ビヨンド・ザ・ワールド~光と影~4
【消えた古文書】
(王宮)


「光る石板を見てみたい....。」
マスターゼロの一言で、
エル達一行は、
王宮に移動していた。

デウス
「石板を見る前に、
皆様にご報告が....。
トル殿の隠れ家を
調べさせてもらいましたが、
実は、
古文書が一冊、
無くなっておりました...。」

エル
「古文書ですか....。
その内容はどのような?」
デウス
「確か、
4つの世界について、
書かれていたかと....。
タイトルが、
『創世記の書』でした。」

ネヴァン
「4つの世界ですか....。
聞いた事はありますね。
この現世界の他に、
天界、
魔界、
異界、
が、存在している、と。」
デウス
「よくご存知で...。
そうです。
我々が住む、現世界。
神々が住む、天界。
魔王が住む、魔界。
そして、
死者が住む、異界....。」
ゼロ
「4つの世界ねぇ。」
ゼロは腕組みをし、
目を閉じた。
その様子を見て、
デウスは、
「では、予言の間へ。」
皆を促した。
予言の間....
この世界の各地に眠っていた、
古の予言が刻まれた石板が
集められた部屋...
そして、
石板が光を放つ時、
書かれている予言が近く
成就すると言われている...

ゼロ
「予言の石板か....。」
ゼロが静かに呟いた。
光る石板には、
始まりがあれば、
終わりがある
生を受けし者、
死も受け入れなければならぬ、
太陽は昇り、
やがて沈む
月は満ち、
また、
欠けていく
光あれば、
影もできる、
この世の摂理は、
調和である....
デウス
「あまりにも抽象的で、
この石板はあまり、
重要視していませんでしたが、
このタイミングで光るとは....」
エル
「そうですね、
危険な香りはしませんね、
この文面では....。
しかし、
キーワードは、
『この世の摂理は調和』ですね。」
ゼロ
「光の教団か....。」
ゼロの眉間に皺ができた。
そして、
ゼロ
「もう一度、
光の教団を調査しましょうか、
何か関係があるかと....。」
デウス
「そうですな、
何かの手がかりになるかとは...」
エル
「では、
シャドームーンが
光の教団をあたります。
デウス様には、
魔剣について、
調べてもらえませんか?
トル様を、
殺めたほどの武器です。
情報が無ければ、
犠牲者が増えます。」
エルがマスターの顔になって、
言った。
デウス
「承知致しました。
『創世記の書』の方も、
調べてみましょう。」
エル
「お願い致します....。」
エルは、
誰にでもなく、
頭を下げた。
そして、
窓から見えた、
空を飛ぶ、
一羽の鳥の姿を目で追っていた。
(トル様....)
【黒幕】
(とある光の教団施設内)


ヴィーネ
「どんな具合だ、
例の件は?」
薄暗い部屋の中、
ヴィーネが言った。

側近
「そうですね、
あと百人くらいの生け贄で、
予定の戦力が揃えられそうです。」

アベラール
「百人か....。
フッ、
で、
ここでは、
そのローヴを脱いだらどうだい?」
アベラールにそう言われ、
側近は、
ローヴの中で、
微笑んだ。
側近
「確かに....。」
側近が、
マントを脱ぐと、

カイロス
カイロス
「いい加減、
ローヴは不自由で....。」
カイロスが、
姿を見せた。
カイロス...
死霊を操り生命をもてあそぶ
邪悪なネクロマンサー。
カイロス
「ソルフェージュ嬢の世話も...。」
カイロスは、
そう言って、
伸びをした。
そして、
「ご苦労だったな、カイロス。」
部屋の奥から、
声がした。
その声を聞き、
三人に緊張が走った。
アベラール
「ご希望の品を
お持ち致しました....、
教皇様....」
アベラールが恭しく言った。
部屋の奥から、
姿を表したのは、

光の教団3代目教皇
ヴァラック....
だった。
つづく♪