これは、MOOG博士が作った「MOOG system-3C」。
(画像は、www.moogmusic.comより引用)
ヴィンテージの「system-3C」はキースエマーソンが、ELPで演奏していたのがとくに有名です。ELPのアルバムの「タルカス」で、オルガンパートの後に、「フォー!」と鳴っていました。関心のある方は、ぜひ聞いてみてください。
発売当時、世界各地の大学でも購入されていたようで、アメリカの大学の他に、東京芸術大学にも現存しています。今でも学生さんがメンテナンスをされているそう。
MINIMOOGは、アナログシンセサイザーの「ストラディバリ」のようなものだと前の記事に書きましたが、「system-3C」はアナログシンセサイザーの「GRAND FATHER (おじいさん)」にあたるシンセサイザーです。
「system-3C」はパッチケーブルで音作りをする「モジュラーシンセ」ですが、MINIMOOGはそのパッチ接続の「おいしいシンセ構成」を抜き出して、持ち運べるようにしたシンセサイザーです。いわば、「system-3C」からMINIMOOGができたようなもの。
MINIMOOGは、見た目通りの3VCO-VCF-VCAのシンセサイザーではなく、モジュラーシンセの「自由なパッチング」から得られた経験が、内部に「MAGIC!」のように作りこまれています。これが、MINIMOOG生みの親のMOOG博士が「ドクター」と呼ばれる理由のひとつでしょう。
MINIMOOGの「クローン」がMINIMOOGを越えられないのは、必然といえます。
「system-3C」が他のアナログシンセと決定的に異なるのは、VCOとVCFの鳴りの良さ。
とにかく、部品に大きいものを使っているので「音抜け」がいい!
パネルの裏側にある、抵抗とコンデンサのでかいこと!
このへんは、大きいエフェクターほど音がいいのと同じ。
パネルのボリュームも、MINIMOOGと同じ「音抜け」のいいやつです。
さらにすごいのが、一般的なVCOは、電気的な「放電!」を繰り返して音を出していますが、「system-3C」はその放電用のトランジスタを「焼いて」しまうほど、ガッツのある放電になっています。(とくに初期型) ふつうの製品なら、耐久性を考えてこんな設計にしません。
やはり、出音の「迫力」を優先して、あえてこういう風にしてあるのでしょう。
昔の工事現場で使っていた「杭打機(くいうちき)」を、1秒に440回動かして「A」の音を出しているイメージです。
「それ、必要!?」って感じですが、そのあたり、MOOG博士が「ドクター」と呼ばれる理由でしょう。(笑
「MOOG system-3C」の話は、他にもいろいろありますが、それはまた違うタイミングで。
ヴィンテージシンセ担当の吉田が、記事にまとめました。
GENELEC1032モニターで、ビンテージシンセの「ほとんど」の機種の音を聞いてきましたので、的確に特徴や音の違いをご説明できます。 NEVE1073、1272、3045、API550などのビンテージマイクプリも、同様です。
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