいそうである。


 女子駅伝も年を追うごとに、撤退するチームが後を絶たない。今シーズンも中日本のスズキ、北國銀行、東日本のアコムが姿を消した。全国的に凋落傾向に歯止めがかからないようである。


 唯一、予選会らしいのは西日本だけというイビツなかたちになっている。地区割にしても妥当なものとはいいがたい。ならばもう予選会なんかやめて、全チームに出場権をあたえたらいかがなものだろうか。





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