駅伝時評web-izumo



 毎年、駅伝シーズンの到来を告げるのは「出雲全日本大学選抜駅伝」である。20回目の記念大会にあたる今年、日本大学が昨年につづいて優勝、連覇を達成したが、その結果もふくめたかたちで、『出雲駅伝20年史』(陸上競技社)が発刊された。


 112ページからなる冊子は写真と総合記録で構成されており、駅伝ファンにとっては興味ある内容になっている。この一冊があれば過去の記録が一目瞭然なのである。


 どういうわけか、ぼくは「記念誌」なるものには目がないほうで、「洋服の歴史」から「競艇沿革史」まで、いろんな「記念誌」「年史」「周年史」の類をためこんでいる。なかでも「駅伝」の年史はみのがすわけにはいかないというわけで、さっそく一本を購入した。


 「年史」というのは、どういうわけか、だいたい巻頭に「お偉いさん」がたの、どうでもいい「ご挨拶」がならび、かなりのページをとるのがきまりのようになっているようである。ほとんどが紋切り型の挨拶文で、ほとんどがページのムダといっていいだろう。「出雲駅伝20年」の場合も総ページ数のわりには、この「ご挨拶」が多すぎる。


 それはともかく、学生三大駅伝といえば「箱根駅伝」「全日本大学駅伝」そして「出雲全日本学生選抜駅伝」である。これまで「箱根駅伝」については70年史、80年史が出ている。歴史的にいちばん後発の「出雲……」は、このほど発刊された。


 残るは「全日本大学駅伝」だが、今年で41回をかぞえるのだが、とうとう40年史なるものは発刊されないままに時がすぎていった。


 そうなるとタイミング的には次は50年史ということになるのだが、それではちょっと遠すぎる、せめて四年後の45年でなんとかならないものか。