いつも読んでいただきありがとうございます。
建設業社労士でゼロコスト採用コンサルタントの渡瀬です。
突然ですが皆さんの会社には就業規則がありますか?
「ない」という会社すでに問題発生です。
「ある」という会社は、いつでも従業員が閲覧可能になっていますか?
「閲覧できない」という会社も問題です。
大前提として、就業規則は作成するだけではその効力を発揮せず、社員へ周知徹底されてはじめとその効力を発揮します。だから、従業員が閲覧可能になっている必要があります。
よくあるケース
中小企業の社長様とお話しさせて頂くと、就業規則は作成してないまたは就業規則は
作成しているが従業員に開示をしていないケースが散見されます。その理由をお聞きすると「就業規則を開示すると、その記載事項を盾に様々な主張がされる」と類似するような内容が比較的多いです。本当に従業員の主張は多くなるのでしょうか?
危惧しているケース
おそらく社長さんが危惧しているのは有給休暇、慶弔休暇、育児休業、介護休業といった内容を主張されることだと推察されます。しかし、会社の実態に即して就業規則を制定することも可能であり、有給休暇に関して言えば5日を超える有給休暇についは計画付与日を設定して会社で一律全員が消化することも可能です。
※就業規則の制定以外にも労使協定の締結も必要です。
具体的には会社が休みになるケースが多い年末年始に計画付与日を設定し、従業員が一律に有給で休みことも可能です。
実際には従業員に対する規定が多い
確かに前述のように従業員の権利を保護する部分があるのは事実ですが、就業規則の内容の大半は従業員に対して禁止事項や規制する内容です。人事規定、服務規程、勤務規定、賃金規定、退職・解雇規定などです。
これらを会社の実態に即して事前に定めておくことで、従業員がやってはいけないことが明確になります。また、その内容に基づいて従業員への指導を行うことでパワハラ、モラハラなどを避けることも可能です。
就業規則が会社を救う!
私も仕事上で従業員と団体交渉を経験しましたし、労働審判から裁判も経験しました。そして会社側として主張できることの多くは、就業規則に明記されている内容に基づいて行われました。
確かに、就業規則を作成するときには必要記載事項が定められております。その中には経営者にとって従業員から権利を主張されるような内容が含まれていることも事実です。しかし、それ以上に従業員との間でトラブルが発生した時には結果的に就業規則に助けられることもあります。
そして、有給休暇などを危惧されるケースが多いですが、実際には有給休暇は労働基準法で法制化されていますので、就業規則を定めるor定めない、就業規則を開示するor開示しないに関係なく労働者の権利として保護されていますので、記載の有無を持って判断することはできません。
結論
就業規則は現在の実態に即して作成し、従業員に開示することをお勧めします。そして、規定したい部分については、その会社の独自ルールとして明確な取り決め(法律で定められている内容を下回らないように)を行っていくことが大切になります。
労働者の皆さんへ
自分の会社のルールを把握するためにも、一度自分が勤める会社の就業規則を確認してみて下さい。