こんにちは、理学療法士の安部です。
今回、ロコモティブシンドロームについて話します。

○定義
運動器の障害のために移動手段の低下をきたした状態を、ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)といいます。進行すると日常生活活動の自立性を阻害し、介護が必要になるリスクが高くなったり介護が必要となったりします。
○概念
運動器の主な構成要素である骨、関節軟骨・椎間板や筋肉・神経が、加齢や疾患などにより障害されると、疼痛、筋力低下、関節可動域低下やバランス能力低下をきたします。その代表疾患は、骨粗鬆症、変形性関節症、変形性腰椎症(腰部脊柱菅狭窄症など)、サルコペニアや神経疾患です。症候群なので、移動機能が低下している共通の病態を呈した末病の状態から、運動器不安定症などの疾患や介護が必要になるまでを包括しています。予備軍を含めると国内で4,700万人にロコモの危険性があるとされています。
○評価法
・ロコチェック
ロコチェックは、自分でロコモの疑いがあるかを簡単に確認する方法です。7つの項目からなり、すべて運動器が衰えているサインで、1つでも当てはまればロコモの可能性があります。

・ロコモ度テスト
ロコチェックに加え、より広い年齢層でロコモの危険度を評価する方法で、「将来ロコモティブシンドロームになりうる可能性」を判定する方法(2013年5月発表)で、3つのテストからなります。

○臨床判断値
ロコモ度テストの計測結果から、各項目における臨床判断値を用い、ロコモの進行状況を「ロコモ度1」または「ロコモ度2」と判定します。
ロコモ度1は、移動機能低下が始まっている段階で、ロコモ度2は、生活は自立しているが移動機能の低下が進行している段階と判断します。程度に応じ、規則正しい生活習慣を含め、運動や食事の指導や、運動器専門医の受診をお勧めします。
○対策
運動器は運動を担う器官であるため、運動器障害・疾患の予防や病期の進行予防・改善がロコモ対策につながります。また、運動器の過度の使用や不規則な生活・習慣により運動器障害が生じることがあるので、ロコモ対策の基本は規則正しい生活習慣を含め、運動や食事の指導です。
運動は、個々の社会背景や身体の特徴に合わせて実施することが重要です。実施に際しては、転倒に注意し関節痛や背部痛が悪化することがないよう注意しましょう。また、短期的目標と中期的目標を設定し、実施することが運動を継続する観点からも必要です。